第28話 実は初めての高野山!?お墓観光である!?
……本当にパスタのお店があった!結局、うどんではなく、パスタにした。純喫茶のナポリタンなどではない。本格的イタリアンのお店が高野山にあるのだった。店内にはピザ釜まであるお店である。
……ここは高野山である!
予想以上に高野山にはお店が多かった。花梨ちゃん行きつけのお店らしく、店員さんも気さくに話しかけてくれた。
花梨ちゃんと私は『トマトパスタ』を食べた。花梨ちゃん曰くここのトマトパスタはとても美味だと言っていたので同じ物を頼んだ。トマトが違うらしいが……。
……実際滅茶苦茶美味しかった。
「あのう……ここ高野山ですよね?」
「……ふむ、高野山だ」
「パスタ本格的過ぎだと思いますが!」
「……煩悩に負けた修行僧が食べに来る大繁盛のお店である!……っというのは冗談……」
「高野山って普通にコンビニもありますし、かなり大きな町ですよね?」
「……高野山だけで一生を終える事もできる!但し、車の免許は東高校に近所まで行かないとダメ。あとカワサキのバイク屋さんもない。やっぱり高野山だけでは生きていけないようだ……グフッ!!!」
その後花梨ちゃんと何気ない会話をしながらパスタのお店でのんびり過ごし、少し高野山を歩いて回ることとなった。
「実は、高野山来た覚えがないんです。初めてかも?想像していたより大きな町で驚きました」
「……ふむ、高野山は実は結構こぢんまりしていて生活しやすいのだ」
「自然もとても多いですし、あと夏涼しそう」
「……冬、雪が積もって凍結するけど……」
「ええ!?じゃあ、学校どうやって通っているのですか!?」
「……ふふふ……それを知ると命を落とすことになる……」
いや、中二病は出来ればご遠慮願いたいです。
その後帰り道に花梨ちゃん行きつけのお店や雑貨屋などにより探偵事務所に帰宅することにした。途中、沢山あるお寺はほぼ素通りし……ホントに多すぎて驚いた。
帰り道、奥の院にも立ち寄ったのだが……
「ロ、ロケットの墓石がありますよ!」
何故かロケット型の墓石があった。
「……ふむ、あっちを見るといい」
「や、ヤク○トがある!?」
「腸内で息絶えた菌を葬っているのだ!」
有名企業の墓が沢山ある。そのなかでも目を引いたのが……
「シロアリ……安らかに眠れ……いやいや!むしろ殺っちまってる側でしょ!」
さらにコーヒカップまで墓石になっている。
……コーヒー屋は何を殺っちまったのだろう……。
「……ここは有名な武将の墓とかも普通に立ってる。お墓を観て回る観光客がいっぱいいる」
「お墓を観光するって……どうなのでしょう?」
「……ふむ。私的にはお勧めする。理由は聞かない方がいい!み、右手を解放したくなる!?」
……花梨ちゃんはそういうキャラでないので是非止めて頂きたい!
「花梨ちゃん、少し寒くなってきたので戻りましょうか」
「……4月と言っても、高野山の気温はまだまだ寒い……戻って暖を取ろう」
標高約800mあるうえに、周りの山が1,000m級の山々で囲まれている。平地でも4月の夕暮れは寒い季節なので、さすがに高野山は寒かった。
奥の院から通りに出てくると、『ヴァアアアアアン!!』っと爆音(ヨシムラ!?)が聞こえた!?
――って!?あれ!?
――ものすごく観たことあるバイクが来た!?
っと、思ったら『高野龍神スカイライン』の方へ一瞬で消えていった!?
「って!今の日花梨さんですよね!なんかすごいファイティングな格好してましたよ!」
「……ふむ、気のせいだ!」
日花梨さんでないようだ・・・・!時速100kmは出ていた!
――そんな訳あるか!!!
「あれ、どう見ても日花梨さんでしたよ!」
あのようなもの凄く特徴がある痛バイクがあるものか!
遠くに行ったはずの『ヴァアアアアアン!!』が戻ってきた!?
そして私と花梨ちゃんの前で止まった。
「ありゃー!ナナちゃんじゃない!なんで高野山にいるのかなかな?」
日花梨さんが話しかけてきた。
「私が高野山にいることより何ですか!?その格好は!」
日花梨さんの格好はレーサーのような格好をしてた!とても公道でやってはイケナイ事をやる気満々である。
「ああ!この格好?うんとねー……バイクでこけちゃうと大変だからねーちゃんとプロテクター付けとかないと!安全運転!安全運転!」
「あと、バイクで峠攻めてるとき、胸が滅茶苦茶引っ張られるんよん!その点ツナギはいいね!体がピタッと!するし!」
この暴れ馬め!今峠攻めてるとか言ってたぞ!そのメロン脂肪吸引してやろうか!?
「……日花梨無謀運転、絶対ダメ!」
「ええー!?花梨ちゃんは東高の制服姿で『隼』を追い回してじゃないかなかな!」
「……あれは『雀だ』!?」
花梨ちゃんもですか!?……っと思ったけど、鳥を追って走るとは、自然の動植物を感じながらの普通のツーリングだと思います!私の花梨ちゃんを日花梨さんと同類にされては『誠に遺憾である!!』
「で、日花梨さんは何処まで行くのですか?」
「んん?ごまさん行ってここに帰って来るだけだよ?」
何がしたいのか全く判らない人だ……。
「日花梨、今日は帰る……いや、私の家で夕ご飯食べていくのもいい」
「って!ああ!ナナちゃん花梨ちゃんの家にお泊まりなんだねだね!」
「うーん、家に帰って着替え取りに行くの面倒くさいなー!」
花梨ちゃんのお誘いを面倒くさい!?だと!さっさと帰えれ!そして二度と来るな!
「日花梨さんの家も高野山なんですか?正直言って東高遠いですよね?」
正直、高野山からでは東高校はかなり遠いと思う、そこまで魅力的な学校ではない。
「うーん、花梨ちゃん学校の事、言っちゃっていいのかなかな?学校自体は私は遠くないから」
「……ふむ!時速50キロで走っても1時間位で着くから然程遠くはない。あと、日花梨は高野山と言っても山の下だから私より遙かに近い」
日花梨さんの言い方では何か裏がありそうだが、花梨ちゃん曰く普通だそうだ。
「何か釈然としませんが……実際高野山で普通に生活してるのは判りました。」
この2人には秘密があると思った。なーんか怪しい……。教えてくれないのは、まだ私はそこまで親しくないからだろうと思う事にした。
「まっいいっか!それじゃー私帰って着替えてくるねー」
そして日花梨さんは『トコトコ』サウンドで自宅へと一旦戻っていった。
グダグダ言ったのに結局来るのですか!来なくていいぞ!
「……七海帰ろう。途中晩ご飯の買い出ししてから帰る」
高野山の夕暮れはとても幻想的でもあった。周りの山は高く、雪も少し残っていた。和歌山県民あるあるだが、年1回雪が積もる事もない。まして雪を観る機会がない。雪なんてTVやネットで観るくらいである。わりと冬でも温かい気候のお陰で、4月ともなると春のレジャーで観光客が沢山来る。ネコ駅長の近所にはイチゴ狩りが楽しめたりと春真っ只中だが、ここ高野山は2月位の景色である。バイクに乗るのに着込んでいたお陰で、少し寒いと感じる程度だ。とても新鮮な景色だった。
花梨ちゃんの家までは丁度散歩して帰るにはいい距離だった。昨日のマラソンが無ければ楽しめただろうが、当分歩きたくないとも思った。
水槽楽部に入部したお陰で、まず来ることが無かっただろう高野山を散歩することができた。何故かバイクでツーリングも出来た一日だった。まだ入部して間もないが、水槽楽部に入って良かったなと思った夕暮れだった。




