第26話 続!?アクアショップ!?奴は四天王の中でも最弱なのか!?
水草水槽が沢山並ぶエリアへ花梨ちゃんと共に移動した。水草水槽の展示エリアかなと思っていたが、よく観たらネームと値段が張られるいる。しかもオシャレなPOPにリアリティ溢れる値段が書かれていた。
「こ、このウォーターローンって書いている水草、緑の絨毯みたいでとても綺麗ですね!……ワンカップ2,000円って!これっぽっちで2,000円ですか!?部室の水槽をウォーターローンにしたら、もの凄い事になりますよ!?」
正直、こんなに水草が高いとは思わなかった!部室の水槽はどれだけのお金がかかっているかさらに怖くなってきた……。
「……ウォーターローンは高い、けど、日花梨の水槽ならワンカップあれば十分な量。部室の一番大きい水槽に使うなら、60cm水槽ぐらいで増やしてから使うかな」
水草は増やすことが出来るらしい!
「花梨ちゃん!この水草増やせば一攫千金じゃないですか!」
「……私も思う……ただし、ウォーターローンは難しいのだ!部室の一番大きい水槽に使っている水草はヘアーグラス。ヘアーグラスは簡単で増やしやすい。トリミングも結構簡単。だけど、このウォーターローンは植栽の難易度が高い、水槽の環境に適応させるのが難しい。さらに適切な肥料の添加、適切なソイル選び、それだけでなく、CO2添加量・水質がとてもデリケート。トドメのヤマト隊長を出動出来ない」
難しいことだけが判りました!!!!!
「内容が全く理解できませんでした……難しいって事が判った位です」
「……でも、七海の水槽なら出来る」
な……なんですと!?
「どうして私の水槽なら出来るのです!?とても難易度高いのですよね!?」
「巨大水槽で実現するのが相当腕がいる。でも30cmキューブなら意外と簡単。あと、七海の水槽は水質を左右させられる流木や石を入れてないから。弱酸性寄りで硬度が必要としない水草なら、水槽に入る大きさの水草なら何でも育てることができる。」
「アクアリウムって単純に大きい水槽なら良いとは言い切れないの。時には小さい水槽の方が良いこともある。大きくなれば水質は安定しやすいが、その分濾材や用品、水替えの量が比例して大きくなるから」
「大きければ良いって訳じゃないのですね……お店の水槽も意外と小さいですよね。部室の水槽の方が遙かに大きいですし」
「……うむ!部室の水槽は相当大きいのだ!ちなみに、七海はまだ観てないと思うけど、日花梨の海水水槽は無茶苦茶大きい……」
日花梨さんはもっと大きい水槽を持ってるのか……何でもデカメロンだ!世の中不公平である。
「アクアリウムって色々なのがありすぎて、どれにしたらいいのか迷います」
見た感じはとても綺麗なのだが思い出したことがあった。
「部室の水槽って、お魚少ないですよね?なんか、水草がメインで魚がおまけみたいな……」
「……うむ!水草水槽は魚を『わざと』少なくしてる……説明すると長くなるから今日は止めとくけど、簡単に言えば、魚を沢山入れるとそれだけ水が汚れるから。水槽には濾過能力に限界がある。水草水槽は水草の生長に適した環境作りが必要。さらに安定した水質を維持しないと水草が枯れる、コケがイッパイ繁殖して大変なことになったりするから。だから、安定しやすい量の魚を入れるから生体は少ない」
「なるほど……でも、お魚メインで飼育したい人はどうするのですか?」
「……私には理解できない……」
アクアリウムに関してはとても詳しそうな花梨ちゃんだと思っていたが……判らないって事なのか?
「花梨さんは水草水槽以外に興味が無い性癖なんですよ。部室の水草水槽の生体も水景に合わした魚を選んでるくらいですよ」
愛芽さんが判りやすく教えてくれたのである。って!性癖って!?
「……ベ、別にお魚メインの水槽も悪くないと思う!」
……手足の震え・寒気・倦怠感などが出ておられます!
「ちなみ、私は淡水魚・海水魚問わず生体メインでアクアリウムやってますよ。バックヤードの部屋にオーバーフロー水槽がありますよ。」
「……うむ!部室はここのお店より凄い濾過システムを搭載してるのだよ!」
「ちなみに、日花梨さんの家はもっと凄いですよ。横幅10メートル奥行き1メートル、高さ1メートルの海水水槽ですので」
女子高生が買える値段ではないことは、アクアテイ○ーズに来てよく判った!!
「今回は、普通に濾過材だけ買って帰ればいいと思いますよ。そもそも、七海さんは動機不純で花梨さんにゾッコンなら水草水槽以外は選択項が元々無いでしょ?」
痛い所を突いてくる愛芽さんである。
「ベ、別に……」
「言い訳は結構です、さる情報通からの報告によりますと、昨晩一緒にお風呂に入浴した際にハレンチ極……」
「さる情報通って誰ですか!」
私のプライバシーがダダ漏れ状態です!
ってくだらない話をしていると、いつの間に花梨ちゃんがいなかった。別の水草コーナーで水草水槽を吟味していた。
水草を一通り見て回ったが、どれを入れたら良いかなどはまだ判らなかった。水草コーナーから海水コーナーへと移動した。そこには当然だが、日花梨さんがキャッキャしていた。
「いやいや、この子可愛いねぇ!この目がシャキーン!ってしてることとかがすごくいい!パープルのボディーもステキ!」
日花梨さんが何やら小さい淡い紫色の魚を観ていた。パープルファイヤーゴビーっと書いてい……ええええええ!一匹で13,000円!?超高級魚である!周りを見てみると海水魚が半端なく高かった!振り返るとサンゴ水槽もあった。値札が半端なく高い!?よく観ると部室の海水水槽にも同じサンゴがあった気がする。デッカイ唇みたないサンゴがあるが、部室より小さいのでも値札が1万円と書いていた。
「ひ、日花梨さん!無茶苦茶たかいですよ!部室にも同じサンゴありましたよね!?」
唇みたないサンゴを指さして聞いてみた!
「お!ナナちゃん興味あるある?うーん、部室のとはちょっと違うかなーグレードが?その子は小さいし、開きがまだまだだし、発色がイマイチだねー。最近入ったオオバナサンゴだねぇ」
この高級唇野郎は、オオバナサンゴ様らしい!
「部室のとあまり変わらない気がしますが……ちょっと小さい位で」
「全然違うよー!大きさも2倍くらいあるし、発色が全然キレイだからねー。ナナちゃん観たときはお昼モードだったからかなかなー?あ、ナナちゃんには判りにくそうだから、判りやすく値段にしたら、部室のなら最低5万はするよん!」
サンゴ無茶苦茶高かった!
「サンゴって高い……半端なく高いですよ!」
「だねだね!でも、元々は部室のサンゴはもっと小さかったよん!手塩にかけて育てたからね!海水だけに!あははは!」
海水水槽のデジタル水温計が10度下がった!?七海さんが水温計の方に振り返ると10度戻った!? 店員さん!どうやらあの水温計は壊れているようです。
「サンゴも水草みたいに成長するのですね!それなら小さいのを買って大きくすればいいのですか?」
「ん?サンゴは水草と全く違うよん!そもそも、水草は植物でしょ」
「まあ、海水と淡水では全く違いますが。」
「ああ!私の言ってるのそういう意味でなくて、サンゴは動物だよん!個体によっては餌をあげないとダメだしねー!そのオオバナサンゴも海老とか食べるよん!」
「ええ!?これ海老食べるのですか!?」
見た目以上にヴァイオレンスな奴である!?
「毎日じゃないけどねー。部室のサンゴは液体フードあげてるよん!」
何でもアリは水槽楽部員だけではなかった!?
「え、餌ですか!?てっきり光合成してるのかと思ってましたが」
「光合成もしてるよん!種類にもよるけど、正確には光合成をする虫がサンゴの中にいるが正しいよ!ちなみに、サンゴは光合成をする虫、褐虫藻と共生している動物よん」
「今観てるオオバナサンゴは日の光が弱い所に生息するサンゴだから、光量はそれほど要らないけど、その分、餌をあげないと成長が鈍化するし、発色も悪くなる。夜間モードにすると餌を捕食する触手が出るよん!」
「水槽内で飼育するのはLPSだから意外と簡単だけど、サンゴは維持だけでも難しいの。それを成長させるとなると……莫大なる軍資金が必要である!」
……全く判らない!?専門用語が多すぎ!です!が、判りやすく端的に言ってしまえば、「金だ!」
「って?ナナちゃんついてきてるー?判りやすく言っちゃったら……」
「金!金!」「お金ですね!」「……お金こそ正義」
なんと!?花梨ちゃん、日花梨さん、愛芽さんが口をそろえて金!だと言った。
「……海水水槽は、レベル《収入》を上げて物理《現金》で殴れ!!」
「正直、お金が育成に直結ですね」
「キャッキャッキャッ!海水水槽はキャッシュルホテルよん!」
「……フフフ!海水水槽など四天王の中でも最弱!」
海水水槽の上に3人もいるのか!?
「海水水槽はなんとか家の中に収まるからねー!」
「って、女子高生が手軽に始められませんよ!」
「……その点、水草水槽はお財布に優しいのだ!アイデア次第では、売ってるグッズに匹敵する機材を自作できるのだ!」
再びドヤ顔である!てか、この回ドヤ顔多くない!?
「淡水水槽は意外と自作で乗り切れますからねー。私の水槽もほぼ自作アイテムで構成されてますし。今年の秋の文化祭は一つ自作アイテムでも作りましょうか?」
「……うむ!それもいい。あと、七海の水槽も文化祭の出し物とする!」
まだ4月だけど、文化祭の準備が始まりそうである。
「それでは、七海さんの水槽用品は部費で落としておきます」
私の水槽用品のカゴにコッソリと日花梨さんが何やらアイテムを入れてきた!
「あの、日花梨さんこれはお返ししておきます!」
「うんもー!けちんぼさんだね!ナナちゃんは。そんなこと気にしてたら大きくならないよー!」
日花梨さんに用品を突き返している後ろで、花梨ちゃんがカート一杯にしてギャンギャン走り回っているのである!
「って、花梨ちゃんそんなに買ったらバイクに積んで帰れないですよ!」
「……全部ネコで送るから問題ない!」
宅配便使うとの事だが、すごい量の買い物であった。花梨ちゃんは買い物は終了したらしく、支払いをしている。カードで支払いをしているようだが。
「高校生がクレジットカード使えるのです?」
「うむ!アクアリウムは基本ネットをすごく利用するし、高額になることが多いカード必須。あと、正確にはデビットカード。七海も作っておくといい。チャーム便には必須!」
チャーム便を使うにはクレジットカードが便利らしい。チャームって何かはよく判らないが、何かのサービスなのだろう。
その後、私のアクア用品も会計を済ませた。今回購入したのは、りう゛ぁーーーーーす!とブラックホールだけ購入した。このりう゛ぁーーーーーす!は和歌山のお店にはない商品らしい。ネットで買えば……とか言ってしまったら話が終わっちゃうので言ってはいけない!
「……よし!目的は達成された!帰ろう!」
「ええ!大阪まで出てきてもう帰っちゃうのですか!」
「……さっさと帰るのだ!」
花梨ちゃんは早く和歌山に帰りたいようだ。
「では、私は周参見まで行ってきますね!」
当初予定通り、愛芽さんは周参見の水族館へ行くとのこと。日花梨さんも何処かへ行くのかな?
「私も買い物を終わったし、針テラスに寄って本宮大社経由で家に帰るカナカナ?今から流せば夕方には着きそうだし!」
針テラス?本宮大社?ドコだ?
「……針テラスはバイクの聖地、本宮大社は熊野本宮大社……その後、龍神通って高野山に帰るって事」
「めちゃくちゃ距離ありますよ!ほぼ紀伊半島縦断しかも往復ですよ!?」
何故わざわざそのルートを通るか理解できなかった。
「うん!ちょっとバイクで峠攻めてくるよん!」
水槽楽部のバイクは時速50kmである!!!
「……じゃあ、七海、家に帰る……」
そして、日花梨さんと愛芽さんと現地解散し、帰路についた。




