第23話 タンデムツーリング!?いえいえアクアリウムがメインです!
昨日の夜は濃厚な夜を……さすがに疲れがどっと出て、お風呂上がった後はバタンキューと朝までグッスリ眠り込んでしまった。
夜早く寝たお陰で、少し筋肉痛はあるが歩けない程の重傷でもなかった。今日の楽しい?であろうカリンちゃんとのお買い物もバッチリ出かけられそうだ。
朝起きたときには既にカリンちゃんは起きて布団は綺麗に畳まれていた。窓の外から庭の方より物音が
聞こえる。
広大な庭……数メートル先からは田畑ではあるが、庭でカリンちゃんが何やら棒を振りまして運動をしていた。朝の鍛錬的な感じである。その姿は驚くほど可憐な美しい動きを魅せていた。剣道部?薙刀部?フェンシングの動きではなさそうである。ここはスポーツドリンクなどを差し入れてするべきであると!
冷蔵庫からアク○リアス……2リットルだったので、コップに入れカリンちゃんの元へと持っていった。
「おはようございます!よかったらどうですか?」
スポーツドリンクを差し出すとカリンちゃんは鍛錬を止め、私の元へときた。
「……おはよう、七海……昨日は相当疲れていたっぽいけど大丈夫?」
カリンちゃんが私の心配をしてくださったぞ!私のことより、あれだけ激しい動きをしていた割にカリンちゃんは全く疲れていないようだった。とてもスポーツ選手のような強靱な肉体やスタミナあふれる体型をしているわけではない。どちらと言えばちょっと大きな小学生位小さな美少女である。
「ありがとうございます!かなり早く寝ちゃってバッチリ回復できました……って!振り回してたの物干し竿ですか!?」
「……ふむ、ちょっと長くて気になってた……」
振り回すにはちょっとではなく、重いし、長いです!カリンちゃんより長いですから!
「……ちゃんと物干し竿、戻しておくから大丈夫……」
「ああ、気にしないでください……そろそろ朝ごはんにしましょう!」
キッチンの方から心桜ちゃんが作ってる朝ごはんのいい匂いが庭の方まで届いてた。
心桜ちゃんの見た目は別として、美味しい朝ごはんをカリンと一緒に食べることが出来た。
「……なかなか美味しかった……昨日の夕飯もだけど、美味しかった……私はひとり暮らしだから作ってもらうだけでも嬉しい……」
カリンちゃんはひとり暮らしらしい。家庭の事情はあまり突っ込んで聞いては失礼だし、何よりデリケートな問題でもある。
「……両親はイギリスで暮らしているからだけど……」
「か、カリンちゃんってホントに外国人なのね!てっきり見た目だけが外国人で、中身は純日本人……ハーフだった!」
重たい雰囲気にはなる前に、家族の事を言ってもら立ったので死別的なシリアスな内容にならずにすんだ。しかし同時に、何故、わざわざ、高野山で住んでるのかが気になった。ひとり暮らしなら学校の近所に引っ越してきたらいいと思った。
「……英語喋ることができないからね……イギリスで両親と暮らすより日本人として高野山で暮らしたいと。あと探偵事務所兼私の家が高野山だからね。」
「高野山で探偵のアルバイトしてるのです?普通に仕事依頼少なそうなイメージが……」
いくら世界遺産とはいえ、高野山で探偵業が成り立つとは思わなかった。
「…私の仕事に興味あるなら一度高野山に来るといい…」
もちろん!カリンちゃんのお家に遊びに行かせてもらいます!!
「……それより今日はテイラーズだ!!」
カリンちゃんの目が燃えておられるぞ!アクアテ○ラーズは相当すごいショップみたいだ。
「そろそろ出発します?……って!よく考えたら私ヘルメット持ってないですよ!」
出かけようと思った時にバイクの後ろに乗ることを思い出した。ヘルメットなんて中学の通学用ヘルメットが物置でホコリ被ってるやつしかなかった。
「大丈夫・・・・・・七海用のヘルメットは用意しているから……」
「た、助かりました!危うく行けないかと思っちゃいました。」
「……ちゃんと事前にペアリングもしてあるからダイジョウブ!」
ペアリングとは!?カップリングなら是非カリンちゃんとしたいものです。
朝食を終え、何気ない会話しながら出かける準備をした。バイクでスカートは駄目だ!と言われたので、大人くパンツで行くこととなった。どちらと言えばスカートの方が好きである。そして、準備が完了し、人生初のタンデムツーリング開始である。
「カリンちゃん、ヘルメット持ってないですよ?」
カリンちゃんがバイクのシートをパカッと上に上げるとヘルメットが2つ入っていた。
「おお!ここに荷物も入るのですね!」
「……うむ!ビックスクーターはいっぱい荷物つめるのだ!」
バイクにも色々あるのだと。どうやら私も6月に入ると合宿で免許を取りに行く事は決定事項らしい。
「……七海、メット被って……」
いきなりセットしたヘアーが崩れてしまうのである。ヘルメットを被るとカリンちゃんが何やらヘルメットに付いているボタンらしきスイッチを押した。
「……って、カリンちゃんとナナちゃん遅いよー!」
「やっと七海さんたち出発ですか?私達、もうそろそろ学校出ちゃいますよ?」
なんと!ヘルメットの中からヒカリさんとアンナさんの声が聞こえるではないか!?幻聴か!?
「な、なんでヒカリさんとアンナさんの声が聞こえるのですか!?」
「ああ!インカムで話してるからだよだよ!」
……学校から私の家まで電波届くのか!?
「……インターネット経由で地球の裏側でも話せるのだ……」
ってアマチュア無線すご……インターネットでした。
「って!このヘルメットインターネット繋がってるのですか!?」
「……スマフォとメットが繋がって、アプリでみんなと繋がってるだけだから……」
便利な世の中である。
「……それじゃあ、七海、後ろ乗って……ヒカリと合流する……ヒカリとアンナはそのまま近所のコンビニで待機……」
「おけーおけー!」「了解しました」
「ああ!あと、カリンちゃんのバイクすごーーーく早いけど、最高速度50キロしか出てないからね!」
何やら不吉な事を言い出すヒカリさんである。
「うんしょっと……カリンちゃんこれで大丈夫ですか?」
「……大丈夫……ちゃんとシートに捕まっててね……」
っと言い出すと、走り出した……!!!!!!!ああああああああえええええおおおおお!!
「ちょ、ちょっと!早すぎませんか!!15の所針さしてるー!左は50kmって!?」
2つあるメーターの右側が15の所を指していた!
「カリンちゃんのバイク普通じゃあり得ない位回転数出るよん!あと、カリンちゃんのバイクは50kmしかでないのだよ!」
時速は毎時50キロである!!!!!!!!!!!!!!
毎時50キロのスピードで学校近所のコンビニが見えてきた。自転車では十数分かかる道のりをカップ麺が出来るスピードである。
「……そろそろコンビニ着くから、ヒカリとアンナも出発」
「おけーおけー!んじゃーアクアテイラーズに向け出発ーーー!!」
っと言う声と同時くらいに、バイク2台がコンビニから出てきた。
「なんか斬新です!この部水槽楽部ですよね!?部員全員でツーリング!なんて!」
普通の高校生なら無い風景である。
「いえ、生徒会活動の一環です」
アンナさんがとんでもない事を言ってる!?
アンナさんが先頭で間にカリンちゃん、最後尾がヒカリさんで3台でアクア○イラーズへ進行中である。
インカムで何気ない会話をしながら大体1時間程走った。私は後ろに乗っているだけなので快適そのものである。間違ってもヒカリさんの後ろには乗りたくない。ヒカリさんが嫌い!?とかではなく、乗り心地がとても悪そうである。一時間ほど走ったところで休憩となった。
「なんか遠いですね……アクアテイ○ーズってドコにあるのですか?」
後ろに乗ってるだけでも少し飽きてきた。ゴール地点が判らないのもちょっと不安でもあった。スマフォで調べればいいことだと思ったけど、聞いてみた。
「……アクアテイ○ーズは東大阪にある……ここら辺で半分くらいかな?」
「だねだね!ちなみに、高速だともう到着してたよん!下道は疲れる……」
ヒカリさんがお疲れのようである。
「ヒカリさんの場合は、バイクの乗車姿勢も厳しいですし。あと、高野山から走って来てますので、実質3時間程走ってますね。」
もう引き返すべきだと思います!
「……ヒカリはかつらぎ町側から高野山へ戻るから近い……あと、私は今日も七海の家に帰る」
目的地に到着してないが、帰りの話が始まった。カリンちゃんがもう一泊していく!?丁度私の家から折り返し地点だが、このまま家に帰ろう!!付け加えるなら、ヒカリさんがバイクの乗ると疲れるのは上半身が重いのが原因である。
「私は、アクアテイ○ーズの帰りはそのまま周参見まで帰りますので、高速で一気に帰ります」
アンナさんは周参見まで帰る……まさか!?周参見から学校通ってるのか!?
あと、帰り道は全員バラバラ?っぽいとのこと。カリンちゃんと二人っきりである。
「んじゃ!ーアクアテイ○ーズ!行くよん!」
あと1時間で目的地に無事辿り着けるのだろうか!?




