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アクリル 東女子高水槽楽部  作者: 川崎タイチ
水槽立ち上げ編
20/77

第18話 ただ土を入れるだけで終了回!?

 水槽の下準備が出来たらしいので、土を水槽に投入していくとの事だ。


「これって、園芸用の土??ですよね?」

 パッケージには焼き固めた土と書いている。


「だねだね!アマゾ○ア パウダーだね!!」


 水槽に土を入れるのがとても斬新であった。園芸では鉢植えの場合、土を使う……当たり前の事である。が、水槽で土を使うのにはちょっと驚いた。この土が……稲の苗を育てる用の土にそっくりであった。


「……製法はほぼ一緒……だけど、水槽用に崩れにくく、かつ、水草を育てる為に必要な養分を適度に配合してある土……」


 なるほど、砂じゃダメな理由とは、養分が無いからなのだろう。不思議なのはその養分が水に溶けだすと思うのだが……。


「……立ち上げ後直ぐには沢山の養分がある程度出る、でもある程度水草が成長してきたらバランスが取れ安定するから心配ない」


「だねだね!でも私的には……水草一番サンドを推しておきた!」

 なんか土一つでも色々あるようだ……!


「カリンさん的にはやっぱりA○Aの土が一番いいのですか?」

 一つのメーカーですべての用品を各社が色々出してるんだなと改めて感じた。


「……水草一番サンド、良いソイルではある……」

 カリンちゃん的にもいい土……ソイル?らしい。


「このソイル洗わなくていいのですか?」

 ……裏の説明書きに、洗うな厳禁と書いてあった。


「洗うなんてとんでもない!」

 なんか某有名ゲーム風にヒカリさんが言った。どうやら洗ってはいけないらしい。


「アクアリウム始めたばかりの人がソイルを使う失敗の定番だけど、そういう件はナシで」

 どうやら、ド素人なら洗うらしい。


「注水時に濁って洗わなかったのが原因かなーって思っちゃうからね!でもでも我ら水槽楽部はそのような事は起きないのだ!」

 単純に経験者が手取り足取り教えているから失敗しないだけである。


「……例えば、動物園に就職したとする、その時に何も教わらず始めて大切な動物にケガさせるとかありえない。それと同じ……部活動だから新人にはある程度のレベルまではきちっと教える……」


「でもでも、私たちも沢山水槽維持して、どんなにベストを尽くしてもイレギュラーで魚を死なすこともあるよん。相手は生き物だからね!完璧なんてないんだよ。だから回避できる失敗はちゃんと懇切丁寧に教えるから!安心して」


 まだ短い付き合いでしかない水槽楽部のメンバーだけど、何故か安心できると感じるのは、こういう部分があるからだと実感した。ぶっ飛んだを言ってるように聞こえる会話をしているが、根本に全員がアクアリウムが大好きで、とても大切にしているのが判るからだ。それ故に、アクアリウムに関して水槽楽部のメンバーとのアクア熱の差が、ちょっと辛いと感じてしまう。


「……七海……別に気にすることはない……ここにいる部員全員最初は素人だったから……」

 やはり、的確にカリンちゃんは私の心で感じた事に対し、解答を出してくる。


「それじゃあー!初めてのソイル入れちゃおう!どばーーーーと!どばーーーーと!」


 チョットだけ憂鬱な気持ちになったが、その気持ちを吹き飛ばしてくれる。チョット少しだけ、ナーバスな気持ちになった事に気付いたかは別として、凄く明るいテンションでヒカリさんが切り出した。やっぱり生徒会長なんだなと改めて思った。


「本当に、どばーーーーと!入れていいのですか?」


「大丈夫!あとでスクレーパーで地均しするからねん!」


 ざーーーーっとソイルを水槽に入れた。ただ入れただけで、水槽の真ん中に山が出来た。


「んで、カリンちゃん、どんな水景にするのん?」


「水草の成長観察する水槽にする……。綺麗に平坦にソイルを均す」


「カリンさん、成長観察ってどういう事なのですか?」

 判らないからバカなって聞いてみた。


「……グリーンロタラもグロッソスティグマも水上葉使う。水上葉の水草は、水中に入れると形態を変化させ、環境に適応する。その過程を楽しんでもらう。あと、ランナーで伸びるタイプの水草だから、トリミングや、ピンチカット、差し戻しなどの経験も積みやすい」

「……あと、ここからはセンスの問題になるけど、30㎝キューブは正方形だけにレイアウトが難しい、トリミングの際の練習するにもテクニックが必要になる。狭い水槽内でのハサミの使い方、入れ方も経験してもらう」

「レイアウト素材はあえて水草しか入れないから……育てていくうちに入れたい色味の水草とか、形を考えて都度追加して行くことにする、入れる水草でイメージがガラッと変わるかから、そういうのも楽しんで欲しい……」


 最初からバシッと!決めるでのは無くて、成長しながら色々とやっていくのだと。その過程で道具の使い方等をマスターしていくという事か。


「な――んかそれだとネイチャーアクアリウムの教育みたいだねだね!私的には海水水槽も触ってほしいんだけどね!」


「……別に海水水槽も普通にメンテとか手伝って楽しんでいけばいい。基本七海の好きにすればいい……ここの水槽は部員みんなの水槽だから……」


今回、少しアクアリウムの専用用語を多用しておりますが、七海自身ぼんやりとしか理解していません。水草の説明など今後の展開で補完していきます。

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