第16話 山か砂丘か!?そしてまた配管か!?
急な展開ではあったが、アクアリウムを始めることとなって、水槽を設置してから「うんちく話」が長々と続いていた。アクアリウムを始めるにあたり、色々な知識を詰め込み中である。全くの素人な私からすればチンプンカンプン……でもなかった。ほぼウ○コの話しかしてない。浄化槽の例えはよく解りやすかった。
「まあ、濾過はいいとして、水草水槽にするならやっぱりソイル?だよね?よね?」
「……ソイルにするか、田砂にするかはちょっと悩み中……」
ソイル?タズナ?よく判らない単語が再び出てきた。
「……ソイルって言うのは、この底床にあるやつの事……」
……やっぱり……心読まれてる!?……!?
「なるほど……30cmの水槽でこの大草原水槽みたいなのって可能なのですか?」
「……可能かと言われたら、可能……」
可能なのか!?って思ったが、どうやらカリンさん的にはまた別のイメージの水槽を考えているのかな?
「……でも今回は、プランターで栽培しているグーリンロタラとグロッソスティグマを使う……」
解らない単語がまた出てた……。
「その……グロ……ロタラ?」
「ああ!元園芸部のハウスで育ててた……というか園芸部も水槽学部に吸収合併したけどね!」
さらっと……園芸部まで乗っとっただと!?
「……園芸部は私が入学する前に既に廃部になってる……。部員が一人もいないから……」
まだ短いお付き合いではあるこの水槽学部ならヤりかねかいかと思ったが、そうでなかったのでひとまず安心した……が、他にも乗っ取った部無いよね!?
「……グロッソスティグマは、底床を這うように育つ前景草……グリーンロタラは中景草に使う事が多い水草。どちらも水上葉で育つから水草として使わない時は、プランターで使い古したソイルとかで鉢植えで育てておくことが出来る水草……。どちらも有茎草だからピンチカットで簡単にトリミングもできるし……初心者が最初に扱うにはオススメ……しかも綺麗……但し光量とco2は必要……」
……多分、過去一番ながーーいカリンちゃんのトークである。皆の衆ありがたいお言葉であるぞ。よく解らなかったが、初心者には扱いやすいって事はわかった。意外とカリンちゃんは理屈っぽい?かなと思った。普段はほぼ無口美少女ではあるが、アクアリウムに関しては結構喋ってくれる。
「んじゃー、co2の配管、ミドボンからしないとねー!」
……ミドボン!?なんか訳の分からない言葉が連発されておられます!この世界には「神」というのが存在しているらしく、解らない単語は時々自動的に解説が入るよう契約されている世界らしい。
「co2ってあの二酸化炭素ですか?……あとミドボンって?」
「ミドボンって、コレコレ!」
ヒカリさんが部室玄関先に鎮座してたデッカイボンベを指差していた。確かに緑のボンベ……ミドリノボンベ……ミドボン成る程……解りにくい和製英語である。
「入り口から結構距離ありますが大丈夫なのです……?」
そう尋ねると、床板の一部を開けた。そこには太い水道管???水道管は入学早々にヒカリさんが天井から配管していたのでこちらは下水管?が通っていた。その下水管の横にカラフルなチューブが数本通っていた。クリアーが数本とブラック色が数本・オレンジ色・緑色である。
「部室の床と天井に、全部の配管通してあるよん!もちろんCO2のラインもあるから!あとこの色に応じて、部室入り口のタイマーで制御されてるから。ちなみに、ブラックがカリンちゃん用で、オレンジ色と緑が私用ね!」
「そもそも、CO2って何に使うのですか?むしろ酸素のほうが必要に思うのですが……」
疑問だった、生き物飼うのに二酸化炭素を使う事が。もちろん、植物はCO2が必要である事は知ってるけど、魚には必要ないと思う。水草水槽に必要?なのだろうか。更に解らないのは、そもそも植物がいない海水水槽にCO2必要ないかと。
「あ!CO2なんて何に使うの?って顔してる!してる!」
「CO2ですから……酸素ならまだわかりますが……」
率直に聞いてみた。
「水草水槽に関してはカリンちゃんから聞いてね!まあ、頭いいナナちゃんなら聴かなくてもすぐ判るかもだけど。ちなみに、海水水槽でCO2はカルシウムリアクターで使うよん!海水水槽はバックヤードあるからね〜キャビネットの中はナント!配管しか無いのだよ!」
配管マニアである。よく解らないが、いっぱいコックがあって、巨大ポンプがあった。まさにポンプ室だ。
「ゆか開けたついでだし、カリンちゃんCO2分岐しとく?とく?」
「……黒のBラインから出しておいて……Aラインは260のヘアーグラス用だから圧力安定しないと思う……」
「オケオケオッケー!んじゃーちょちょっとヤっちゃいましょう」
そ言うと、ヒカリさんがスマフォを取り出し……
「んじゃー、一時的にBライン全部止めるねー!ついでに、260以外の水換えもやっとくね〜」
ス、スマフォで制御出来るのかこの部室は!?
260cm水槽以外の淡水魚水槽の水換えが自動的に開始された。どういう原理かは解らないが、スマートフォンで操作した瞬間、水位が下がった。
「ヒカリさん!どうなってるのですか?水が抜けてますよ!それもスゴイけど!水入れなくていいのですか!?」
「ん??ああ!ナナちゃん水換え初めて見るのね、うちの水槽自動的に給水するから!水位が下がるとセンサーが反応して元の水位まで水が自動的に入るから。抜けるスピードより給水スピード相当遅いからねー」
普通は、バケツで水を入れると思います。何か知らないけどどうなってるのか……。
「30cm水槽にも付ける?」
「……ナナミの水槽には排水側だけ付ける……コック式のやつ」
どうやら、私の水槽は自動的には水換えが出来ないらしい。
あと、底床とやらはパウダーソイルを使う事とになった。育ちも良く水草を植えやすいらしいと事だ。




