王女殿下が狩りにご同行いたします
更新遅くなってもう御免なさい。
土・日にしか更新できそうにないです。
土曜の午後と、日曜の午前、午後に更新することになります。
週三になりますが、これからもよろしくお願いします。
朝食を食べ終わった私はすぐに着替えて玄関に向かった。しばらく待っていてもあいつはまだ来ない。気になってフェドラに聞くと
「フェイボス? もう出かけましたよ?」
とのこと。出掛けるのが早すぎる。一日目は失敗。
二日目。
昨日よりも早く着替え、玄関で待っているとあいつが来た。
「……何か御用ですか、ウラニア様?」
あからさまに顔を顰めてそう言った。腹立つ。
「狩りに毎日行っているそうなので見学をさせていただきたいと思いまして」
「ウラニア様に見せるほどの腕前ではございません。遠慮させていただきます」
「でも、将来結婚することのことを知っていたほうがいいと思うのです」
「……ついてこれるならついてきな」
「何が何でもついて行ってやるわよ」
最後の会話はもちろん小声で。言った通り何が何でもついてくつもりだったのに……。途中でフェドラに声をかけられ、あいつを見失った。
そうだ、フォレスト卿に相談しよう。
三日目
「父上、私フェイボス様の狩りを見学させていただきたいのですが……」
「狩りに?……うん。フェイボス、ウラニアを連れて行ってはどうだ?」
「しかし、父上。狩りは危険を伴います。ウラニア様をお連れするのはいけないかと」
「お前がウラニアを守ればいいだろう。今日の狩りにはウラニアを連れていけ」
ふふふふふ。またもや私の勝ちだな、フェイボス。フォレスト卿は私の見方だし、あんたに勝ち目なんかないのよ。
ようやく狩りに同行で来た私は上機嫌。ハンナと私とあいつで狩りに行った。
「お前なんなんだよ。親父を丸め込みやがって。さっさと王宮に帰れよな」
「いやよ。なんで私があなたの言うことなんて聞かなくちゃいけないの。それよりもう少しゆっくり歩けないわけ?」
ハンナに聞こえないようにこそこそと言いあう二人。
「いつもこのスピードだ。ついてこれないなら帰れ」
「誰もついていけないなんて言っていないでしょう。絶対に帰らないんだから」
「どうかしましたか? 王女殿下、フェイボス卿?」
「いいえ、なんでもないわ」
「いえ、なにもありませんよ」
危ない、ハンナにバレるところだった。こいつがこんなに性格が悪いことを知ったら絶対に王宮に連れ帰らされるもの。
「それより、狩りの危険って何?」
「……熊とかに襲われる危険性があるってことだ」
「えっ、なによそれ」
熊? 熊に襲われるの? 危な過ぎるじゃない。
「ここから先はゆっくり歩きます。なるべく音を出さないように」
「はい、わかりました」
「お前らに大きい音を出されて猛獣に見つかったら大変だから、お前らの速度に合わせてやるよ。絶対に大きい音なんか出すなよ」
「わかってるわよ。私まだ死にたくないし」
森の熊さんに襲われちゃうなんて怖いですね。
それにしても、ラブシーンがまだ来ない……。