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何度も書き直すつもりで連載します。

 ここは世界の果て。

 ここは世界の終わり。

 誰にも気づかれず、誰も気に留めず、誰もやって来ない寂しい場所。


 世界の果てへ旅に出た。

 ぼくの世界を終わらせるために旅に出た。

 世界の果てはきっと何もなくて、純粋で、何もかもが死にそうになっているそんな弱弱しい世界にちがいない。その弱さを期待して、ぼくは世界の果てへ旅に出た。

 もう、故郷へ帰ることもない。ぼくは世界の果てへ行き、そこで力尽きて息絶えるのだ。故郷に思い残すことはない。思いを残す人もいない。思いを残すものもない。何もかもを捨てて、ぼくは世界の果てへ旅に出た。

 世界の果てならば、世界で最も弱い土地ならば、きっとぼくでも胸を張って生きていけるのだろうと驕り高ぶり、自分より弱いものを求めて世界の果てへ旅に出た。


 ああ、ぼくが求めているのは弱さなのだ。自分より弱いものばかりがいたら、それはきっと楽しいだろうと、そう思ってぼくは世界の果てへ旅に出たのだ。もう、現実にはいられない。

 ぼくより弱いもの。

 枯れ果てた木々。

 飛べない鳥。

 歩けない獣。

 誰も助けられない天使。

 罪悪感にかられた悪魔。

 何もかもがぼくに都合がいい。


 おお、弱さよ。何よりも尊く魅力的な弱さよ。ぼくはその弱さを求めて世界の果てへやってきた。


 世界の果てに少年はいない。

 ぼくが一人ぼっちだ。

 ここは世界の果て。世界の終わるところ。


 世界の果て。

 世界の終わり。

 誰にも気づかれず、誰も気に留めず、誰もやって来ない寂しい場所。


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