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不在証明様の御題を拝借しています。


○不在証明/一糸様

http://fluid.hiho.jp/ap/

 


傲慢な女の鼻っつら。

折っても折っても、折っても折っても。


――――――――――――――――――

何度でも何度でも何度でも再生






ベッドを調え、戸棚を整理する。

暖炉に火をくべ、薪を並べ、そして廃屋を出る。

それが、彼の一日の仕事。


――――――――――――――――――

名もない旅人が凍えないように






その小鳥は唄うことが仕事だった。

童話のフレーズを奏でると、主人である幼い少年は、声を上げて喜んだ。

小鳥は幼子の笑い声が大好きで、何度も何度も、飽きるほどに繰り返し唄った。

メロディは主人を喜ばせるだけでなく、哀しみを慰めたり、子守唄になったり、時には主人へ愛の歌にもなった。

主人はやがて成長し、大人になり、小鳥の囀りを耳にする回数はめっきり減った。

それでも時折、小鳥を抱き、その囀りに耳を澄ませた。

けれど今、小鳥は金属の塊を目の前に見上げていた。

轟くような、低く激しい音を立てて、その化け物はさまざまな物を踏み潰していく。

怪物は大きな足で、捨てられた物をプレスし、ただの塊にする役目を持っていたのだ。

小鳥の小さな囀りも、轟音に掻き消されてどこにも届かない。

主人の居ぬ間に、主人の妻が、小鳥をゴミ箱に棄てただのだった。

怪物の足を真上に見上げ、小鳥は主人に会えないことを寂しく思った。

そして、小鳥のハミングは聞こえなくなった。


――――――――――――――――――

スクラップ・バードのハミング






土に臥す彼の亡骸を、知る者は無い。

やがて肉が朽ち骨が乾き、大地の一部と化したとしても。

けれど彼の腐肉から芽吹いた花は、人々の目を和ませよう。

糧となった肉体は、その花だけが知っている。


――――――――――――――――――

失われた体温から芽吹く春






魔王は懺悔し勇者は剣を鍬に変え。

破壊も混沌も無に帰して、痩せた土地を耕すだろうか。


――――――――――――――――――

「なんとなく」で終わる世界なら

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