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兵士に成りたい  作者: あかいとら
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兵士になるまで…

 処女作で、練習の意味あいも兼ねています。

 基本読み専門ですが、なんか書いて見るのも必要かなと感じ思いついた物語を書いて見ました。

 

子供の頃に見た映画が俺の未来を決定付けた…






絶対に兵士になる!






戦争映画をTVで偶々観賞したその時、俺は絶対に兵士になると心に誓いそれに向けて己を研磨しだした。





 小学校では、只管マラソンで自分の基礎体力作りに専念し中学に入ると空手部に入りたかったが空手部が無かったので柔道で3年間鍛える事にした。






 別に全国に名を轟かせたいとか、オリンピック代表になりたいと思ったことは一度も無くだた兵士になるためには素手も己の武器になるためにと考え3年間地獄の様な練習をしたきたオマケが県大会3位だった。






 俺は勝敗にあまりこだわりが無いため柔道では、寝技で勝つっと言う縛りを己に課していた当然、学校には高校推薦が来たが興味は無く勉強も自分が進みたい高校に入れるだけの成績を保持していたので当然推薦は全部断り己がやりたい空手で強い奴がいそうな

高校を選んで入部した。







 高校3年間も中学と一緒で己を鍛える事が心情だった俺は、只管猛練習に励み結果はここでもオマケにしか俺には思っていなかった。

 県大会ベスト4中学での柔道でもそうだが俺は、自分の中に縛りを作っていた。




 空手は勝つか負けるかの一本勝負に拘り判定は己の負けと決めて挑んでいた。







 高校では空手部が使う道場に剣道部も一緒に道場を半分使っていたのだが、俺が2年の時に剣道部は人数が足りず団体戦にでれなくなる危機があった。







 俺は武器を使う鍛錬をした事がなかったので空手部と剣道部に頼み込んで剣道部にも参加させてもらった。

 剣道はやはり中途半端だったせいで、個人戦では県大会の2回戦で敗退、だが剣道も柔道や空手では分からなかったものを俺に教えてくれたのでけして無為な行為では無かったと思っている。






 そして高校卒業で俺は遂に念願の兵士になるべく陸上自衛隊に入隊した。









 三ヶ月は、横須賀に新人教育専門機関である武山駐屯地で基礎体力作りや基本教養、道徳、銃火器などを触り程度で教わりこの教育機関で俺は、教育大隊長賞を貰い適正検査でも問題が無かったお陰で陸上自衛隊最精鋭部隊が所属する習志野第一空挺団に配置された。







 精鋭部隊での毎日は自分の予想に反してまったく辛くなく寧ろ楽すぎた。

 周りは辛そうだが俺は兵士になりたくて、幼い頃から鍛錬してきた事もあり通常任務では、まったく心が満たされず自己鍛錬で乾きを満たす毎日をおくっていた。







 空挺団に入団して3年目遂に憧れていた空挺レンジャーの訓練生になることが出来た。






 しかし、陸士長での階級が俺の思った兵士としての役割を成すには階級が低すぎ理想と現実のギャップの中で訓練を終えることになる。

 訓練はみんなが過酷だと言うが俺には通常訓練自体が微温湯に浸る感じだった事も有りレンジャー訓練は自己鍛錬が出来なくなる程度にしか感じなかった。







 自衛隊で4年目に入る頃にはここは、己が目指す兵士像が自衛隊で無い事に気がつき4年満期とともに退役しフランス外人部隊に入隊すること考え始めた。









 自衛隊4年目は只管英語の勉強を重点に置きフランス外人部隊に入る為の下準備をしていたのだが、いざ外人部隊に入ってみるとフランス語が基本教育に織り込まれて英語は人種間以外では余り意味が

無かったが、日本語は当然通用しなかったのでフランス語を覚えるまでは英語でコミニュケーションが取れたのは貴重な鍛錬の時間を勉強充てた甲斐があったと心で喜んだ。

  





 この外人部隊には、基本もやしと言われる部類の人種は居ない。







 大なり小なり己を鍛えた人や他でも軍に所属した事がある人しか居ないのだ、外人部隊で7年勤めると(生き残る)フランス国籍を取得できる。





 俺は兵士になりたかったがオマケが貰えるのなら当然貰う派だ。







 外人部隊は、自衛隊とは天と地ほどの差があり俺の乾いた心を思うぞんぶん満たしてくれた。






 歩哨でも自衛隊は弾すら入っていない銃で行っていたがここでは、しっかり実弾を装填して歩哨に立つ当然外部からの襲撃に備えて事なのだが実際外部から実弾射撃を受けた事もある、

 この緊張感こそが俺が求めていた兵士の新の姿だった。



 俺が外人部隊に入って2年目に丁度イラク戦争がはじまりフランス軍部は、危険地帯に当然外人部隊を配置した。





 まさに、毎日が命懸けの死と隣りあわせで翌日には同僚が死ぬ事も有り正に毎日、生を身近に感じる事が出来たと思う、不謹慎にも己の中に充実感が溢れる毎日を送っていた事も確かだ。



 



 イラクでは月に一度だけ休暇が貰えたが、この時はまさに生き延びたことに感謝し、人の本能に忠実に動いて終わる休日を過ごしていた基本的に飲む、食う、抱くだ。






 特に生死が掛かるだけ有り己の種の保存に目覚めたのではないかと思うくらい女を毎日朝から晩まで抱きまくった。






 娼婦だが、これといった金の使い道も無く己の鍛錬だけが生きがいだった俺は無駄に金だけは持っていた休日の3日間は気に入った女を何人も買い3日間契約して抱きまくった。

 因みに俺は生で中出し以外はする気が無いのでこの条件で金額が高くなっても大丈夫な女と過ごした。





 イラクでの生活が終わる頃には外人部隊の任期も終わる頃で、俺はイラクで5年過ごし5体満足でフランスに戻ることができ無事退役する事になった。






 夢であった兵士に成れ夢が現実となり成し遂げた俺は、急に人生の指針が無くなり途方に暮れる事になる。






 そのまま外人部隊に残ることも出来たのだが、イラクではやりたくない汚れ仕事も沢山やるはめになりそれも退役理由の一つでもあったが兵士である以上上官の命令は絶対で子供、女、老人などどう見ても非戦闘員を排除するなどおかしい任務や敵方の女構成員を外人部隊で攫って来ては毎日楽しむなど目も覆いたくなる

状況も多々あった。






 戦争は人を狂わすとはまさにこの事だと俺は実感させられる毎日だった。みながみな狂っているわけでは無い、だが前線部隊になればなるほどみんなネジが何本か飛んでいるのだ。




 銃弾が飛び交う中を進む兵士に正常な精神状態を望むこと事態がナンセンスである。






 だが、俺はどうやら最初からネジがおかしかったらしくイラクに居ても己がぶれる事がなかった。






 確かに上官の命令は理不尽な命令でも全部遂行してきたが、他部隊が拉致をしきた女をみんなで楽しんでいても参加する気は無かった。告げ口する気も無かった。






 相手の女兵士がこちらの兵士を殺してる事も知っているのでお互い様位にしか感じていなかったとも言える。(人道的かどうかは別だが戦争中にモラルを求める方が難しいのだ)





 そんな生活も終わってみればあっけなく俺はフランスに意味もなく部屋を借り住み始めた。





 現代兵士は知識、体力はもちろんだが電子系にも精通していなければやっていけないのである。そんな昔取った杵柄のような技能を生かしながらささやかに生活していた。




 ある日、散歩をしていると若い女が拉致られる現場に遭遇するという普通であれば慌てる場面だが、兵士時代に攫う側になった事もあり感覚的に少しずれていた俺は、もっと静かに素早くやれよ  

 なんて普通の人とは全然違う事を思いながらその現場を普通に通り抜けようとしていた。

 助けに入る気なんかまったく無い俺は、散歩途中に珍しいことを目撃した程度の感覚で居たが為に相手のその後行動を予測する事を怠ってしまった。





 相手側からしてみれば、目撃者は当然邪魔な存在だがその場で消すことも出来ないらしく脅して一緒に連れて行きアジトで消す算段を相談していた話が全部聞こえている俺は銃を突きつけられ女と一緒に拉致られることで漸く己の立場をあらため直した。





 自分でも少し間抜けだと思ったが俺から見れば全員戦闘の素人としか言いようが無かった為大人しく相手のアジトまで着いて行く事にしたのだが、現時点で相手の人数は3人車の運転で一人欠けているので相手は2人と考えても良い現状ではアジトまで付いて行くよりここで相手を無力化してこの場をやり過ごす方が楽だと結論付けて行動に移すことにする(攫われた女の身は当然二の次である他人より己が大事は兵士の鉄則だ)





 俺の状態は両手は縛られているが後ろ手状態では無く前で縛られている状態なので事を起こしやすい、相手も俺を一般人程度にしか思ってないからこそのこの拘束なんだろうがこんなもんは拘束の内に入らないも同然状態だ。





 一人は俺にベレッタを突きつけた状態もう一人は運転もう一人は女を監視している。

 もう一度言おうはっきり言って馬鹿過ぎる誘拐犯としか言えなかった。





 女は紐で拘束して口にタオルで猿轡され足にもロープで拘束してあるにもかかわらず貴重な人員を一人付っきりで監視させているのである。





 俺から見ても素人の女しかもまだ見た目未成年の女にこれは過剰な監視と言ってもおかしくないだろう、それより予定になかった俺を2人で監視する方が大事なはずなのに俺には

ロープが無かったからなのか腕のみで監視は一人だけである。






 横に居る男の銃使って前面に居るもう一人の男を無力化すればほぼ制圧と言ってもいいほど難易度の低いミッションだ。





 

 俺を監視する男が手にしているベレッタは安全装置が外れていた。(なんらかの事故で人質を殺すかもしれないんだから安全装置位かけろよ)っと心の中で思いながらもお陰でこっちは楽にミッションを遂行できるとほくそ笑みそうになる顔を我慢した。






 それは、一瞬だった俺を監視していた男が視線を外した瞬間俺を監視していた男の手首を両手で素早く掴み銃を前面の男に向け2発発砲し俺を監視していた男の顔面に肘を入れ怯んだ瞬間に銃を奪い心臓に一発最後に運転手に車を止めさせ頭に一発撃ち込みミッション終了。







 映画のワンシーンほどの時間で全てが片付き俺は、女を解放して車から出ようとしたら開放した女に捕まった。






 縄を解いてやったのだから後は一人でなんとかしろと言ったのだが、どうやら家の者が来るまで護衛して欲しいとの願いだったが俺は断りその場を後にしようとした。





 明らかに面倒事とは俺になんのメリットも無い金に困っている訳でも無いので金を詰まれてもここに残る理由が無い、はっきり言ってこの女が拉致られても俺に被害がないのであれば俺は無視していたのだからここで面倒事にこれ以上首を突っ込む気はゼロだ。





しかし、女は以外な事を言い出した。



 改めて女を見ると身長は170cmほどで白のワンピースと腰に太目のベルトをお洒落に巻き靴は底が若干高い網目のサンダル、控えめな胸だが腰はきっちり括れお尻はまだまだ肉つきが足りない感じだが、フランス人特有の細いブロンドヘアーで肩ほどまで伸び、目はアクアマリンの様な深い蒼色の瞳

肌は太陽の下に出たことが無いのではと思うほど白く手足は程よい肉付きで普通の人より長く見える。

 顔も小さく纏まっており美人というよりかわいらしい感じが未だに少女っぽさを感じさせている為、俺は未成年と女を断定していた。



 『私が御家に連絡して迎えが来るまで、護衛が出来ないなら私を連れて行って戴けませんか?』




 なにが楽しくて家まで俺が送らなければいけないのか理解に苦しむ関わりたくないと言っているのが判らないのか?



 その前に女の態度が異常な事に今頃、俺は気がついた。




 兵士であった俺は人の生き死にに慣れているが、目の前の女は未成年でどう見ても良家の御嬢様といった感じだとても目の前で幾ら自分を攫った相手とはいえ人が殺されれば顔が青くなってもおかしくないはずだそれどころか思い出すと車に拉致されて居る時も女が騒いだり泣いたりして居た様子もなくまるで我関せずっといった第三者の様な他観した態度で車に乗っていた。




 これはどう見ても異常だ俺のように訓練や経験などで冷静になれるのは、分かるが目の前の女はそんな経験など映画やTVでしか知りえない環境で過ごしてきたはずだ…

 それとも誘拐は初めてではなく誘拐慣れしているのだろうか?それこそ馬鹿げていると頭からその回答を否定した。



 

 この女もネジが何本か飛んでる人種なのだろうと結論付けた。




 『すまんが君を家に届ける義務も無ければ金を貰っても届けるつもりも無いこちらは巻き添えをくっただけで、それを排除しただけだ言わば君を助けたのはついでであって最初から助ける気もなければ関心も無い、だから一人でそこに転がってる奴らの電話でも使って家と警察に連絡して保護して貰え。幸いこの辺りにそいつらの仲間も居ないみたいだしな』




 俺が全てを話終わると…




 何故か女は笑い出した。





 何が面白いのだろうか?






 『あなた勘違いしているは、護衛が出来ないのなら連れて行けと言うのは私の御家では無くあなたの元に連れて行って欲しいと言う事です。端的に言えば私を連れてどこかに行って欲しいのです』





 先ほどまで感情の無い表情と打って変って、全てから開放されたかのような笑顔でとんでもないことを言い放つ彼女がそこには居た。






 『君なぁ家出をしたい御年頃なのか、それとも親に反抗したい年頃なのか知らんが君の提案を俺が頷くと思うか?』






 彼女は、笑顔のまま言い放つ飛っきりぶっ飛んだ理由を…







 『あなたからは匂いがするのよ、世間など関係ない全てが無意味、夢も希望も無ければただ生きている。しかし、それは諦めたのではなく自分が欲しかったものを手に入れてしまい達成感からの脱力感でありこれからどうすかを迷っている。そんな匂いがあなたから漂っているのよ。その匂いに私は逆らえないその匂いに付いて行きたいと本能が私に訴えているのこんな理由じゃ駄目?私を連れて行って』






 彼女の瞳は本気だ。





 先程までの全てが無価値で無関心の眼ではなくこれから新しい世界の始まりが待ち受けているかのような希望の眼で俺を見つめてくる…







 昔、俺が兵士を目指していた頃の眼だ。




 この眼には力がある人を惹きつけたり自分を鼓舞する活力となる眼だ正直俺はこの眼が大好きだ昔の自分も夢に向かって万進していたがやはり自分が大好きだった。







 『良い眼をしているな』






 自然と零れた言葉だった…






 『そんな事言われたのは初めてよ、きっとあなたに出会えたからね、あなたに会うまでのは私は全てに絶望していたから、お願い私を連れて行って足手纏いや私が弱音を吐くようなら置いて行って構わない

から』







 俺もネジが何本か飛んでる人種と理解している





 普通は、きっと彼女を家に送るのだろう…





 気がつけば俺は【彼女】と心の中で相手を認識するようになっていた自分驚いた。






 『いいだろう、付いて来い』







 彼女を連れて俺は、歩き出した。








 この後の彼女の一言が俺の新しい道を示してくれる事を知らずに、






 俺の後ろを付いて歩いてくる彼女の気配を感じながら何故か顔は笑っていた。

 


 連載にもできそうでここで終わりにもできる〆なのですが、どうでしょうか?

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