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第二章 亜寿沙の独白


 こんにちは、私の名前は龍宮寺 亜寿沙。いえいえ、そんな事は今どうでもいいわね。隣の甲我を見て頂戴? 物凄く悩んでいる甲我の姿を。それを間近で見れる幸せを私は今、かみしめているところよ。普段から面倒そうな~~印象を与えるかも知れないけど、その信念にある志は私が惹かれる程に。

 その信念? 志? そんなの私との結婚生活から一緒のお墓に入るまでの気持ちよ~~、ねぇ? 亜寿沙。去年の私と甲我は、旧当主に向けて誓ったんだから。何があってもお互いに守り合って見せるってね。そしたら許してくれたんだから、私とのパートナー制度を。

 ちなみに、旧党首はこの学校の理事長でありお爺様でもある、”龍宮寺 十郎太”お爺様よ。お爺様と言ってもまだ七十代にもいってないから、凄く若いのよ。なのに現当主から降りたんだから、流石よねぇ。今の当主は兄の一人であり総門お兄様の三つ子の兄”龍宮寺 大門”お兄様が現当主をしているわ。

 実力も高く、甲我を前にしても立っていた人物ね。ただその甲我が、大門お兄様を倒しちゃったのよねぇ~~。あぁ~~……甲我との間に赤ちゃんかぁ~~。私、花嫁修業頑張らないと!


「亜寿沙~~、妄想モードに入っているよ~~。授業に集中してね~~、お兄ちゃん悲しぞ~~」

「無理ですよ。こうなった亜寿沙はもう考えさせた方がいいですから」


 そう、あれは今から一年と少し前のお話し、私がこの白鳥高等学校に入学してきた時の話しですわ。


            ▼▼


 私は、孤独の毎日を送っていましたの。といっても、小学生までは普通の生活を送っておりました。同じようにお爺様が経営なさっている小学校に通って。ただ、中学校に上がってからは私への対応も変わりました。周りと簡単に仲良くするな、亜寿沙はいつか跡取り息子、娘を産むために強くなってもらう、といって、毎日のようにお稽古がありました。

 小学校時代もお稽古はありましたが、中学に上がった頃には三年間、毎日のようにありました。勉強も厳しく、修行も厳しく、生きた心地がありませんでしたわ。ここらへんはつまらないお話しなので、全て省かせていただきますが……。


 そして高校に、今通っている白鳥高等学校に入学を果しました。そこではパートナー制度が取り決められるとされていました。私、ワクワクしていましたの! 同学年で、同性と仲良くできると知りましたから。なのに、なのに! お爺様がそれを許してくれませんでしたの!!

 ”孫は一人でも十分強くなれる、パートナーなど必要ない。一人でも大丈夫だ”等と言って、私からパートナー制度を取り上げましたのよ!? これには私、大ショックを受けましたのよ!? それに龍宮寺専用の教室があると言われて入ってみれば、形は教室ですが実質一人だけの教室に、流石の私も凹んでしまいましたわ……。


 そしてその日のお昼、外の空気を吸いに行った時の事でした。とあるベンチにて座っていると、一人の男の子が三つ隣のベンチに座って大きな溜息をしていましたの。大きな声で、”パートナーってなんだよぉ”って言っておりましたの。そこで私から、この私から近付き、他の者達には来させない様にしてお話しをしましたの。それが白濱 甲我。私の婚約者ですのよ?

 お話しを聞けば、パートナー制度の意味をちゃんと理解せずに受けずにいたら一人になったとかで、それに加え質の悪い生徒と喧嘩をして”問題児”として指名されたらしいんですの。パートナー制度とはこういう制度だという事を教えたら理解してもらいました。そこで私は思いつきましたの。彼が居れば、私もパートナーになれるのではないか? 他の人達と混ざれるのではないか? と。

 だから一緒に直談判をしにいきました。結果は、駄目との事。それに私は涙を流して甲我に言いましたの。

 ”助けて……”と。もう辛い学生生活はしたくないから出た涙でしたわ。それに対して甲我は”任せろ”と答えてくれて、私を連れてお爺様の元へと行きましたの。ところがお爺様はご用事があるとの事で本家に、龍宮寺総本山に戻っていったとの事。それを聞いた甲我と私は、早速龍宮寺総本山へと赴き、抗議に向かいました。

 私の涙を流しながらの訴えに、甲我の叫びに、聞く耳を持たない総本山の人達に私は二度目の涙を流しましたわ。そこで甲我は私を立たせて、”一緒に抗議に行こう”と言ってくれましたわ。


            ▼▼


 そこからはもうお話しをしなくてもいいくらい、甲我が総本山の者達やそこに所属する者達を全員倒し、お兄様達を倒して、お爺様を倒しましたわ。現最強当主であるお爺様を、殺さずに見事完封。そしてお爺様のお言葉に頷き、一年の時は仮ではありましたが、パートナーとなりましたわ。

 もう言わなくても分かると思いますが、その戦う姿や負けじと前へと進む姿に私は見事に惹かれてしまい心を撃ち抜かれてしまい、 ゾッコンもゾッコンになってしまいましたの! そしてその後に父親とも約束をして、とある罰を科せられて今に至るわけですわ。その罰が”娘を絶対に孤独にしない様に”というお父様のお優しいお言葉に、私は何度目かの涙を流しましたの。


 これはもう、夫婦として認められているのでは? 認められているのでは!? 認められているから泊まりも許されているし一緒にお風呂だって入りますし一緒に寝てますのよ!? もう実質どころか夫婦では!? 後は小作りだけですわ! 法律が憎いぶっ壊してやりたいですわ!!!


「亜寿沙~~。戻っておいでぇ~~」

「先生、ここの数式がちょっと分からないんですけど」

「あ、うん。ここはね~~?」


 それに、甲我のご両親やお兄さん、弟さんにも出会いまして、見事に任せたと言われておりますの。弟である大我君、お兄さんである剣司さん。凄く、物凄く理解のある方々で、素晴らしい教育をされているのだと分かりましたわ。人柄の良さもそうですが、甲我が真っ直ぐに育った理由が分かりましたの。


「おい、亜寿沙、亜寿沙って」

「なんですの? 甲我。今は保健体育じゃなくて数学ですわ?」

「いや分かってるけどさ、教育態度とか響くんじゃないのか? そこらへんはちゃんとしてそうじゃない?」

「大丈夫ですのよ? ほら、ちゃんとノートにも書いていますし、どういう事なのかも補足情報も書いておりますの」

「……そこまでしないと成績優秀にならないの? 先生」

「いや、そこまでは必要ないかなぁ~。亜寿沙は期待されているから、孤独にさせてしまった時期があるからね。その頃の習慣が残っているようだから」


 あら? 総門お兄様が何やら悲しいお顔を。そうか、私が寂しい思いをしていた事を知っているからこそのお顔ですわね? 全く。けど確かに総門お兄様からしたら、寂しかったであろう時期に見えたでしょう。確かにあの時期は、私も心を殺して生きていましたわ。ここでは思い起こす内容ではありませんが……。

 本当にお兄様はお優しい方ですわ。


「私でしたら大丈夫ですわ、総門お兄様。私、今はとても幸せですから。それに、来年には学生結婚もしておりますから、大丈夫ですわ? 龍宮寺としてのお仕事も見事に叶えて見せますわ?」

「……まぁ、そういう結果にはなるだろうけど、ちょっと結婚は早いんじゃないかなぁ、なんて」

「けど龍宮寺の家って、結婚が早いですよね? だから理事長があのお爺さんなわけだし。当主が変わっても今も尚力を保有しているのもその証拠でもあるでしょ? 前に大門お兄さんが一度戻ってきた時に、”勝手に妹の為にお金を使い込んでいた”って相談されましたし、俺」

「あぁ~~、それはごめん。甲我君も色々と大変だろうけど、頑張ってくれ。主に、毎年開催される”大会”に参加させられるかもしれないから」


 大会? あぁ、龍宮寺に所属している一族の者達が戦い合って、龍宮寺の四天王的な立ち位置になる為の大会でしたわね。まぁ私には関係はありませんし、無視しましょう。


「大会って……あぁ~~、俺がぼっこぼこにした四天王? みたいな奴等を決める大会でしたよね? 俺のせいでより厳しく強い奴等が付いたらしいじゃないですか」

「中村もその大会で何回か勝ち進んで、今は亜寿沙の執事になっているからね」

「え? 中村さんってそうなんですか? ちょっと意外。後で手合わせしてもらえるかな……」

「やめておいた方がいいよ? 中村も、君の戦いぶりを見て勝てないと悟っていたからね。今でも成長しているけど、君の成長速度には勝てないって笑いながら言ってたからね」

「そこはまぁ、申し訳ありませんけど……。そんなに勝てないとか、敵わないとか言われると、うちの弟達とか兄達がどんな立ち位置になるのか分からないんですけど」


 そう。甲我のお家も色々と複雑みたいですのよ? けどそんな事関係ありませんわ。


「未来の弟と兄の事も知っておかないといけませんわね。あ、甲我、そこの数式間違ってますわ?」

「見た瞬間に修正してくるとか、やっぱりすげぇな……」



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