第二回戦
ショーン達は、一気に敵を殲滅してしまい、室内を制圧できた。
「ふぅ? どうやら、二階には中から階段で行けるようだな?」
「それより、食糧が大量に置いてあるよ」
「トラックの中にも、詰め込まれてるにゃっ!」
「きっと、他の場所から奪って来たのね…………」
ショーンは、二階の金網が張られた作業通路へと続く階段を、壁際に発見する。
フリンカは、そこら中に置いてある略奪された物資を見ながら呟く。
ミーは、一台だけあるサーバル装甲トラックの中を見ながら、驚いた声を上げる。
いつの間にか近づいていた、リズも木箱や段ボール箱に目を配る。
「スバス、裏に行ったんじゃなかったのか? まあ、予定通り支援してくれたから別に良いが?」
「ああ、それなんだが、裏口は二つとも開けられなかったんだ」
トラックの正面に行った、ショーンは左側から近づいてくる、スバスに話しかける。
すると、壁際に大量に設置された物資の山に、彼は目配せをする。
「なるほど、箱の山だらけで、ドアが開かなくなってたか」
「ん? 誰だっ! 出てこないと、爆弾を投げてやるっ!」
「なんだ? 敵が残っていたのか、なら気を引き締めないと」
「…………撃たないでくれ」
ショーンは、壁一面に置かれた、食糧品や缶詰を見ながら呟く。
そして、スバスは装甲トラックの下に誰かが隠れている事に気がつく。
ワシントンは、敵の残党だと思って、急いで狩猟弓を構える。
しかし、トラックの下から這い出てきた人物は、無害そうな老人だった。
「ワシは、サイード…………ここの作業員じゃ、奴等に捕らわれてから、ずっと車両整備をさせられてたんじゃ」
サイードと名乗る老人は、白髪に褐色肌で、青色の作業着を着ている。
「爺さん…………ガリガリだな? 取り敢えず、飯を?」
「大変、まず、お水を飲んで下さい」
「敵の襲撃があったらしいな?」
「たく、本隊が動かなく成らないとわねぇ」
ショーンは、サイードの痩せ細った体を見て、これは捕らわれてから、あまり食べてないと思った。
リズも、彼を介抱しようと近くにあった、ペットボトルを持ってくる。
そんな彼等の耳に、外から男女二名が会話しながら近づいてくる声が聞こえた。
しかも、二人は部下を引き連れてきたらしく、エンジンの音も聞こえる。
「爺さん、トラックの中に隠れてろっ!」
「そうさせて、貰うぞ…………」
「ここは、私たちに任せな」
「敵か? 逃げるのが、遅れたか…………爆弾も少ないのに」
「やるしかないにゃ、とにかく、やるにゃーーよ」
ショーンは、敵が中に入ってくる前に、装甲トラックに、サイードを隠そうとする。
ロングソードを構えた、フリンカは外のチンピラ連中に、警戒心を一気に高めた。
スバスは、しまったと思ったが、すでに包囲されているらしく、彼も戦闘を覚悟する。
背中から混を取り出した、ミーは右手に、ギザギザ手裏剣を握る。
「リズ、倉庫の上に行くんだっ! ワシントン、お前も援護を頼むっ!」
「上ね? 分かったわ」
「援護は任せろ」
ショーンは、リズとワシントン達に、指示を出すと、自らは敵の侵入を警戒する。
「ヒャッハー、敵が中に隠れているぜっ!」
「撃ち殺せっ!」
シャッターを開いた敵は、タワーシールドを構えて、前に進んできた。
しかも、かなりの人数で、アサルトライフルと魔法を連射してくる。
「うわっ! ダメだっ! フリンカ、ミー、スバス、陰に隠れろっ!」
「確かに不味いねっ!」
「ヤバいにゃっ! 撃たれちゃうにゃっ!」
「コイツは不味いっ!」
「ザコどもが、逃がすかっ!?」
「やっちまえ、やっちまえ」
ショーンは、右側の方に逃げていき、フリンカは左側に走っていく。
ミーとスバス達は、トラックの後部へと、急いで避難していった。
重鎧を着ている二名の敵は、タワーシールドを構えたまま、ゆっくりと歩いてくる。
その背後からは、HK416が火を吹きまくり、マジックロッドから氷柱が放たれまくる。
さらに、外からは敵の援護射撃により、様々な銃弾と魔法が放たれまくる。
「不味い、海トカゲ団だっ! 奴等は、訓練されているから手強いぞっ!」
「海トカゲ団? いや、それより、ヤバい状態だわっ!」
「ひゃははっ! このまま殺してやるっ! うげっ!」
「な、敵の襲撃かっ! ぐへっ!」
ショーンを狙って、タワーシールドを構えていた敵に火炎魔法が側面から当てられる。
フリンカも床に伏せて、魔法の乱射を避けていたが、敵はマジックロッドを床に落とす。
「やったわ、うっ! 今度は私が狙われてるっ!」
「俺も移動しないとっ!」
透明なフェイスバイザー付きの青いヘルメットを被る敵は、タワーシールドを床に落とす。
リズの火炎魔法が何発も当たり、火達磨になり、黒焦げとなったからだ。
青いアーメットを被る敵は、マジックロッドを拾ったが、もう使えない。
何故なら、それを、ワシントンが密かに狙撃して、壊したからだ。
「体勢が崩れたかっ! これなら、こうして殺ればっ!」
「くっ! この野郎っ!」
外から、激しい銃撃と魔法が跳んでくるにも関わらず、ショーンは倉庫の端から飛び出る。
そして、海トカゲ団員が、上方に位置するリズを狙っている最中に、タワーシールドを拾う。
「おら、このまま押してやるっ!」
「ぐぅっ! うわっ!」
「あの野郎っ! うっ!」
「こうなったら、素手で殴って、あっ?」
「させないにゃっ!」
ショーンが、タワーシールドを構えたまま、アサルトライフルを連射する海トカゲ団員にぶつかる。
すると、そっちに気がついた、もう片方のタワーシールドを持つ、海トカゲ団員が走り出す。
さらに、マジックロッドを失った、海トカゲ団員も、籠手で殴ろうと襲いかかる。
しかし、二人とも、ミーの放った釘をバイザーに当てられて、一瞬だけ怯む。
「この程度、喰らえっ!」
「うわっ! また、タワーシールド持ちかよっ!」
「くっ! あそこにも、敵が? うわああ」
「なっ! 火炎魔法かっ!」
「それに、トラックの裏にも居るらしいな?」
「それだけじゃないよっ! そらっ!」
フェイスバイザー付きのヘルメットを被る海トカゲ団員は、タワーシールドを構えて走る。
そして、ショーンをタワーシールドで、後方に押し倒してしまった。
一方、アーメットを被り、先ほど倒された海トカゲ団員は立ち上がり、アサルトライフルを構えた。
さらに、マジックロッドを失った海トカゲ団員も、ミーの方に殴りかかろうと駆け出した。
だが、彼のアーメットに遠くから、フリンカが木箱を投げつけた。
「ぐわっ!?」
「よし、今ならっ! これでっ!」
「うおっ?」
「このまま、楯で押し潰してやるっ!」
「く…………」
「お前は、私がやるにゃっ!」
木箱が衝突して、頭に衝撃を与えられた、海トカゲ団員は、後ろに倒れてしまう。
その間に、HK416にも、缶詰が幾つも投擲されたせいで、銃弾は滅茶苦茶に乱射される。
タワーシールドを持つ敵は、ショーンに詰めより、ボディープレイを行い、圧死させようとした。
しかし、銃弾が飛び交う中、ミーが飛び出しながら棍を構えて突撃する。
「ぐほぉっ!!」
「後は離れるにゃ~~よっ!」
「このっ! 喰らえっ! ぎゃああーー!!」
「アンタは、私の魔法を喰らいなさいっ!」
タワーシールドを構えて、飛びかかろうとする、海トカゲ団員に、ミーが右側から打突を与えた。
それにより、奴は衝撃が鎧の内部まで伝わり、またも怯んでしまった。
そして、彼女やスバス達に、HK416を乱射する海トカゲ団員だが。
奴は、リズの火炎魔法を何発も浴びて、体中を焼かれて、息絶えてしまった。
「はっ! ああ、これも持ってたんだっ!」
「うぅ? うわあっ!」
「ぐわあっ!?」
タワーシールドを構えて、ヨロヨロと動く、海トカゲ団員に、スバスは地雷を投げつけた。
立ち上がったばかりのアーメットを被る海トカゲ団員にも、フリスビーみたいに投げられた。
「怯んでいたら、私の魔法が飛ぶわよ」
「弓矢でも、頭を狙えば怯ませられるだろう」
「また火炎魔法が、後退だっ!」
「うっ! 火炎魔法は危険だっ!」
連中は、重鎧を着ているが、回転しながら衝突した地雷が爆発して、よろけてしまう。
さらに、リズによる火炎魔法が乱発されて、火の玉が、床を跳び跳ねる。
また、アーメットを被る海トカゲ団員は、ワシントンの狙撃を正面から頭に受けて、さらに焦る。
こうして、不利を覚った二人は、そのまま外へと撤退していった。




