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恋愛学校の落第生共よ、恋を知れ  作者: 風野唄


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038話 入部は如何?

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

「皆さんはなんでこの部活に入ったんですか?」


ありきたりだけど、重要な質問を投げかけてみた。

口の立つ人の集まりだ。

面白い話を聞かせてもらえるに違いない。


部員はそれぞれ顔を見合わせて、考える素振りを見せる。

難しい質問をしてしまったみたいだ。

今からでも取り下げてしまうおう。


「ここは部長の私から答えるべきだよね。私は単純で議論というのが好きなんだよ。自分の考えを上手くまとめて、相手に伝わるように話す。あの頭を使ってる感覚がさ」

「へぇー、なんか深いような」

「部長は変態なだけですよ。自分が場をコントロールするのに愉悦を感じるタイプの」

「酷いなー。否定はしないけどね。そういう君はどんな理由なんだい?」


みんなの飲み終えたティーカップを率先して片付けていた葉桜先輩も、会話に参加する。

ただ、彼女は他の部員と違って考える素振りも見せずに答えて見せた。


「さっきの議題、私は食事じゃなくても男女2人が同じ空間で同じ空気を吸えば、浮気だと思ってるんです。つまり、そういうことですよ」


最初は葉桜先輩の言葉の意味が理解出来なかった。

何故、さっきの議題の話に戻ったのだろうと。

でも、始めて見せた硬い笑顔で、カタカタと肩を震わせる剣海先輩の姿を見て全てを察した。

部長と副部長は恋仲で、部活とは言え異性と2人きりのシチュエーションがあると嫉妬してしまう。

ならば、一緒の部活に入れば良いという発想なのだろう。

何とも自由な理由だけど、この学校の生徒らしいと言えばそうだ。


「ボクはね、ボクのフリーダムな発想くんをめっちゃ良き良きしてくれる、この部活が好きなんだよー。ここ以外ではマジョる必要があるから、ダウナー系メンタルになるけど、気を使わないここでなら、はぴぴメンタルになるしさ」

「なるほど、全く分からないですね」

「まぁ、雰囲気が超絶グッディーってこと」


それなら分かる。

1人を除いて、温かみがある部員ばかりだ。

ここに入部したとして、この空気に入っていけるのかという疑問も浮かぶくらいにはアットホームな感じがする。


3人の入部理由は聞いたので、この場にいる中で入部理由が聞けていないのは1人だけ。

ただ会話には混ざらないスタイルなのか、端の席に座って携帯を弄っている。

私に触れないでというオーラが溢れているので、敢えてこちらから聞く事はしないでおこう。


「ほら、ぶすっーとしてないで紫乃ちゃんも会話に混ざろうよ。同級生が入部してくれるかも知れないんだよ?」

「関係ないですよ、同級生とか。小冬さんは良いけど、あの男の噂知ってますか?暴れ「こーら、ダメだよ紫乃ちゃん。噂で人を判断したら。人の良さは、向き合った人にしか分からないものなんだから」


葉桜先輩に注意された高飛が俺をキッと睨む。

えぇー、俺何もしてないだろ。

自分の発言で怒られたのに俺を睨むのはお門違いだ。


不貞腐れた高飛の機嫌を治すべく、葉桜先輩と早乙女先輩が慰める。

そんな姿が視界の端に映る中で、剣海先輩が口を開いた。


「単刀直入に聞こう。入るつもりになってくれたかな?」

「結構ストレートに聞くんですね。もっと濁すのかと思ってました」

「こちらとしては急かすつもりはないんだけどね。やはり、口約束でもしてくれた方がテンションは上がるんだよ」


見学したんだから、入る可能性は十分ある訳だ。

だったら、この場で結論を聞きたくなる気持ちも分かる。

まずは俺の意見よりも小白がどうしたいかを確認したい。

最初にここを選んだのも小白だからな。


「小白はここにしようと思う。学べる事沢山ありそう」

「だそうです」

「嬉しいね!これで1・2年の部員は3人。来年の廃部も免れた訳だ」


部員数もやはり部の存続に大きく関わるようだ。

部員が少ないのは=需要が少ないと判断されるのは当然か。

俺達が落第生クラスなのにも関わらず、見学に参加出来ていたのもそういう部分が作用しているのかも知れない。


兎にも角にも必要数には達した訳で、俺が絶対に入部する必要は無くなった。

どうしたものか。

部活には興味があるし、人柄を見るあたりここでなら受け入れてもらえる可能性は高そうだ。

でも、どこか心の中で躊躇う自分がいる。


「君はどうかな?天野くん」

「俺は……保留にさせてください。入りたい気持ちはあるんです。ただ、最近は考えることが多くて。恋愛祭で全て片付くと思うので、答えはその後でも良いですか?」

「良いよ!良いよ!そうか、恋愛祭もうすぐか。それは頑張らないといけないもんね」


他人事のように頷く剣海先輩。

3年生だって同じスケジュールで恋愛祭はあるはず。

学年毎に優勝特典は違ったとしても、気合いが入るのは必然ではなかろうか。


「剣海先輩は恋愛祭参加されないんですか?」

「彼は半分出禁みたいなものなの」


剣海先輩の代わりに葉桜先輩が答えた。


「出禁?学校側から?」

「いやいや、まさか。他クラスから徹底的にマークされてるのよ。全クラスから恨み買ってるのこの人は」

「いやー、照れるな。私はそこまで周知される様な人間では無いと思ってたんだけど」

「よく言うわ。貴方のいるクラスが恋愛祭で毎回勝つ癖に。それだけならまだ良い方。クラスに黙って自由権を使って、他クラスに移動するんだからよっぽどの悪童よ」

「中々、エグい事してるんですね。剣海先輩」


本人は笑っているけど、やっている事は異常だ。

才能というチンケな言葉では表せない程、画一した存在であると聞いただけ分かる。


「私は全クラスを内部から観察したかっただけなんだけどね。まぁ、今回は私も大人しくするつもりさ。クラスは一通り回ったから」


目の前にいる人物が一気に遠い世界の住人に思えた。


「部活には入らなくても、いつでも遊びに来てよ。私達は歓迎するからさ」

「考えておきます」


高飛が同じ空間にいる手前、軽々しくは頷け無い。

とりあえず保留ということにして、今日の見学は終わりを迎えた。

ご覧いただきありがとうございました。

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