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恋愛学校の落第生共よ、恋を知れ  作者: 風野唄


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032話 秘密の特訓

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

「おかえりー!デートはどうだったの?天命のアニキ。モテる男はやっぱり違うねー!よっ!落第生クラスの期待の星!」


帰って来てから彩は自室へ戻り、俺はリビングのソファに全体重を預けていると、斉藤が階段を降りてやって来た。

開口一番、俺と彩のデートの話をする所が斉藤らしい。

どこでその情報を聞き出したのかは、気になるところだ。

下手な駆け引きの中で探り出すのも策ではあるが、最も手取り早い方法としては、


「なんで無言なの?えっ、怖い!怖いからなんか言ってよ!」


何も言わずにじっと目を見る。

自分で言うのも何だが、かなり圧のある目付きだと思う。

この目に何秒耐えられるか、楽しみな自分がいた。


「いや、誰にも言ってないからね!偶々、2人で帰って来たのが分かったから、ノリでデートって言っただけじゃん!」

「お前、2階から降りて来ただろ。どうやって分かったんだよ」

「リビングにいて、2人の声が玄関から聞こえたから。仲良く2人で帰って来たんだなって。邪魔しちゃ悪いから2人が解散するまで待ってたんだよ」


他言していないようであれば良いか。

こいつも不可抗力でデートの件は知ってしまったみたいだしな。

それにもしも、クラスに広まるようなことがあったら、確実に流出元はこいつだ。

締めに行くのも容易い。


「怖いよ顔が。明らかにアウトレイジの顔付きだよ。武さんがエキストラに入れたくなっちゃう逸材だよ」

「誰が任侠顔だ。失礼な奴だな」


斉藤もソファーに座ってくつろぐのかと思ったら、立ったまま会話を続けた。

中身などない会話なので、頭にはさっぱり入ってこない。

それよりはどうして座らないのか気になって来た。


「お待たせでござる!いやー、課題が中々終わらなくて手こずったでござ」

「気にしないでよ。ちょうど良い暇つぶしの相手がいたからさ」


斉藤がチラッと俺を見る。

成程、俺は雨水が降りて来る間に時間を潰す為上手く使われていた訳だ。

憤りこそ感じないが、若干不服に感じる。


「今から何かするのか?」


時間を潰すのに付き合ったんだ、これくらいは聞いても良いだろう。


「恋愛祭に向けて影分身を練習しようかと思って……」


少しだけバツの悪そうな雨水。

思い出すのは昨日のいざこざ。

あれだけ弱音を吐いて日纏と揉めるまでに至ったのに、ここに来て自主的に練習とはどういう心境の変化なのか。


「日纏ちゃんとは仲直り出来たけど、弱気になる性格のせいで悪いことしたなって思ったらしいよ。だから、本番で影分身を使って活躍すれば日纏ちゃんも喜ぶかなってことで練習するんだとさ。もぉー、雨水くんがちゃんと説明しないから僕が説明することになったじゃん」

「ごめんでござ……」


言葉を濁す雨水に痺れを切らして、1から10まで懇切丁寧に説明をする斉藤。

これくらいは自分で言って欲しいと注意された雨水は、小さい肩をもっと丸めて萎縮する。

卑屈になるのが悪いとは言わないが限度があるだろ。

せめて、もう少し自信を持ってくれたら。

本人も分かっていることだろうから、敢えて口にはしなかった。

それに、自信を付ける為に斉藤を誘って練習をしようと思い付いたはずだから。


「なんなら、天命のアニキもやってく?人数増えた方が面白そうだし、本物の忍者から忍術のレクチャー受けるなんてそうそう無い機会だよ?」

「そう思うなら、昨日の時点で参加してやれよ。めっちゃ楽しそうに見学してだろ」

「おっと、それ以上は触れてはいけないよ。勘が良いと嫌われるって知らないの?」

「どこの錬金術師だ、俺は。そんな才能俺にはないぞ」

「そんなの知ってるよ。それにあっちの方が何倍もイケメンだしね。実写に起用された俳優さんからもそれは分かることだよ」


うっ、そこまで言わなくても良いだろ。

確かに俺の顔は上の下、いや、中の上だよ。

……いや、1話目のネタいつまで引き摺ってんだよとか言うのやめろ。

ちゃんと生きているからこの設定。

神絵師が味方に付いた時、覚えてろよ。


「俺も参加するかー。最近、体動かしてないから鈍って来てる気がするし」


あれだけ喧嘩に明け暮れていた日々が終わり、今ではすっかり平和な毎日となった。

その分、身体を動かす機会が減ったので、運動不足を感じている。

これは良い機会だと思い、参加を決意した。


動きやすい服装にわざわざ着替えて、靴を履いて庭へ出る。

先に出ていた2人が軽く準備運動をしているのが見え、合流。

日が落ち始めた今は少し肌寒い。

俺も適当に準備運動を始めて、身体を温める。


「お前ら、何やってんだ?遊んでるのか?」

「ワイ氏、久々の登場!面白ろそうなことやってるやん」


リビングから顔を覗かせる鳳凰院と二階堂。

今から何を始めるのかと興味津々だ。

その様子を見逃さない斉藤が、君達もどうかと手招きをする。

基本的に賑やかな状況を好む斉藤にとって、人が1人でも多い方が喜ばしいのだろう。


「何やるか分からないけど、ワイも参加キボンヌ!仲間外れは懲り懲りなんよ」


真っ先に参加の意を示した二階堂。

鳳凰院はどうだと視線を送る。


「俺は遠慮しておく。男同士で戯れて何が楽しい?もっと姫の多い場所だったら、考えなくもないんだがな」

「レンきゅんは中々難しい生き方してるんだね」


中々に酷い事を言う鳳凰院に向かって、ストレートな物言いをする斉藤。

レンきゅん呼びもあってか、悪気が無くても挑発的に取れる。


「おい、さい…裁縫。俺のことを変なあだ名で呼ぶのはやめろ」

「まぁまぁ、堅いことは言わないでよ、レンきゅん。参加しなくても良いから見学してけば?結構、見てるだけでも面白いと思うけど。あと、僕、斉藤ね」

「ったく、勝手にしてろ」


見てならないと首を横に振って後ろを向き、そのままリビングへと戻って行った。

最初から参加するとは思ってないし、無理に誘う理由もない。特に引き止めることもなく、靴を履いて玄関から周って来た二階堂と合流して、2度目となる雨水の特訓が始まった。

ご覧いただきありがとうございました。

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