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バーチャル教師の指導案  作者: 風上昴
第二章『私たちの主義主張』
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2ndstreetオフコラボ②


 いつも誤字報告をしてくださっている方、ありがとうございます。


 当たり前だが、それぞれの曲は本人の希望やイメージを反映して作曲されている。


「そうですね、皆さん曲を収録するに当たって、色々な思い入れ何かもあると思います。一部ネタバレのような話になってしまうかも知れませんから、ここからは聞きたい人だけで」

「あ、サンプル音源は今日のお昼に公式サイトやトゥイッターから公開されます」

「今日の告知はこれが最後ですから、ここから先は自己責任で見てください。アーカイブは残しますから、曲を聞いてからこれを見直して、もう一度聴き直すという楽しみ方も出来ます」

「誰から話そうか?」

「今まではデビュー順でしたから、今度は逆で行きましょう」

「じゃあ私からだね!」


 最後の告知も終わり、ここからは台本なしの話になる。最初は、こういう場面で話すのが得意な昼女嬢から。


「私の曲は、いつものイメージとは違って、静かな感じになってます」

「タイトルで『縁起』と言う言葉を使うあたり、昼女さんの教養が伺えますね」

「もうポンの者とは言わせない!」

「良い心掛けです」

「昼女ちゃんは、明るい曲を歌ってるイメージがあるよね」


 昼女嬢が話し出す。私としても、昼女嬢は活発なイメージがあるせいか、曲のタイトルを見たときは驚いた。


「次は私ですね。私も、いつものイメージとは変えて、活発な感じにしました」

「でも、小春ちゃんに合ってると思うよ?」

「えへへ、ありがとう、昼女ちゃん」

「小春さんの考えるヒーロー像が楽しみですね」

「私は、皆さんのご存知の通り、内気ですから。2ndstreetに入って、先生や昼女ちゃんのおかげで少し自信が持てたんです。だから、今度は私が皆のヒーローになる番だ、って」


 続けて、小春嬢が話す。小春嬢のファンは、実は女性Vにしてはファンの男女比があまり偏っていない。その理由は推して知るべしであろう。


「次は私ですね。私のデビュー動機は、5万人記念で話したのでご存知の人も多いと思います。そういう意味では、私の曲が一番皆さんのイメージ通りだと思います」

「でも、先生は『現実主義者』とかが選ばれると思ってたけど、そうじゃないんですね」


 小春嬢が言う。


「こういう事を言うと怒られるかも知れませんが、教師になろうと思う人は大体理想家だと思いますよ?」

「まあ、理想が無いと先生になろうなんて思わなそうだしね」

「何故か皆さんは私の事を不穏だとか言いますが、今回は明るい曲にしました」

「残当だと思うぞ、美旗」

「はたさんの言う明るい曲は、大体裏がある」

「美旗先輩の明るい曲は大体明るめの闇だからね」

「おい、流石に怒るぞ?」


 私の「明るい曲」発言に、フィリップ達が突っ込む。あまりの言い様に、私も文句の一つや二つ言いたくなる。


「じゃあ、次は私。私は未来人だから、未来の世界を知っている」

「久しぶりに聞いたな、その未来人設定」

「フィリップ、メタい事を言うな」

「未来の世界は、誰もが予定通りに幸せに暮らしてる」

「いい世界だね」

「でも、誰もそのおかしさに気づかない。だから、私は過去を変えることにした」

「時空警察に捕まりそうですね」

「誰もが幸せに暮らせるユートピアは、私にとってのディストピア。だから、未来を(ディストピア)変える(・リバース)


 瞳は、一度社会人として仕事をしてからVTuberになったらしい。瞳の言う未来とは、おそらく現代社会の誇張だろう。


「じゃあ、次は私ね。私は、新しい物が好き。だから、古い固定観念に囚われた時代から、今の時代に来たの」

「そう言えば、いろははお嬢様だったな」


 いろはは、とある名家のお嬢様だった。実家と縁を切るように大学に進学したらしい。


「だから、『不確定楽観未来』は明るい歌にしました。不安な時に聞いたら、元気が出るような感じに」


 いろはが話を切る。フィリップは、暗くなった雰囲気を明るくするように話しだした。


「俺は、多分皆が考えてるイメージそのままだと思う。ザ・楽観主義な感じの曲にした」

「そう言えば、フィリップはサークル旅行のカジノで有り金全部スッてたな」

「はたさんから帰りの旅費借りてた」

「次は勝つって言いながらずっと負けてたね。ディーラーさんが困惑してた」

「ああ言うのって、何度か小さく勝たせて大きく負けさせるのが普通らしいから、手加減されても負けててディーラーが焦ってたな」

「おい、うるさいぞ。もう一度賭けてたら勝ってた」

「ずみさん、それはギャンブル中毒の発言」

「この前も競馬配信で大負けしてたな」

「あの配信見てると、買った馬券がよく当たるってトレンドに入ってたよね」

「畜生、俺は当たってないのに!」


 フィリップの発言に、私達が茶々を入れる。


「じゃあ、次は私だね!私は、学校の休み時間に一人で聞きたくなる曲を目指したよ」

「一二三、意味がわからないんだけど」

「まあ、聞けばわかると思うよ?」


 一二三嬢は、一言だけ。それにしても意味がわからない。どんな曲なら学校の休み時間に一人で聞きたくなるのだろうか。『少女大革命』の革命要素はどこに行ったのか。


「では、私ですね。私はロックな感じにしました」

「一姫ちゃん、だから番長とか言われるんだよ?」

「一二三、どういう意味よ?不良がロック聞いてるって、いつの時代の考え方よ」

「多分、1980年代ですかね」

「一二三、年がバレるぞ?」

「フィリップ君、女性に年の話は禁句だよ?」

「一二三さん、それより否定をしてください」

「まあ、良いです。私は結構ロックが好きなので、そんな感じで歌いました」


 一姫嬢を一二三嬢が茶化す。私が合いの手を入れると、フィリップがうまく乗ってくれた。それにしても、80年代生まれのVTuberなんて居るのだろうか。少なめに見積もっても40代。居そうで居なさそうなラインだ。私が90年代生まれで、2ndstreetの中でもフィリップと合わせて最年長だ。他の企業には居るのかもしれない。

 一姫嬢は、内容はあまり触れずに話を終えた。

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