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バーチャル教師の指導案  作者: 風上昴
第二章『私たちの主義主張』
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2ndstreetオフ会④


 さて、ゲリラのオフコラボ決定から約20分。私は、取り敢えず運営との連絡を取っていた。


マネージャー[事情は理解しました。オフコラボもOKが出たので、そのまま準備を進めてください。配信時間が決まったら、連絡を下さい。]

諏訪美旗[夜遅くにありがとうございます。]


 さて、運営からも許可が取れた。配信内容は、突然の企画で用意を出来なかったために凝ったものでなく、雑談枠となった。取り敢えず全員のトゥイッターアカウントで告知を出す。

 雑談の内容は、先ほどPVが出た新プロジェクトについて。私達シェヘラザードの曲の製作の裏側や、現時点で公開しても問題ない部分について話すことになっている。運営からは、明日の昼ほどに出す予定だったアルバムのセットリストを公開しても良いとの事で、その情報を貰っている。

 既にフィリップ達買い出し組は帰還し、話す内容を決めた一姫嬢らも用意を終えている。私も機材の用意は殆ど終わり、あとは小春嬢のサムネを待つのみとなっている。


「完成しました!」


 丁度小春嬢も用意が終わったようだ。小春嬢は私のタブレットのペイントソフトを弄り出すと、すぐに下書きに入り、ほんの一時間ほどで8人分のミニキャラを書き上げ、清書を終えた。詳しくない私ですら、物凄い早さだと判る。


「それでは、0時開始にしましょう。音響の細かい調整は始めてからで」


 現在時刻は11時40分ほど。オフコラボの決定から約一時間半程の早さで用意が終わった。それぞれのトゥイッターで0時開始と言う告知をすると、暫くの暇が出来る。


「まさか部屋一つが防音設備完備とは……」


 私が普段配信をしている私室に入った一姫嬢が驚いたように言う。


「デビューするに当たって、軽く調べたら防音室を使うことが多いとあったので、取り敢えず用意したんです」


 私の私室は防音設備が完備されている。元々場所が余っていたのだ、少し部屋の壁が厚くなっても気にならない。更に言えば、使い道のない教師時代の給料を奮発したのもある。話を聞くと、殆どの人は防音設備無しか、一畳程の防音室を使っているようだ。私のように一室全てを防音室にすることは殆ど無いようで。まあ、バーチャルミーチューバーを辞めても、ギターを弾くための部屋として使おうと思っていたので、無駄でもない。


「先生、ギター沢山持ってるんだね」


 小春嬢と昼女嬢は壁に掛かった私のギター達を見ている。


「私の少ない趣味の一つですからね」

「これって、大体幾らぐらいするの?」

「そうですね、小春さんの前にあるのがGibsonのレスポールで、大体20万程でしょうか。昼女さんが持ってるのはPRSのSilverSkyで、25万位です」

「えっ、そんなにするの?」

「ひ、昼女ちゃん、落としちゃダメだよ!」

「う、うん」


 ワタワタとギターをもとの場所に戻す昼ほどに嬢を見て、いろはと瞳が笑う。


「さて、そろそろ始まりますよ」


 時間は11時59分。机の目覚まし時計の秒数表示を見ながら時間を待つ。そこまで大きくないデスクの前に8人が集まると、さすがに少し手狭だ。


「さて、皆さん、今晩は。0時丁度になりました。2ndstreet二期生の諏訪美旗です」


[待機]

[待機]

[こんばんは!]

[まさか始めてのオフコラボがゲリラとは……]

[PV凄かった!]


「と言うことで、ご存じの方も多いと思いますが、今日はオフコラボです。では、一姫さんから自己紹介を」

「こんばんは。2ndstreet一期生の桜木一姫です」

「皆、こんばんは!一期生の楠一二三だよ」

「皆の者、やあ。フィリップ・安曇野だ」

「こんばんいろは!椿いろはです」

「ばんは。勿忘瞳。よろしく」

「こ、こんばんは。二期生の青山小春です」

「追手の皆、こんばんは!竹浪昼女だよ!」

「ありがとうございます。はい、2ndstreetのフルメンバーでお送りします」


[こんばんは!]

[まさか全員とは]

[なんで先生のプラットホームなの?]


 それぞれが挨拶をする。全員が終わったのを見計らって、話を進める。


「本日は、諸事情で私のチャンネルでコラボします」

「皆で先生の家でPVの視聴会してたんだ」

「皆、PVは見てくれた?」

「概要欄にURLが有りますので、もしまだの方はそちらもご覧ください」


 私、昼女嬢、いろは、私の順で話す。終了時刻は決めていないものの、翌日が平日であることを考えて、余り長くならないように早速本題に入る。


「さて、今日は先ほどのPVについて雑談をします。まずはそれぞれ感想をどうぞ」


 順番は先にデビュー順と決めている。早速一姫嬢が話し出す。


「そうですね、まず作画がとても綺麗でした。建物の壁のパイプとか、地面の質感とかですね。帝アニの作品が好きなので、とても嬉しかったです」

「私はね……」


 各々が、今回のPVの感想を述べていく。一姫嬢や瞳、小春嬢は帝都アニメーションのファンらしく、それに準じた内容、それ以外はどちらかと言えば作画や展開についての内容に分かれた。一通り終わると、新プロジェクトのセットリストの話に移る。

 お読みくださりありがとうございます。次回は2月12日更新予定です。気に入ってくださったらブックマークと評価をよろしくお願いします。

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