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バーチャル教師の指導案  作者: 風上昴
第一章『重圧』
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初バズり

諏訪美旗[先程の配信では、引き合いに出してしまい申し訳ありません。]

桜木一姫[構いません。コメントの雰囲気も見ていましたが、彼女のミスを特に意識させること無く視聴者に肯定的に捉えさせると言う意味では、最高のフォローになっていました。]

楠一二三[私も気にしてないよー]

諏訪美旗[ありがとうございます。私の配信も見てくださっていたようで、これからもお世話になると思います]

桜木一姫[ところで……]


 さて、三人目の昼女嬢の配信であるが、そちらは特にトラブルもなく終わった。


『みんなー、こんばんは!二期生の殿、竹浪昼女です』


[殿w]

[撤退戦でもするのかw]

[草]

[殿の意味、知ってる?]


『殿の意味?知ってるよ!先生から聞いたから。追手を振り払う役割でしょ?』


[視聴者を追手呼ばわりw]

[草]

[ファンネーム決まったな]

[話し方とか内容で仄かに香るポンの雰囲気]


 時は少し経ち、翌日。朝起きると、私のトゥイッターの通知がおかしな事になっていた。


「何が起きたのか……」


 昨日と変わらず、諏訪美旗と書かれた名前の少し下。そこにはフォロー9、フォロワー5万の文字が。通知は[○○さんにフォローされました]と言う文字が溢れている。俗に言う、バズったと言うものだ。まあ、先輩たちに比べれば微々たるものだが。

 さて、朝食をとキッチンに立ったところでマネージャーから着信が。


「はい、柴田です。トゥイッターの事ですか?」

『おはようございます。話が早くて助かります。まずはフォロワー5万人おめでとうございます』

「朝起きて、通知に驚きました。何故こうなったのか、理由はわかりますか」

『ええ。小春さんの配信の切り抜きが昨夜0時頃に上がりまして、まあ、所謂バズったと言うことです』


 スマホをスピーカーモードにしてミーチューブを開く。検索ボックスに[諏訪美旗]と入力すると、トップに1つの動画が上がっていた。切り抜きの音を消してコメントを見ると、さまざまな事が書かれている。トップには私のチャンネルのURLが固定されており、その下には大量の草が繁っていた。


[まさか新人が初日で先輩をイジる事務所があったとはw]

[言ってることはカッコいいのにw]

[困っている同期のもとに駆けつけるとか少年マンガみたいだな]

[てぇてぇ]


『その、バズった事自体は良いことなのですが、一部では批判もありまして……』

「やはり、先輩の失敗をネタにすると言うのは問題もありましたか」

『はい。運営としても、私から対応をお願いした上での事ですから、諏訪さんに謹慎を求めると言ったことは無いのですが……』

「なるほど。とりあえず、昨日の時点で謝罪はしておりますから、その事についてはトゥイートしておきます」

『ええ、よろしくお願いします。それと、もう一件』

「何でしょう」

『我々としても、この勢いに乗りたいと言うことで……』


 さて、どうしたものか。マネージャーの言った一件を要約すると、二期生3人のコラボを行ってほしいとの事だった。デビュー前の予定としては、それぞれの方向性が定まってからと言うことだったが、この期を逃す理由はないとの事で、前倒しで行いたいと。


「私としては構わないのですが、二人には……」

『はい。昼女さんには昨夜、小春さんには先程確認を取りまして、皆さん前向きに考えて下さっているので』

「わかりました。いつ頃になりそうでしょうか?」

『その、急で申し訳ないのですが、今夜にもと……』


 今夜。またまた急な話だ。時間は空いているが、用意にどれだけ力を入れられるか。


『勿論、我々もサポートしますので。昨夜の内に、技術班がサムネイルなどの用意はしています。話題に乗るときは時間を空けない方が良いので』


 サムネイルなどの用意が無ければ私としても問題はない。


「わかりました。時間については、昨日と同じ20時から、1時間ほどでしょうか?」

『開始時間は21時からで問題ありません。昨日と違い、無理に1時間に押さえる必要も無いですから。まあ、昨日の配信を見る限り、諏訪さんのタイムキープなら問題ないと思います』

「では、その通りに進めます。ところで……」


 お読みくださりありがとうございました。次回は10月31日投稿予定です。気に入ってくださったらブックマーク、評価をよろしくお願いします。

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