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バーチャル教師の指導案  作者: 風上昴
第二章『私たちの主義主張』
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新プロジェクトオープニング会議

 誤字報告、ありがとうございます。とても助かります。


 場所を移して会議室。私はホワイトボードの前に立ち、他のメンバーは大机に座っている。私は、[議題:シェヘラザードの新曲]とホワイトボードに書いて、向き直った。


「はい、と言うことで何かアイディアある人」

「え、いつもこんな感じなんですか?」

「そうだよー」


 皆に話題を振ると、一姫嬢が呆れたように言う。それに、いろはがいつもこんな感じだと返す。


「取り敢えず、明るめのシナリオにするか暗めのシナリオにするか決めよう」

「オープニングだし、明るめが良いと思う」

「私も明るめが良いかな」

「俺は暗めの方が良いと思う。企画もそんな感じだしな」


 さて、今回のプロジェクトについて話そう。今回のプロジェクトは、私達2ndstreetのライバーの前日譚を公開することが目的である。全員の設定資料や実際の過去を元に、ライバーになる前の物語を描く。


「私も暗めの方に賛成だ」


 恐らくだが、リスナーに取っての私達のイメージは、革命家だ。今までの自分の存在に何らかの劣等感を感じ、それを理由にバーチャルミーチューバーになった存在。このイメージを一番抱かれているのは恐らく私。逆に、一番そのイメージが薄いのは昼女嬢だろう。


「私としては、オープニングを暗く、エンディングはそれに対してのアンサーソングにするのが良いと思う」

「でも、アニメ何かだと、オープニングの方が明るいイメージが有りますよ?」


 私の発言に反論したのは小春嬢だ。


「俺は美旗の案に賛成だ」

「私は小春ちゃんの意見に賛成だな。やっぱり、私達のイメージは明るくなくちゃ」

「私はどっちでも良いと思うけど、先生、この前のコラボで爆弾発言したばっかですよね?」

「あー、あれは笑った。魔王ちゃんがあそこまでタジタジになるのは始めてみたしな」

「はたさんはもう少し自重しないと」

「十分してるだろう。一応常識人枠だぞ、私は」


 話し合いが、一姫嬢の発言で脱線する。

 こうして、二時間ほどの話し合いの末に、曲のイメージが決まった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「よし、テーマはこんな感じか」


 ホワイトボードを書いては消してを繰り返し、三度ほど。大まかな曲のイメージが固まる。


「さて、瞳。取り敢えず書割を作ってくれ。いろははそれを見ながら曲調を決める。フィリップは……、取り敢えずおやつの用意でもしてろ」

「おい、美旗!相変わらず俺の扱いが雑すぎないか」

「お前はメロディー担当だからしばらくフリーだろ。私は歌詞を考える」

「わーったよ。一姫ちゃん、東京バナナ持ってきて。俺は取り敢えずお茶を入れる」


 それに合わせ、瞳がシナリオを書き始める。いろははそれに合わせて曲の雰囲気を決めていく。私は、取り敢えず歌詞の作成に移る。


「あの、私達はどうしましょう?」


 フィリップと一姫嬢がティータイムの用意を始めると、やることの無い小春嬢達が聞いてくる。


「あー、マネージャーに私達の設定資料を貰ってきてください。三人で具体的に、それぞれのイメージを固めて貰えませんか」

「わかりました」


 こうして、シェヘラザードの新曲の準備は進んでいく。


「曲って、こんな感じで作られてるんだね」

「私達はこうして作っているだけですよ。他のバンドの事は知りませんから」

「へー」


 ホワイトボードには今回のテーマが大きく書かれている。

 『主義主張(イデオロギー)』。これが今回の大きなテーマになる。私達それぞれに『○○主義者』とテーマを割り振り、それぞれの曲を造り上げていく。

 これが、2ndstreetの新プロジェクト。オープニング、エンディングに私達にそれぞれ一曲づつ。合計十曲が収録された、アルバムの作成である。

 お読みいただきありがとうございます。次回は1月15日更新予定です。気に入ってくださったら、評価や感想をよろしくお願いします。

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