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バーチャル教師の指導案  作者: 風上昴
第二章『私たちの主義主張』
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一晩明けて

 新章開始を1月1日に会わせたかったので、予定をずらしました。書き溜めがなくなりそうなので、暫く1週間に1回の更新に変更します。


 王姫嬢とのコラボから一晩開けて。

 私はモーニングルーティンを回しながら、トゥイッターを確認していた。のだが。


「まさか、こんなことになるとは」


 私のトゥイッターはプチ炎上をしていたようだった。

 炎上とは、著名人が何らかの問題発言をした場合等に、公式アカウントなどに批判が殺到することである。今回は、炎上とまでは言わないものの、昨晩の私の発言が軽く槍玉にあげられている。

 例えば、[身内からのリーク。青山小春と竹浪昼女は仲が悪かった!?]とか、[諏訪美旗、コラボで爆弾発言!?]等々。

 基本的には軽く騒がれているだけだったようで、王姫嬢のトゥイートで鎮火していた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 弥魔田王姫@戦犯


 今回は、私のコラボ配信での発言を元に、騒ぎを起こしてしまい申し訳ありませんでした。前々から申し上げていますが、私の配信での話はフィクションですので、悪しからず。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 おそらく前々からこのようなことがあったのか、王姫嬢の配信なら仕方ない、といった雰囲気で流されているようだ。しかし、原因は私の発言である以上、私も謝罪をしなくてはいけない。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 諏訪美旗@2ndstreet二期生


 今回は、私の発言が元で騒ぎを起こしてしまい申し訳ありません。コラボでも申し上げた通り、お二人は本当に仲が良いですから、ご安心ください。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 取り敢えず、謝罪のトゥイートをしておく。しばらくはこれで様子を見る。

 朝食を終え、その洗い物も済ませた私は、2ndstreetの事務所に向かうべく家を出る。昨晩、深夜0時に2ndstreetの公式より、新プロジェクトの発表が行われた。題名など、殆どの情報が明かされていない現在、ファンが詳細を知ることは出来ない。我々関係者のみに極秘で明かされている企画には、2ndstreetの皆も、それぞれ面白そうな反応をしていた。

 本日は、テーマソングとなる曲の概要を決めるために、私達『シェヘラザード』の打ち合わせが行われる。どうやら、一姫嬢をはじめとする、直接関係の無い人も参加するようで、中々に緊張するものである。


「おはようございます」


 さて、電車で揺られること小一時間。私は、2ndstreetの事務所に到着した。挨拶をすると、どうやら私が最初のようで、数人のスタッフが挨拶を返しただけだった。


「おはようございますー!あっ、先生……」


 続いて来たのは、昼女嬢。昨日の配信が尾を引いているようで、すこし微妙な空気感になる。無言なのも気まずく、すこし雑談をしていると、段々と昼女嬢もいつもの雰囲気に戻っていった。


「まあ、私も小春ちゃんも昨日の事はあんまり気にしてないから。でも、コラボには呼ぶからね!」

「了解です。それにしても、今日は皆さん来るみたいですが、メインは私達だけですから、つまらないかも知れませんよ?」

「ううん、前から誰かが曲を作ってるところ見たかったんだよね。気にしないで」


 そうして、しばらくすると他の人も続々と集合し、集合時間にはフィリップを待つだけとなった。


「ずみさん、来ないね」

「まあフィリップ先輩が遅刻するのはいつもの事ですから」

「フィリップさん、配信もよく遅刻してますからね」

「この前、ウン十回目の謝罪配信してたからねー」

「その配信にすら遅刻するのは笑えませんが」

「あはは……」

「なんか、フィリップ先輩って感じだね。配信とあんまり変わらない」


 それぞれ、瞳、いろは、一姫嬢、一二三嬢、私、小春嬢、昼女嬢の発言である。フィリップは、大学の頃からこうしてよく遅刻をしていた。そのくせ、飲み会には時間通りに到着するのだから、変なものだ。一度、フィリップにだけ飲み会と言う名目で呼んでみたものの、何を感じ取ったのか遅刻をしてくる。


「おはよう!皆お待たせ!」


 集合時間から5分ほど遅刻し、フィリップも到着をした。片手には、なぜか東京バナナを持っている。


「あ、これお土産ね」

「なんでそのチョイスなんだ」

「いや、急に食べたくなって」

「それで遅刻するな」


 どうやら、東京駅の売店が開くまで待っていて、それで遅刻したらしい。取り敢えず、罰として全員分の飲み物を自販機で買って来させる。


「全く、なんで俺がこんな事を……」

「他の誰よりも遅刻しちゃいけない当人が遅刻したんだ、当然だろう」

「残当」

「フィリップ先輩、パシリがあってますね」

「うるせぇ!」


 そんなこんなで、打ち合わせを始めることになった。

 お読みくださりありがとうございます。次回は1月8日更新予定です。気に入ってくださったら、ブックマークと評価をよろしくお願いします。

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