7.思惑。
本日をもって、最終回となります。
ご拝読いただき、ありがとうございました。
遅れながらも今更ながら視点を付加させていただきます。
※被害者(?)X氏の視点。
――あ~あ…もう壊れてしまった。
思った以上に早かった…よく「光の速さ」という“例え”が、あるが…ピッタリな言葉だ。
レーコさん親子――…わたしの『オモチャ』だった人。
――残念…とても残念。
もっと、わたしを楽しませてくれると思ったのに…これからだったのに、あっという間に落ちてしまった。
レーコさんと、ご両親。
こんな“似た者”であり“そっくり”は、稀じゃないかな。
レーコさんの場合――…からかいのつもりだったのだろうが、自分の“欲”と好奇心を充たすために行ったのが、わたしに対する『イジメ』だ。
レーコさんの両親も同類だ。
父親…っといっても義理父親だが、優柔不断が原因で、即効癇癪を引き起こす妻と娘・レーコのストレス発散のためにギャンブルに逃げたが…直ぐに金欠になり、会社の資金を横領…後日、逮捕された後に釈放。
母親の方は『流石、産みの親』というべきだろう…若い頃から“気に入ったモノへの執着”が『異常』だった。
簡単に言えば、自分の理想を“大事”した結果だ。
学生時代も酷く、凄かったそうだが…仲良くなったクラスメイトの『大事なモノ』を盗んだり、奪ったり、お金で買い取ろうとしたり――…流石にドン引きだ。
仲良くなるまでの間、猫を被っていたのだ。
そして、友達同士になると「ここだ!」のタイミングで、毒を持った生物になる。
分かりにくい例えだろうが…他に思いつかないので、許してほしい。
そんな学生生活も長く続かず…学会まで、揺るがす事態にトントン拍子のように急速に進んだ。
その結果は、強制的に転校をされたそうだが…転校先でも同じ事を繰り返してしまい、隠すように通信校に押し込まれた後に何とか、高校の卒業資格を手に入れた。
――大学は、行かずに社会人になっても問題を起こしていた。
美貌(?)と若さを利用して、先輩・同期・後輩の彼氏を次々、奪い続けた――…中には、上司の娘さんの婚約者さんが含まれていた。
しかし、何故かクビにならなかった…理由は――勤めていた会社の有能な“社長秘書”であり“愛人”だったからだ。
学生時代に『○ーキャ○』で、会社で必要であろう資格を取っていたからだ。
男にだらしなかったが…仕事の腕は、敏腕だったというから驚きだ。
だが、予想外が発生してしまった…妊娠してしまったのだ。
しかし…社長には、既婚者であり…まだ高校生の娘さんが二人も居る。
社長の家庭を壊すつもりなかったので、会社を辞めていった。
何故なら、レーコさんの母親さんの初めての『恋』だったからだ。
遊びの『恋』は、何度も…数えられないほどしてきたが…社長との『恋』は、違ったのだが…子供の事は、打ち明けずに終止符した。
そして、遊びの『恋』で付き合っていた彼(現・夫)と、授かり婚をしていった。
まさか…その夫が、子供が出来ない身体だったとは…知らなかったんだね…レーコさんの母親さん。
結婚をした後、生まれたのが“レーコ”さんだが…幸い、なのか…母親さんにそっくりだった。
しかし…性格も似ないほうが、良かったねー。
個人的に…知っている人も同じ事を考えるんじゃないかな。
母親さんの親族から「再来か!」と、口々にしながらも…何とか正そうと試みたらしいが、無駄に無意味に終わったようだ。
母親さんのように振舞っていたんだね、レーコさん。
完全に“痛い子”だけど…先生すら注意してくれなかったんだね。
でも…父親さんの父(義理の祖父)にだけは、大人しくしていたみたいだね。
頑張って、母親さんと一緒にごまをすっていたらしいしね…恐ろしく怖い、お祖父さまだものね。
そういえば、高校生になったレーコさん…子供を産んでたね。
調べによると…母親さんの当時を聞いたレーコさん、高校生の時限定で…大きな猫を目深に被ってたんですね?いや、イイ子ちゃん(?)に“なりきり”の仮面かな?凄く器用に過ごしたんですねー…大変だったでしょう?
当時の成績低下をせずに…体系維持、外見や制服によるオシャレ革命(男ウケ狙いだったらしいが、不発だったそうだ)とかだけでなく、お小遣い等の調整――。
結局…犯罪に走りましたけども…。
ご協力いただいた方からの話しによると――…我が校一!の爽やかで、ワンコ系イケメンさんがいらしたそうで…当時、全女子生徒達のハートと黄色い声援を独り占め。
――うん。
貴女も…その一人でしたよね、レーコさん…――好みだったんですね…レーコさん、その男子生徒さんをストーカーをしていたそうな。
しかし…その男子生徒さんは、当時のクラスメイトさんの彼氏さんなのに…レーコさん本人は、付き合っていたつもりらしい。
男子生徒さんは「彼女居るからゴメンね」と、ちゃんと理由をつけて断ったのに…ガン無視。
レーコさん、生徒の皆々様から冷ややかな視線を浴びながらも…ご自慢の“勘違い”スキルを発動していたようですが、この後に起こる『事態』に“初めて”頭を抱え、悩んだそうですね。
そして、その男子生徒さんに相談(?)を持ち掛けて自宅に…男子生徒さん、驚いただろうね…豪邸だったから…――今は、売りに出されているけどね。
――話しそれちゃった。
相談の前に飲み物に“細工”をしましたね?お酒だったのか…睡眠薬入りのジュースだったのかは、ご本人しか知らないでしょう。
そして――。
眠りこけた、男子生徒さんを襲って無理矢理『関係』を持ちましたよね。
更に調べによると…その男子生徒さんとの『関係』を持ったことに満足をして、そのまま放置しましたね。
目が覚めた男子生徒さん…青ざめたことでしょう。
その後の男子生徒さん、可哀想に…。
同年代の女性に対する恐怖症になってしまったそうです…お付き合いしていた、女子生徒さんと泣く泣く別れて、男子校に転校をなさったそうな。
当時、学校新聞にも取り上げられたそうですね?
我が校自慢のイケメンが、急な転校に物議が、繰り広げられたとか…元凶であるレーコさんは、知らん振り。
だが――…数ヵ月後、学校を長期に亘って休みましたよね?表上は「病気による手術」だったそうですが…違いますよね。
未成年の出産とはいえ、可愛い可愛い玉のような赤ちゃんを産んだそうですが…聞きましたよ。
レーコさんの母親さん…相も変わらず、凄いですね。
我が娘が、産んだ実の孫であっても…義父の莫大な財産の取り分が惜しくなり、出来るだけ高値で売り飛ばしたそうですね。
その資金で、株に投資したが…大失敗に終わったそうですが…。
――そこからですかね。
徐々に運の『ツケ』の支払いを迫られ始めたのは…あの時に一気に来たんですね。
自分の悪行のせいなのに他人のせいにするとは…さすが、レーコさんですね。
大学の温情で、停学だったのが…退学になりましたね。
あの後、釈放されてみたいだけど…直ぐに両親の借金返済のために“何処か”に高値で売り飛ばされたみたいだけど、完全返済には…届かなかったみたいだ。
わたしを弄る前まで、婚約者さんが居たみたいだけど…匿名で、レーコさんの悪事を記した書類が届いて、直ぐに婚約破棄されたみたいだった。
レーコさん…その元婚約者さんだけでなくご家族にまで、ストーカーをしてしまい…警察にお世話になっていたみたいだけど…初犯ということで、直ぐに釈放されたらしいけど…その怒りの矛先が、わたしに来るとはね。
流石の“ご主人様”も危機感を持って、レーコさんの義理過ぎお祖父さま宛てに匿名として悪行の証拠等の書類を『思わず』送ったと、事後報告された。
――意外と早かったね、レーコさん。
わたしにとって、とても飽きない人でしたのに…本当に残念でなりません。
しかし、そう思うのも最初で最後――…わたしの『オモチャ』として“価値”がなくなってしまった貴女に興味ありません。
厳しい言い方ですが、事実であり現実。
本当は、個性的な人として『憶えていたい』です。
ですが――…わたしには、許されない。
憶えていても『役』に立たない。
――わたしの“ご主人”様も同じだ。
わたしは、ご主人様に拾われるまでは…人であるけど、いわゆる『マイペース』であり『無気力』と、よく人に言われ続けている。
それは、今でも変わらない。
興味が無いのだから仕方がない。
記憶は、時間が経つと薄まってしまう…それが『人』なのだから…。
――ドラック。
大麻。
覚せい剤。
コカイン。
合成ハーブ。
LSD。
MDMA。
シンナー…――は、違うかな。
他にもあるが…それが、わたしの“呼び名”であり『通り名』だ。
人の“都合”により生み出された代物――…初めは、怪我や病気による強力な痛み止めだった『劇薬』なのに…時代の変化は、恐ろしく早い。
まだパソコンやスマートフォン、タブレットに苦戦する方々を多いというのに『待った』が、効いてくれない。
しかし、人によって「機械が苦手~」と、言い訳して手につけない人も少なからず…いらっしゃる世の中。
仕事なんだから覚えないと、駄目なのにね。
この世には『人を呪わば穴二つ』と『人の不幸は蜜』という言葉が、残念ながら存在している。
最近、耳にするようになったのが“親ガチャ”というのが、カプセルトイの『ガチャ』をなぞらえ、若者たちの間で流行している言葉だ。
お金を入れてカプセルが出てくるまでは、中身の商品が分からない状況を人生に重ねている言葉遊びを繰り広げているのが、世の中だ。
何を言ってるんだろうね?
だって「子どもは親を選べない」んだよ。
もっと、分かりやすく言えば――…親に対する子供の「アタリ=勝ち組」と「ハズレ=負け組」という考え方がある反面、親からも子供に対する「アタリ=勝ち組」と「ハズレ=負け組」という逆の考え方がある。
これを“親ガチャ”という言葉が、あるなら“子ガチャ”だろう。
何が、ハズレ?
何が、アタリ?
――バッカじゃない。
だって、そうでしょう?
選んだのは、正真正銘…間違いなく『子供』の方だというのに知ろうともしない。
オマケに…相手の“過去を知っているだけ”の『今』を見ようとしない、哀れに“過去の底なし沼”に嵌まって身動きが出来ないでいるのを…あろうことか、相手のせいにする『愚か者』という言葉以外、当て嵌まらないだろう。
もっと、分かりやすく言えば――…知っている“つもり”なのだ。
そんな事を考えているから『不幸』に陥るだけじゃなく『絶望』色に染まる一方通行になるだけだというのに「何故、気づかない?」のだろうか。
呆れてものが言えないという言葉は、正にこの事だろう。
――あなたは、どうなんだろう?
わたしの事を怪しんでるかな?
でも質問は、しない。
だって、あなたは『優しい』から…まだまだ“未来”を楽しんで欲しいんだ。
でも…レーコさんのようになったら“喜んで”相手をしてあげましょう。
わたしを認めて、居場所を与えただけでなく『生きていく術』を教えてくれた、師匠であり“ご主人様”から学んだ、始めの言葉という名の『刃物』から順に『劇薬』であり『薬物』の“遊び相手”として、ね。
あぁ…とても楽しみ♪
その日が着たら“情け”と“容赦”と“躊躇”も必要ないっ…たっぷりと、わたしの欲望のまま落ちていってくださいね。
ドラッグ・シューマノイド――…わたしは、今日も新たに“手に入れた”オモチャ遊びと日常を謳歌する。
どんな『言葉』で、アナタを“劇薬”漬けという名の執着型中毒者にしようか、楽しみでならない。
-完-
【作者の(愚痴)会議】 ※許可を頂き、投稿しております。
B「それにしても…。」
ツ「どうかしましたか?Bさん。」
B「いや…面白いからいいんだけど、赤裸々というか人間味臭いというか作者視点という名の“第二者”と“第三者”とはいえ、別視点をよく書けたなーと…。」
ツ「受け取り方は、千差万別なのは“理解”してるよ?書けた大きな理由は、私自身が“なけなし”レベルの情が残っている事と“冷めてる”からと“枯れている”からだよ。」
B「シキさん…。」