聖水使いの復讐譚(原題 :勇者パーティーから追放された俺はレア職業「聖水使い」として世界を救う)
頑張って書きました。最近話題になっている作品のテイストもふんだんに取り入れてみました。もしよろしければ感想をお願いします。
※序盤に過激な場面が多すぎる。という指摘がありましたので修正させていただきました。このような指摘があればジャンジャン改稿していくのでどうかよろしくお願いします。
勇者パーティーから追放された。信じていたのに、どうして?
「しのぶ。君は神々しすぎるから私のパーティーには相応しくない。大金と豪邸と美女たちを用意したからどっか行ってくれ」
パーティーのリーダー、マイケルが冷たく言い放った。
マイケルは美男美女のパーティーを連れて王都に向かった。
かくしてしのぶは為す術もなくパーティーを離脱、地味で質素な生活をさせられることになった。
「そうだ。飲尿健康法だ。このフードロスが嘆かれるご時世では飲尿健康法こそ救いの光となって天地を照らすに違いない。病んだ世の中は俺が癒す‼」
しのぶは早速、近くにあったバケツに放尿する。
そして、近くで倒れていた老人に飲ませてみた。
「さあ、どうぞ。お爺さん。私のオシッコですよ?」
「おお、すまんな。ここのところまともな食事をとっていなくて大変じゃったわい。お前さんの尿なら喜んで御馳走になるわい」
お爺さんは喉を鳴らしながら、しのぶの黄金水を飲みました。
「ぬうううーーッ⁉これはどうしたことだ‼ワシの肉体がかつての栄光を取り戻している⁉お兄さん、アンタ一体何者じゃーっ⁉」
お爺さんはついにバケツを満杯にしていたしのぶのオシッコを飲み干してしまいました。
するとどうでしょうか。
お爺さんの萎びきったボディはムキムキのパチパチに、股間の使用後の蛇花火みたいな男性自身はツインバスターライフルのように立派なものに変わっていました。
「ボウズ、ありがとよ。おかげであの頃の勢いを取り戻したぜ。今からカミさんのところに行って今晩お前が上に跨っている状態で腹筋運動をしていいか聞いてくるぜ」
「待て、ジジイ。アンタの嫁さんにも飲ませてやんな」
しのぶはバケツにオシッコをしました。
湯気の立つ黄金水が並々と注がれたバケツを両手に持ってお爺さんは大はしゃぎ。お爺さんは早速家に帰ってお婆さんにしのぶのオシッコを飲ませて若返らせてやりました。
そしてその日の夜、お爺さんとお婆さんは二十五年ぶりに互いの気持ちを確かめ合いしました。
ラブレターを書いたり、投げキッスをしたりしたのです(※健全性)。
あくる朝、しのぶのもとに例の老人夫婦が住む村のオールドたちが集まりました。
「しのぶさん。わしらもジャックみたいに夫婦で情熱の在り処を探りたいんじゃ。一つ、ワシらのアクティヴィティーの為にオシッコを出してくださらんかのう?」
「いいぜ。ちょっと待ってな。今たくさん紅茶花伝を飲んでくるからよ」
しのぶは近くのセコマに行って紅茶花伝をたくさん買ってきました。
そして一気に飲んだ後、意味ありげにその場でジャンプを繰り返して全身をシェイクした後に大樽の前でチャックを下ろし…、じょびじょびじょび…オシッコをしました。
大樽に注がれる黄金のアーチを見た老人たちは狂乱して、マイジョッキを片手にしのぶに大声援を送ります。
「しのぶ!しのぶ!しのぶ!」
しのぶは膀胱に溜まった元・紅茶花伝を全て樽の中に排出すると老人どもにオシッコをくれてやることにしました。
老人たちは砂糖に群がる蟻の大群のようにしのぶのオシッコに群がり、一瞬にして全て飲み干してしまいました。
そして老人は全員が二十代の活力を取り戻し、各々のパートナーと合体し始めます。
何ということでしょう。しのぶの前で一風変わったフォークダンスが始まってしまいました。
しかし、しのぶはこの程度で動じるような柔な人生は送ってはいません。
レモネードと抗菌フェイスガードと消毒液を用意して、部屋の外に出て行ってしまいました。
バタン。部屋の中では若人たちが楽器のように互いの身体をぶつけ合って人生を楽しんでいる。
しのぶは戦いしか知らない自分のような人間にも出来ることがあるという事に満足しながら、家に火を放ちました。
「いい夢見ろよ、グンナイ‼」
しのぶはマイケルからもらった屋敷を完全焼却すると今度こそ復讐をする為に王都へと向かう。
そして、屋敷と一緒にもらった美女たちには大金を渡して実家に帰ってもらうことにした。
黒焦げになった老人たちは復活アイテムで元に戻しておいたので問題はない。ただ若者の肉体と老人の心を持っためんどくさい人間を作ったことで老人介護団体から恨まれたことはいうまでもない。
世の中、正義は一つだけではないということだ。
しのぶは介護団体に和解金として十億ドルを渡した後、王都に向かった。
王都では魔王討伐軍の総司令官にまで成り上がったマイケルが昔の仲間たちと一緒に大活躍していた。
「本当はあそこにいるのは俺だったのに…。畜生が、復讐してやる」
しのぶはブツブツと恨み言をこぼす。
そんなしのぶの下に聖女が現れたのはある意味、必然だったのかもしれない。
聖女は大勢の怪我人を癒す為に国を回っている途中だった。
しかし、聖女の持つ癒しの力は多くの人々に希望を与えたが、逆に聖女は高齢の女性だったので体力的にも限界が近付きつつあったのだ。
「ああ…。どこかにすぐにでも体力と聖神力を回復できる健康ドリンク的なものはないのでしょうか?」
しのぶはズボンのチャックを下ろし、見事な肉大砲を取り出した。
そして、高価な陶器製のジョッキの中に黄金の聖水を放出する。
容器内がオシッコで満たされると、しのぶは聖女の前にアンモニア臭のきつい液体を差し出した。
「婆さん、まあ騙されたと思って飲んでみな(※実際騙している)。アンタが一番輝いていた頃に戻れるはずだ」
聖女はニコリと笑うとコップの中身を一気に飲んだ。
すると聖女の身体はヨボヨボのお婆さんから、十代の乙女(※聖女は既婚者だったので非処女だった)のそれに戻ってしまった。
「まあ、素晴らしい。何ておいしい飲み物なんでしょう。これがあれば私の力なんて要らないかもしれませんわ」
「ハン!王都にいる病人どもを全員連れてきな。俺が癒してやるぜ」
聖女は若返った姿で聖堂に戻り、大勢の病人たちを連れて戻って来た。
病人たちは比較的症状の軽い者たちばかりだったがしのぶには関係無い。
「病人たちは…俺が癒す‼」
しのぶは再びチャックを下ろし、大口径の肉銃口を病人たちに向ける。
病人たちは膝を折り両手を組んで、おとなしく運命を受け入れようとした。
今、慈愛に満ちた黄金の雨が救い無き世界の福音となって憐れな病人たちにぶっかかる。
もう誰にも止められない…。
「しのぶラブシャワー‼」
大口径の肉銃から放出された黄金水は次々と病人どもにぶっかかり、人々は幸福と希望に満ちた笑顔を取り戻して行った。
人々は互いの幸福を称えながら、しのぶに惜しみない声援を送る。
「うひょおおおおお‼ありがとう、ありがとう‼ふじわらしのぶさん‼アンタみたいな人がいてくれて本当に幸せだ‼もう死ぬなんて絶対に言わないぜ‼」
「あひぃぃぃぃん‼しのぶ、アンタはやっぱり最高よ‼今度ウチの店に来たらサービスしちゃうわ‼」
こうしてしのぶは王都で「聖水使い」として名を上げることに成功する。
そしてしのぶの功績をよく思わない者たちがいた。
稀代の勇者として魔族と戦っているマイケルとその仲間たちである。
マイケルは己の地位を守る為にまず王様にしのぶが危険人物であることを進言した。
「王様、しのぶは自分のオシッコを使ってこの国の新しい王様になるつもりです。場合によっては魔王よりも厄介な存在となるでしょう。何卒、私の「みだりに他人のオシッコを飲んではいけない」という法律を施行することをお考え下さい」
実際マイケルはかなり焦っていた。
マイケルもしのぶの真似をして仲間たちにオシッコを飲んでもらったのだが評判は良くなかったのだ。
王様も魔王軍の戦いが長続きしているせいで、経済や産業が疲弊して民の心は離れ始めていたのだ。
そして王様もまたしのぶの活躍を良く思わない人間の一人となっていた。
「ぬぬぬぬ。しのぶめ、そんなに美味しいオシッコならまず最初に予のところに持ってくるのが礼儀というものであろうに。よし、マイケルよ。お前の策をすぐに実行する。大臣よ、すぐに「オシッコ飲んじゃ駄目」という法律を国内に発表するがいい‼」
マイケルと王様は悪人のようにくっくっくと笑いました。
あくる朝、恐るべき悪法が発布されて国中を恐怖で震撼させてしまいました。
オシッコを飲んではいけない。
既にしのぶのオシッコの虜となっていた国民たちは絶望の淵に立たされ多くの人々が未来に絶望して自殺しました。
「ていうかオシッコ飲んで喜んでいる連中も大概だけどね。まあ、王様とマイケルの仕業だろうから俺が出て行くつもりだけどよ」
しのぶは愛刀である背丈ほどもある大剣を背負って王城に現れた。
しのぶに恐れを為して逃げ惑う兵士たち、そんなしのぶの前にかつての仲間たちが立ち塞がった。
「さっさと逃げな。今なら見逃してやるぜ?」
まず最初にしのぶの前にやって来たのは勇者パーティーの中でも武闘派と呼ばれている男、アッシュだった。
アッシュは巨大な斧を使う男で昔からしのぶと張り合っていた。
「おい、しのぶ。俺たちはお前のせいでマイケルのオシッコを飲まされたんだぜ?まずはそのお礼をしねえとな‼」
アッシュは巨大な斧をブンブンと振り回した。
しのぶは背中の大剣でアッシュを一刀両断する。
真っ二つになったアッシュは泣きながら己の過ちを認めてしのぶに謝った。
「許してくれ、しのぶ。俺のような戦いの中でしか生きられない男にはこうするしかなかったんだ。今までの事は全部、俺が悪かった。反省文も書くから、明日から友達として仲直りしてくれ。本当は寂しいだけだったんだ」
「許す。お前も時代の犠牲者の一人にすぎん。俺の小便を飲んで人生をやり直せ」
しのぶは頭から真っ二つにされたアッシュにオシッコをぶっかけた。
アッシュの身体はみるみるうちに再生し、漫画ベルセルクに登場するピピンみたいな姿から巨乳童顔の美少女になってしまった。
「しのぶ。俺はお前を殺せる許可が降りる日をずっと待っていたんだぜ?ギャハハハッ‼」
間髪入れずにしのぶを二本のナイフが襲った。
しのぶは股間の大砲を硬質化させてナイフの攻撃を全て防いでしまった。
結果ナイフは刃こぼれして使いものにならなくなってしまったが、しのぶの大砲は鋼鉄の固さを失ってはいない。
しかし倫理的に問題があるのでしのぶは「闇金ウシジ〇くん」のスピンオフ漫画の事を思い出して事態の鎮静化を図った。
「滑川はともかく肉蝮の漫画はな…。ただのヒーローものだろう…」
こうしてしのぶの鋼鉄の大砲はもとの肉と皮に戻った。
目の前には殺気の塊のような顔をした男が立っている。
「おい、しのぶ。俺の事を覚えているかよ。きっとお前のような人格者なら忘れているよな。俺はずっとお前の事が憎かったんだ。そう出会った日からお前は人格者でイケイケだった。それに比べて俺は暗殺者という職業であるが故にお前に対して一方的に引け目を感じていたんだ」
「ジルベルト…。それほどまでに俺を憎んでいたのか。俺はパーティーを追放され、田舎で燻っているだけの日々を送っていたというのに。お前は、その何というか…痩せたね」
「お前は多くの人々に自分のオシッコを飲ませていい気になっていたようだが、俺たちはその間に魔族と戦ったり魔王と戦ったりでとにかく大変だったんだ。俺にもお前のオシッコを飲ませろ‼そして…毎年、俺の出した年賀状の返事をくれてありがとうございます。マイケルのヤツは切手シートが当たっても連絡さえ寄越さねえよ」
しのぶはオシッコの入ったペットボトルをジルベルトに渡した。
病院に持って行って健康ドリンクとして販売するつもりだったのだ。
ジルベルトは目の色を変えてペットボトルの蓋を開ける。
中からコンソメスープのようなクセの強い匂いが漂ってくる。
ジルベルトはもうたまらんと喉を鳴らしながらペットボトルを一気飲みしてしまった。
「うんめええッ‼こんな美味い汁を飲んだのは生まれて初めてだぜぇぇッ‼ところで隠し味は何を使っているんだい?舌がヒリヒリするうえに何か意識が朦朧としてきたぜ」
「それは毒キノコと毒ガエルのエキスだ。そろそろ死ぬ頃だと思うけど、何か言い残すことはあるか?」
「特にない。あ、来世は黒ギャルになってお前につきまといたいなー。じゃーねー」
ぐはっ。
ジルベルトは全身の穴という穴から出血して死んだ。
こうしてしのぶはアッシュとジルベルトという復讐対象を抹殺して、確実に本チャンの復讐相手であるマイケルに接近していた。
魂まで暗黒に堕しても復讐心に燃えるしのぶを止める手立てなど存在はしない。
ジルベルトは黒ギャルに転生して、しのぶと奴隷契約を結んだ。
「しのぶ。よくも私の前に現れたわね。早速だけど死んでもらうわ」
ジルベルト撃破後。
城の玉座の間を目指す正義勇者しのぶ軍団の前に、偽勇者マイケルの恋人でしのぶの元婚約者である悪女レジーナが現れた。
レジーナは実際の年齢は28歳だったが、彼女は十代の頃からしのぶのオシッコを飲んでいたので外見は17歳の時のままだった。
「レジーナ。こんな形で君に会いたくなかった…」
「いつまでも温い思い出に浸っていなさいな、しのぶ。私は勇者マイケルの妻になって全てを手に入れるの。私の前からオシッコだけを置いて消えてしまいなさいな」
レジーナは鞭で地面を叩いた。
鞭が当たった場所はぶっ壊れてボロボロになっている。
しのぶはすぐにアッシュ(巨乳童顔美少女)とジルベルト(黒ギャル)を避難させると大剣を構える。
「レジーナ、思い出せ。愛に満ちていた俺との日々を。君はそんな女性じゃないはずだ。本当の君はみたらし団子に醤油をかけて食べるような優しい人間のはず!」
しのぶは大剣を振り上げてつむじ風を起こした。
レジーナは鞭に炎を纏わせて、凄まじい勢いで迫るつむじ風を打ち払う。
両者の実力は拮抗しているかのように見えた。
しかし、しのぶの片手には紅茶花伝の入ったペットボトルが握られている。
しのぶは口元に会心の笑みを浮かべながら、紅茶花伝を一気飲みして膀胱にオシッコをチャージした。
「レジーナ。こうなっては俺もお前も後には引けない。悪いが勝負を決めさせてもらうぞ。俺の攻撃の為のオシッコ、ハイパーミストイリュージョンアタックでなあ‼」
しのぶはチャックを下ろした。
レジーナはしのぶの立派過ぎる(※書いていて虚しくなる)逸物という言葉に相応しいそれを見ようと最新式の携帯電話で撮影しようとするが、おっと残念‼これは全年齢指定版なのでモザイクがかかっている。
人生に絶望したレジーナは白旗を上げた。
「ごめんなさい、しのぶ。私が悪かったわ。もうマイケルなんてどうでもいいから、これからは私の上下の穴を好きに使ってちょうだい。この通りよ!」
レジーナは全裸になってしのぶに土下座をする。
(これがあの気高いレジーナの姿か。マイケルめ、一体レジーナにどんなコースの調教を施したというんだ。何か別の意味で興奮してきた)
しのぶはレジーナの頭を優しく肉大砲で撫でてやった。
発情したレジーナは肉大砲にむしゃぶりつこうとしたが動物園の飼育員さんに取り押さえられてそのまま動物園まで連行された。
しのぶは空になった紅茶花伝のペットボトルの中に黄金水を注いでレジーナに渡した。
「レジーナ。これを俺だと思って…。遠い未来もしも君が檻の中から出てくることがあったら、その時は他人のままでいよう。君ならきっといい相手がみつかるはずだ」
レジーナはペットボトルの蓋を開けて中身を飲んでしまった。
げふっ。
ゲップをすることも忘れない。
どこまでも高潔な淑女だった。
「しのぶ。気をつけて。マイケルは貴方の知っている彼よりもずっと強くなっている。この前も「なごやか亭」で「ワサビ抜きで」という事を忘れてイカ握りを注文していたわ…。どうでもいいけどあの店、ご飯の部分がとっても大きいのよね」
しのぶはレジーナの右のオッパイを一回揉むと飼育員さんに引き渡した。
しのぶ軍は魔女レジーナを撃破した後、玉座の間を目指した。
玉座の間で彼らを待つのはしのぶを勇者パーティーから追放した勇者マイケル、そして国王マッスルパワー・アームストロング三世である。
二人はしのぶに対して憎悪を抱いており、何かにつけてはしのぶを危険人物視していた。
「しのぶ様。どうしてマイケルの糞と、国王はしのぶ様を憎んでいるんでしょうね?」
美少女化したアッシュがしのぶに尋ねる。
しのぶは首を横に振るばかりだった。
国王とマイケルは多分、包茎手術の情報を拡散したのはしのぶだと思っているようだがそれは違う。
しのぶは二人からパージされた包皮にネクロマンシーをかけて持ち主を特定しただけだった。
「俺にもよくわからん。ただ俺はマイケルにどうしてパーティーを追い出すような真似をしたのか、それを問い正したいだけなんだ。危害を加えるつもりもないさ」
黒ギャルとなったジルベルトがヒョッコリと顔を出して、アッシュとしのぶの間に入ってきた。
早くも恋のさや当てが始まっているのだ。
「じゃあマイケルに出会ったらどうするジャン、ダーリン?」
しのぶは困ったような顔をしながらジルベルトに答えた。
ジルベルト自身のギャルに関する知識が古すぎて、マスク姿にカミソリを持っているというスケ番のような恰好だったのだ。
アッシュはツーサイドアップでピンク色の髪の毛をしていた。
そのうち一本だけブルーアッシュにしているあたり時代のニーズというものを意識しているのだろう。
「殴る。そしてチンコを引っこ抜いて食わせる…」
やがて、しのぶは天井に玉座の間と書かれた大きな扉に辿り着いた。
(この中にはマイケルと国王が…)
しのぶは扉に手をかけて一気に開いた。
ドォォ--ンっ‼
部屋の中は衛兵と大臣とマイケルと国王の血によって、赤一色に染まっていた。
そして部屋の中央に立つ人影が五つ。その正体は魔軍の頂点に立つ魔王と最高幹部の四人衆だった。
「マイケル!国王!大丈夫か!」
ダダダッ‼
玉座の近くで倒れているマイケルと国王。二人は武器を持っていたが全身にひどいダメージを受けていた。
しのぶは国王とマイケルの顔面に一発ずつパンチを入れると、ズボンを下ろそうとした。
その時、魔王ハーゲンがしのぶを呼び止める。
「遅かったな、しのぶよ。我は貴様が来るまで貴様の親友たちを殺さないでおいてやったのだ。この理由、わかるかな?まず我と四人衆がお前を叩きのめし、動けなくなったところで親友を殺すというこの世でもっとも残酷な処刑方法を思いついたのだ。さあ、しのぶよ。かかってくるのだ!」
魔王はマントを翻し、しのぶに向かって手招きをしている。
四人衆は真っ黒でよくわからない姿だったが笑っていることだけは理解できた。
しのぶがやって来たことに気がついたマイケルと国王はシノブに縋りついた。
「しのぶ。痛いよー」
「しのぶー。助けてー」
「しゃーねーなー」
しのぶはうつ伏せになっている二人に直接オシッコをかけた。
黄金水を浴びた二人はすぐに活力を取り戻し、戦線に復帰した。
マイケルはとにかくよく切れる聖剣スーパーマイケルの切っ先を魔王に向ける。
国王はボロボロになったマントを脱ぎ捨て、バンプアップして三倍くらいの大きさになっていた。
そしてしのぶは内心、魔王退治が終わった後にこの二人を始末することを考えていた。
「見せてやるぜ。魔王ハーゲン。俺としのぶと国王の三人が揃えば、怖い物なんかねえってことを‼」
マイケルは聖剣スーパーマイケルの真の力を覚醒させていた。
その力とは、出来立てのたこ焼きをふーふーせずに食べるという恐ろしいものだった。
マイケルは湯気立つタコ焼きを次々と口の中に入れる。
四人衆は、勇者マイケルのこの世のものとは思えぬ恐ろしい姿を見て戦意を喪失している。
やがてマイケルは熱々のタコ焼きを16個完食すると「おかわり!」と注文を出した。
四人衆はマイケルの益荒男ぶりに圧倒されて気を失ってしまった…。
「予は…、王家に伝わる秘技をお見せしようか‼」
国王は全身の筋肉を膨張させて巨大化した。
結果、戸愚呂兄弟の弟の最終形態みたいなってしまったが魔王ハーゲンがその姿に動じることは無い。
魔王ハーゲンは何も無いところからアセロラドリンクと書かれた紙パックを取り出して一気飲みをした。
そしてズボンのチャックを下げてからペットボトルにオシッコを入れる。
貧相な折れ曲がるストローから出て来たオシッコの色は血のような…赤だった。
「魔王ハーゲンよ、泌尿器科に行かなくても大丈夫か?」
「馬鹿め。これはアセロラドリンクの色が我のオシッコに出ているだけで血尿を出しているわけではない。そしてしのぶよ、我の事を心配してくれてありがとう」
ハーゲンはペットボトルに溜まった血尿を気絶している四人衆にぶっかけた。
四人衆は身体の色が赤くなった状態で次々と復活している。
「しのぶよ、まさかお前は我の対となる存在だったとはな。我は世界の終末に現れるという伝説の真紅のオシッコを出す者であり、貴様は荒廃した世界を救う為に現れる黄金のオシッコを出す者だったのだ。悲しきかな、伝説によれば二人が出会ったその時には必ずどちらかが倒れる宿命らしい。聖水使いとしてどちらが世界の救世主として相応しいか、勝負だ‼」
魔王の赤き聖水を浴びて復活した四人衆は苦悶の表情を浮かべながらマイケルと国王に襲いかかった。
マイケルと国王は勇気と友情とマッスルパワーで一生懸命に努力して抵抗するが魔王のオシッコから発せられるアセロラドリンク臭が強烈で思うように動けない。
魔王は四人衆をさらにパワーアップさせる為、血尿を出してぶっかけた。
「ぐおおおッ‼思ったより大変だな、これ‼」
魔王は涙目になりながらチャックを上げていた。
血尿を浴びてさらにアセロラドリンク臭が強烈になった四人衆は悪魔的な怪力でマイケルたちを押さえ込んでいた。
「止せ、ハーゲン。オシッコをそんな風に争いの為に使うなんて許されない事だ。オシッコは所詮オシッコにすぎないぞ。世界をオシッコが救う事など絶対にない。目を覚ませ、ハーゲン‼」
「愚かな事を言うな。しのぶよ、結局この世はより強いオシッコを出した方が正しいのだ。我の野望を止めたければお前もすごいオシッコをしてみるがいい」
ハーゲンは最後の勝負をする為にズボンを下ろした。
しのぶも紅茶花伝を一気飲みしてズボンを下ろした。
そして神に選ばれし時代の希望たちは真紅と黄金のアーチを描く。
ハーゲンの真紅の聖水はしのぶの黄金の聖水の清き鮮烈なる流れの前に屈し、今世界の命運を賭けた戦いは平和と希望を愛する者の手に委ねられた。
全力の勝負を終えた二人には遺恨は無く、ハーゲンは頭を垂れてしのぶに伏するのみ。
しのぶはハーゲンの手を取って魔界と地上に永遠の繁栄だけを約束した。
「しのぶよ、最後に聞いてもいいか?お前はどうして自分の出した黄金の聖水を飲まないのだ?」
そうしのぶは作中で一度もオシッコを飲んでいない。
どうして?
どう考えても身体に良いのに。
今作最大の謎が今、明かされる…。
「いやいや。普通オシッコなんて飲まねえよ。みんな普通に飲んでいるけどお腹壊したって知らねえからな」
そうですよね。