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Prologue
初投稿でござい
少年は夢を見る。
彼は父親に憧れを抱いていた。魔術を操り烈火のように戦場を駆けるその偉大な姿に。最高の魔術師と謳われたその力に。そして、優しく、厳しい、その生き様に。
青年は夢を捨てた。
かつての栄光は消え去り、老い、卑しく、下衆と成り果てた父親の姿を目にして。
青年は決意した。
父親を踏み越え自らが最高、最強に至らんとして。
かくして、その魔術師は生まれた。不老となり、世界の移ろいを見る永き命を持つ魔術師が。
まぁ、長生きだからと言って、みんながみんな老人のように達観しているとは限らないが。