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彼女の余命は後100日  作者: 凛句リンク
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残り86日

 

 今日もいつもどおりの昼休みが始まった。

 誰もいない屋上に向かい、ただ静かに食事と言う名の生命活動をするだけの時間――そのはずだった。


「あら、遅いじゃない」


「とうとう先に待ち構えるようになったか……」


 今となっては静かな昼食時間なんてものは遠い過去の話みたいだ。初めはウザったいだけで迷惑でしかなかったが、人間の「慣れる」という能力は恐ろしい。今は特に弊害なくこの時間を柏木花蓮と過ごしている。


「そういえば、例のイケメン君は来ないの」


「健人が俺みたいな奴と昼飯を食うはずがないだろう。三ヶ月先まで予約が埋まってるさ」


「ふーん。人気者も大変ね」


 何気ない会話を交わしながらお互いに弁当箱の中身を減らしていく。そこでふと、昨日の揉め事を思い出した。


「お前、財布、盗んだのか」


「あー、やっぱ昨日の見てたのね。そんなことするわけないし、誤解も解けたわ」


「……そうか」


 本人がそういうならば、俺も特にこれ以上は追求しないことにしよう。



「先に帰ってて。私、ここでまだ休憩したいから」



残り86日

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