第83話 行軍1
あけましておめでとうございます(激遅)。本年もカトユーとミリ高をよろしくお願いします。
年が明けてウダウダしているうちに、ウクライナではレオパルト2、チャレンジャー2、エイブラムス、T-80、ルクレール(検討中)等の共闘が確定するという異常事態に。形はどうであれ、このような古典的要素を多分に含んだ戦争が1年も続くことに驚いてます(双方の弾薬備蓄量は無限なのか……)。
今回から舞台が変化していくので、1つ新章の始まりといった感じです。
行軍編は今回と次回で終わらせます。
前進の号令を受けて、部隊は王国連合軍が居るエリアに向かって動き始めた。
兵たちはトラックに分乗して移動した。使用した機材はジミーと言われたアメリカのGMC CCKWである。
今回は砲兵中隊が3両のトラックに乗って移動した。中隊が3つで大隊になり、大隊が3つで1個砲兵連隊になる。今回は4個砲兵連隊いる。つまり、部隊は100両以上のトラックを使っている。車間距離等を考慮すると、車列は1,000m以上と長くなる。
とはいえ、道中は敵に遭遇しないだろうということで装甲兵員輸送車の採用はしなかった。一応、乗車した兵士には小銃を持たせ、いくらかの車両にはM2ブローニング重機関銃を取り付けておいた。
また、タンクデサント(戦車跨乗)での進軍も頭を過ぎったが、数百kmの移動を戦車に跨って行うのはあまりにも危険すぎた。落ちて兵士が死傷したら目も当てられないことになる。
車列は前部に1個大隊、中部に司令部、後部に3個大隊という並びになった。
2時間ほど経って、車列は動き始めたが、現代人が思うようにスイスイ進むものではない。舗装されていない道では速度を出せない。各国軍のマニュアルでも進軍速度は10km/h〜と、かなりゆっくりとしたスピードである。
それに加えて休息もこまめに取らなければならない。理想では、1時間から2時間に1回10分ほどの休息が必要とされた。運転手の疲労を抑える目的に加え、使用機材の点検や休息が必要だからである。もちろん乗車している兵たちの疲れを防ぐという目的もある。
このような進軍だと1日で100km移動できれば上等である。
日が暮れる前には宿営地を準備し、就寝に備える。確かに今回の移動は急ぎではあるが、休息を省略して部隊の本来の力を発揮できないようでは意味がない。きちんと8時間の睡眠を確保し、8時間の移動を基礎として行動するべきである。
宿営地での休息は、温かい食事もあって英気を養うには最良であった。特に結束の弱い部隊では、このような配慮がないと脱走兵の恐れが高まる。細かな配慮が軍事行動では重要なのだ。
夜が明けると再び車列は動き出す。数百km離れたベルムス帝国軍を救うために。
マニュアルみたいな内容だな、と……
前書きにもある通り、次回で行軍編は終了です。




