第81話 転機
おはこんばんちは〜、失踪したかと思われるくらい投稿頻度が悲惨なカトユーです。
なんと半年以上の間があいた……
申し訳ないです。
今回と次回くらいでいったん話に区切りができる感じです。
翌日も緩慢な砲撃が続けられた。そもそも帝国側の兵力では砲撃以外に攻撃する手段もなく、下手に突撃したら部隊が全滅する恐れがあるくらいだ。故に自分は砲撃を繰り返して敵と対峙し続けることを選んだ。
しかし、前日までと違ったのは敵に動きがあったことである。
砲撃を終え小休止となった昼頃、城門が開いて中から騎兵が数騎出てきたのだ。
騎兵はしばらくの間、周囲を警戒するとこちらへ向かって前進してきた。敵も何らかの攻撃が我が方から行われていることに気づいていたのだろう。
こちらは戦闘準備を下命し、総員が着剣している臨戦態勢だ。
騎兵はズンズンと進み、彼我の距離は1,000mを切った。
パンパンッ!
突如として射撃音がし、騎兵は落馬し馬は暴れだした。残った騎兵は慌てて城の方へと引き返していった。
こちらの兵が射撃したのである。
慌てて「どこ(の部隊)がやった?」と部下に聞くと「ヴォルフです」と返ってきた。
「ああ、ヴォルフか……」
ヴォルフというのは、部隊でも有名な奴だった。命令は聞くが、それ以外のこともやるタイプで、たいてい面倒ごとを増やす存在だった。
今回も撃つ必要はなく、敵が降参しに来た可能性もあったはずなんだが……
「まあ、いい。ヴォルフを呼んでこい」
しばらくすると何があったか分かってないようなフリをしたヴォルフがやってきた。
「さっきは撃つ必要がなかったのだが。貴様の独断か?」
「ああ。部下に命じて撃たせたよ」
「チッ」
悪びれる様子もなく答えられるヴォルフの精神力だけは称賛出来る。まあ、相手にするとめちゃくちゃダルいのだが。
「今のは撃つ必要がなかった。次からは撃てと言われるまで撃つな。分かったか?」
「へいへい」
意味のない説教をしてヴォルフは返した。これ以上のことをするなら軍法会議もありうる。最低でも不名誉除隊だ。
この件のあと、再び城門が開くことはなかった。
攻撃を止めるわけにもいかず、ダラダラと砲撃を続けること数日、今度は外側から騎兵がやってきた。
僅か1騎。馬はまだしも、人の方はボロボロの姿であった。
今度こそ射撃はしないよう厳命した。違反者は問答無用の銃殺刑である。
こういうとき、ささっと騎兵に近寄って話ができたら楽なのだが、元帥という立場故ほいほいと前に出ることは慎まなければならなかった。
部下を寄越すと、騎兵は旗を広げてきた。
大きな旗は確かにベルムス帝国のものであった。
「よう参った」
陣中に倒れるように入ってきた通信兵に、自分は水を与えた。
通信兵は水を一気に飲み干すと、紙を渡してきた。
「我がベルムス帝国は敗北しました。急ぎ救援を求めに来た次第」
紙にも似たようなことが書いてある。ただし、劣勢だと書いてあるだけで、負けたとは書かれていない。大国のプライドだろうか。
「書類は確かに受け取った。我がシュバルツェルナー帝国軍は転進し、ベルムス帝国軍と共に王国連合軍を攻撃する。撤収作業にかかれ」
部下に指示を出すと、改めて通信兵に向き直った。
「ええと、通信兵よ。連絡は帝都に向かう手筈では?」
「私はユレックと言います。実は帝都に向かったのですが、そちらでは連絡出来ないということで前線までやってきました」
「なるほど。帝都で連絡出来なかったのはこちらの不手際である。申し訳ない」
「いえいえ」
「ユレックはこのあとどうする?我が軍と共に行くか?」
「いえ、私は馬で先に参ります。今は一人でも多くの兵が必要な緊急時ですので」
「わかった。あとで幾らか食料と金目のものを渡そう」
「ありがたい。食料等は片道分しか用意出来なかったんだ」
「そうか。飯は十二分に用意しておけ。貴官の伝令に感謝する。我が帝国は必ずベルムス帝国と共に敵を撃破するだろう」
「心強い言葉ありがとうございます。では、私はこれで」
そう言ってユレックは去っていった。
その後、部下に食料と鉄を渡すよう言って、自分は作戦会議を行うことにした。
書き方がわからない()
次回は明日の9/8(木)に出せると思います。
感想・意見は #ミリ高 にて。
PS
投稿していない時でも100PV/日になったりしてびっくりしています。見られていると思うと書くモチベーションにもなりますね!
ではまた次回にて!んだば!
 




