第79話 対ライノゼ王国戦X (サーベス攻撃2日目)
どうも時間はあるけど何もしていないカトユーです。月一ペースなので毎回ちょっとした短編を書いてる気分になる……(投稿頻度上げてもろて)
短いですが、次回、次々回のためです。
6時半に起きた兵士達は身支度を整え、朝食をとり、9時前には射撃準備を整えた。
天候は快晴で視界良好。目標のサーベスははっきりと視認することができた。
手順は前日と同じであった。まず、航空機による攻撃。その後、地上の火砲による攻撃が行われる。
9時を過ぎると航空機が離陸し、攻撃に向かった。
前日の攻撃があったものの一夜で対策ができる訳もなく、航空機の攻撃に対して敵は無防備なままであった。航空機は対地訓練を行うかのように、淡々と攻撃を繰り返した。
航空機が退避すると砲兵の出番である。
指揮官の「撃て」の命令で一斉に射撃を開始する。毎分2,3発、部隊全体で毎分400発ほどの榴弾が放たれる。一発一発が40〜50kgもする榴弾だ。目標の街はめちゃくちゃになるだろう。
砲撃は17時過ぎまで続いた。部隊全体が1日で消費した弾薬は90,000発を超えた。
この猛烈な砲撃で城壁は複数箇所が崩れ、櫓も崩壊していた。城壁内からは煙が立ち上り、相当な被害が出ていることが簡単に想像出来た。
日没後、3日目の行動を話し合うことになった。2日間の砲撃でサーベスは壊滅的な被害を被った。この状況を見て、ここで城内に兵士を侵入させるか、それともさらなる砲爆撃かが議論となった。
主流となったのは砲爆撃を継続すべしという意見であった。砲兵としては優秀だが白兵戦、とくに市街地戦対策をロクにしていない砲兵を街中に突っ込ませるべきではないというのが理由だ。事実、砲兵は小銃等の射撃訓練はしたもののそれ以上のスキルは身に付けていない。近接戦闘となればこちらの損害もそれなりのものにだろう。
これに対して少数派となったのが、城内に侵入し国家中枢を破壊すべしという意見であった。彼らはこの戦いを早期集結し、次なる戦いに備えるべきだと主張した。確かに帝国にはベルムズ帝国掩護という第二戦線みたいなものがある。音沙汰がないものの、今はベルムス帝国単体で王国同盟を相手にしている状況だ。それ加えて帝国はベルムス帝国を援護すると約束している。別に反故にしても構わないが、ベルムス帝国を見捨てると今度は帝国単体で王国同盟を相手にすることになる。これは避けたい事態であった。
ハルノリが終始曖昧な態度だったため、議論は中々進まなかった。
結局、多数決で決めることになり、主流派の意見が賛成多数で選ばれた。やはり交戦に戦力の消耗、それによる士気の低下は避けたかったのである。
1つの議題に1時間も使った議論は終わり、将校も眠りについた。
その頃サーベスから遠く離れた地では激戦が繰り広げられていたことを、帝国の遠征軍は誰一人知らなかった。
砲兵偏重にしたのは誰?