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ミリオタ高校生が異世界へやって来た!  作者: カトユー
邀撃戦
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第60話 鉄道開通

弁明の余地無し。

 鉄道建設はなんの問題もなく、そして予想外のスピードで終了した。

 たった、320kmもの長大な路線を僅か1年ちょっとで完成させたのだ!しかも、たったの1000人で!

 ちなみに悪名高い泰緬鉄道(欧米では「死の鉄道(Death Railway)」と呼ばれていたり……)は、全長415kmを開通させるのに、1年と3ヶ月かかった。この突貫工事は、数十万人の尊い犠牲(主に捕虜や強制収容所の人々)によって達成されていた。

 勿論、自分達は食料も潤沢にあり労働意欲も高く、高度に機械化された部隊が建設に携わった。多分、脱線したり崩落したりはしないだろう。他にも、平坦な土地が多くて建設しやすかったというのも、早く建設出来た一因である。


 自分は今、アルノーツへ向かう列車の中にいた。貨車を引っ張るのは、デゴイチの名で親しまれたD51だ。シュッシュッシュッシュッと力強い音を大地に響かせ、機関車は一路アルノーツへとひた走った。

 途中で休憩などを挟んだものの、朝に出発した列車はその日の内にアルノーツ駅に到着した。盛大な出迎えは無かったが、機関車の物珍しさに惹かれて多くの村人が駅に殺到していた。日本で初めて鉄道が開通した時と同じように、人々の注目を集めたのだろう。

 ちなみに、アルノーツ駅が現時点の終点で、将来を見越して3面6線の大型駅かつ、機関車の交換台や車庫なども併設したかなりの重要拠点である。勿論、戦略的重要性もかなりある場所だ。また、駅の近くには戦車等の貨物を降ろせる貨物ターミナルも設置した。有事の際は、帝都からここに物資を運んで、前線へ輸送することになる。


 駅舎はアルノーツ村の中心地から離れた所に建っていたが、村人の多くが詰めかけていた。列車から降りた自分は、駅舎の出入り口に立ち、演説を行った。人も多く、列車という極めて先進的な鉄の馬車から降りてきた自分は多くの人々の目を惹きつけた。宣伝効果はかなり高いだろう。

 

「諸君、我々は今、歴史に残る工事の完成を見た!

 我々は変わらなければならない。そして、私こそがそれを導くのだ。

 この鉄道の完成は、まだ発展の序章に過ぎない。我々はもっと強くなる。私もそして諸君らも。もう誰にも、自由を奪われない為に!……」


 長々と語る自分は、さながらロシア皇帝、アレクサンドル2世の農奴解放令の絵のようであった。というか、それを意識した……


 演説が終われば、聴衆から拍手が沸き起こった。中には涙ぐむ人もいた。……いや、大げさすぎない?

 とまあ、こんな感じで鉄道建設は一旦終了した。



 ともかく、これで内政で大きなことは片付いた。鉄道は、日に1往復くらい走らせることにした。ぶっちゃけると、有り余る資源がそろそろ備蓄できる量を上回りそうなのだ。なんだかんだ、食料を召喚している内にスキルのレベルが上がっていたらしい。今では、5000人分の食料(1日分)を一回で出せるようになってしまった。流石に、食料は腐るので沢山召喚して、備蓄したりとかはしていないが……


 手持ち無沙汰になったのは、自分だけじゃなく、兵士・市民も同様だった。公共事業みたいな鉄道建設も終わり、兵士達は猛訓練を始めた。結局、無職のエルフが誕生してしまったので、一部はアルノーツ村で農作業に従事してもらうことになった。残りは全て徴兵された。

 結果的に、歩兵1個中隊が追加され、再び作戦能力を得ることになった。

 航空部隊も定数が増えたり、整備員の増加に伴い、戦力が増強された。


 これにより、再び帝国軍は王国軍との戦闘を視野に入れるようになった……

 次は…年内に出るかなぁ…?

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