化け物と話してみる
ども、Twitterで相変わらず詐欺予告を繰り返しているカトユーです。ホントに申し訳ない(n回目)
お詫びと言ってはなんですが、少し長めです。多分。
翌朝、久しぶりにぐっすりと眠れた俺に伝えられたのは、あの人外騎士がもう目を覚ましたという衝撃的なものだった。嘘だろ?あんなの、1週間ぐらい意識不明で、生死の境を彷徨って云々ってなるんじゃないの!?
慌てて、というか確認の為に人外騎士の元に行くと、ベットで横たわってぼーっとしていた。マジで目ぇ覚ましてるんですけど……
自分が来たことに気づいたのか、人外騎士はこっちを向き、嬉しそうに話しかけてくる。
「ハルノリ!お前って、スゴイなっ!ボロボロの身体を一晩で治しちまうなんて、聖女様ぐらいしか出来ねぇと思うぞ!」
いや、聖女様は出来るんかーい。
若干ファンタジー(聖女様)な話に驚きつつ、興奮した様子の彼を宥める…なんだ、コイツ!?力強すぎだろ!?
……ふぅ。ようやく黙らせた。ちなみに、5人がかりで奴をベッドに縛り付けた。勿論、戦車牽引用ワイヤーでね。
「で、お前の名前は?」
そこからは、尋問タイム。なんでこんな、秘密兵器染みた人間が今更やって来るんだ??
「ゲルハルト。ゲルハルト・グスタフだ」
ゲルハルトね。グスタフって名前がめっちゃ引っかかるんですけど!あと、ドイツ風の名前の人多くない?
『多くないですよ(汗)』
神様(作者)は黙ってろ!あと、心の声が溢れてんぞ。
「ゲルハルトはなんでここに来たんだ?」
「それは、公爵様に命令されたからに決まってるだろ。それと、呼ぶときはゲパルトで構わない。皆そう呼んでる」
うわ出た(気が狂った)公爵さん。ホント、どうしちゃったんですかねぇ…?
あと、ゲパルト(チーター)ねぇ……。それどこの対空戦車?(笑)
『チッ』
うわぁ……
「ゲパルトは、騎士なんだよな?結構偉い立場なのか?」
「ああ、俺は代々公爵家に仕えてきた騎士の家の人間だ。現当主が成人した時からずっと傍にいた。それと今は、アーノルド家騎士団の団長を務めている」
ナルホド。代々仕えてきたってことなら、それなりに優秀な家柄な訳だし、あの化け物染みた力にも頷ける。
「騎士団っていうのはどんな感じだ?」
これは完全に趣味だ。だって、中世ヨーロッパ風の騎士って気になるよね?ま、イメージは止まるんじゃねぇぞ、で有名な団長しかないけど。
「普段は領地の見回りがメインだな。特に領地の北側はシュバルツェルナーの森から度々、大型の魔物が出てきて討伐に行ってた。何もない休み?俺達も、平民と同じように畑を耕したり、馬の手入れをしてたね。戦争?全く起きなかったから騎士って言ってもそんな良い仕事じゃないぜ。そもそも手柄をあげる機会がないし」
……。思ってた騎士と全然違う。そりゃ、地球でも騎士道とかは後世の創作だとか言われてるけどさ、異世界だしもっと戦いにあけくれてるのかと思えば、まさかの魔物退治。冒険者かよ。
「アーノルド騎士団はライノゼ王国軍には参加しなかったのか?」
「してないね。ここ数年は、シュバルツェルナーの森から出てくる魔物が多かったせいで、俺達は魔物討伐に駆り出されてたな」
ふ〜ん。マジで、冒険者さんどこぉ?
「冒険者とか居ないのか??」
「冒険者?なんだそれ?」
チーン……。剣と魔法の世界なのに冒険者居ないとか、何この矛盾。
「魔物は全部騎士が狩ってるのか?」
「基本的にはな。俺達以外は、狩猟者が森に入って狩りを行ってるくらいだな」
狩猟者ってのが、所謂冒険者的な存在かな〜。あ、でも、地球のハンターとあんまり変わらないかも……。
「俺からも質問してもいいか?」
珍しくゲパルトから話しかけてきた。「勿論」と答えると、彼は不思議そうに疑問を口にした。
「ハルノリ、お前は何者だ?」
「自分?
そりゃ、シュバルツェルナー帝国の皇帝さ」
もったいぶって言うと、ゲパルトはポカンとした間抜けな表情になった。
……あれ?
「皇帝だと……」
「そ。一国の主だよ」
自分は努めて何でもないように答えた。すると、突然頭を垂れて、
「今までの御無礼、申し訳ございませんでした!」
と、めっちゃ大きな声で謝ってきた。
予想外過ぎる展開を前に、内心オロオロとしていると、ゲパルトは「俺、やっぱり殺されるのかな」と絶望仕切った声音でぶつくさと呟いていた。
ああ、この世界なら、君主にぞんざいな話し方をしただけで、不敬罪とか言われて処刑されるかもしれないんだな。言って、現代日本でも目上には敬語、とかマナー(?)があるけどさ。
「そこまで謝らなくても。自分は堅苦しいのが苦手だ。今までと同じように話してくれ」
そう言うと、ゲパルトは暫し葛藤した後に、「わかった」と頷いてくれた。
ゲパルトはテーブルに置いてあった水を一口飲んでから、そういえば〜と話し始めた。
「皇帝陛下?このあと、俺はどうなっちまうんだ?命を救ってもらった所申し訳ねぇが、俺に出来ることなんて全くないぞ」
ああ、今後のことか。こんな奴(化物)を捕まえるなんて想定してなかったから、何も考えてなかった……。
あ、良いこと思いついた!
「それなら考えがある。ゲパルト、俺の仲間にならないか?」
突然の話に驚いたのか、ゲパルトは飲もうとしていた水を、ブハッ!と吐いてきた。
汚ぇ……
「俺を仲間にする!?命まで助けてもらって、そんな、畏れ多い!」
テンパり過ぎだろ。あと、声がデカい。
「仲間って言ったって大層なものじゃないぞ。あと、もし仲間になるなら、一つ頼み事がある」
自分が言った「頼み事」が引っかかったのか、ゲパルトは首を傾げた。何いい歳したおっさんが可愛らしい動きしてんだ、気持ち悪いぞ。(ド直球)
「頼み事だぁ??」
「ああ、自分の仲間になる前に妻子とか身内を帝国に連れてきてくれ」
自分の言葉が信じられなかったのか、ゲパルトは手をワタワタと振って混乱していた。だから、おっさんがそれやっても気持ち悪いだけだっつーの……
暫くして、何か閃いたのか見当違いの発言が飛んできた。
「もしかして、一族郎党を皆殺しにする気か!?」
いや何時の時代の話だよ!あっ、ここは中世か……
「違う違う。そんなことしないって。普通に、人を帝国に住まわせたいだけだって」
「何故だ?」
何その疑うような目線は……
「帝国は出来て間もない国だから、まだ人口が少ないんだ。人口を増やすには、どっかから連れてくるしか簡単な方法が無いんだ。それに、人族を増やしたいからね」
そう説明すると、ようやくゲパルトは納得してくれた。
適当に取り繕ってみたけど、この話は割と真剣に考えてる。現に帝都では、人口増加を見据えて、ソ連のような高層アパートを沢山建ててある。悲しいことに、今はゴーストタウンにしか見えないが。
トドメと言わんばかりに補足してやる。
「連れてきた人は全員、自分が責任を持って見てやる(兵士にする)」
若干本心が出かけたがなんとか誤魔化す。ええ、国民皆兵が帝国のモットーですから(ゲス顔)
暫くう〜んと唸った後、ゲパルトはこの話を受け入れてくれた。
「ちなみに、何人くらい連れて来ようと思うんだ?」
「多くて100人くらいだな」
「……多くない?」
100人!?どうしたら、このおっさんにこんなに多くの人がついてくるんだ!
「俺は子供が13人居てね。長男以外の子供とその家族は連れてこようと思う。あとは、メイドとか知り合いだな」
なんだこのおっさん!?やるべきことはやってるじゃねぇか……。たぶん、妻が複数人居るんだろうね。あと、メイドだってさ。異世界感がようやく出てきたね()
「妻は何人居るんだ?」
「俺は3人だな。皆平等に愛してやってるぜ」
お、おう……。非リアの自分にはキツい話だな。リア充、爆発しろ。
なんか、目から汗が出てきたが気にする必要はないだろう。コレはたぶん、目の疲れだよ。うん。きっとそう。決して、独り身の自分が悲しくなったわけじゃないよ。
「と、とにかく!ゲパルトは妻以外の妻子を連れてくること!いいね?」
「いきなりどうした!?言葉がおかしくなってるぞ!」
ふうっふうっ。帝国来てまでいちゃコラすんなや。いっそ、勅令でリア充禁止令出したろか?
「そう言えば、ジョセフの奴、今度子どもが産まれるって言ってたな。孫だぜ、孫!俺も、いよいよお祖父ちゃんの仲間入りだぜ。ガハハッ!」
プツン。
自分の中で何か切れたような音がした。
許さねぇ……、このゲパルト。俺様をほっといて何が、お祖父ちゃんの仲間入りだ。昨日の内に殺しておけばよかった。
「よう、お祖父さん。ちょっと良いかな!」
そう言って、自分は浮かれているジジイの顔面を殴った。
ふぅ……、スッキリし「俺の妄想を邪魔すんじゃねぇ!」グベラッ!
いってー、このジジイ本気で殴っただろ!
若干、フラつきつつジジイにまた一発、ガツンと食らわせてやる。
その後はもう、泥仕合。ひたすら罵り合いながら、殴り合った。
最終的には自分の拳がジジイの目に当たり、ジジイの拳が鳩尾を捉えて、両者共に倒れた。
「あーもう、クソジジイっ!とっとと、王国に帰りやがれ!」
「うっせー、ひょろっ子皇帝閣下!俺の嫁さんが家で待ってるんだ!帰るからな!」
お互い、負け犬の遠吠えの如くギャーギャー喚いて別れた。
ちくせう、ジジイが帰ってきた暁には、うんと酷い目に遭わせてやる。
一夫多妻(=ハーレム?)って良いですよね。
何故、一夫多妻制が廃れたのか…(血涙)
来週は、土日両日とも航空祭(小牧、岐阜)なのでお休みです!US-2と異機種大編隊がめっちゃ楽しみ!




