第39話 王国軍をたった一人で全滅させた男
どもカトユーです!テスト期間ということで小説執筆(現実逃避)が捗っています(笑)
歩兵兼工兵による砲撃の翌日。……字面だけ見たら意味不明だな。歩兵兼工兵兼砲兵とかウチの軍隊ブラックすぎるだろ。自分がその指揮官んだけどさ。元の話に戻すと砲撃の翌日、自分はまた森の中にいた。また森かよとか言わないでくれよ?ここ一帯は日本が丸々入るいやもっと広いだろう森林地帯なんだよ……
単身帝都から出てきた自分は、王国軍の進撃ルートの先にいた。彼らは明日、ここを通るらしい。
今回はここに大量の爆弾を仕掛けようと思う。第一次世界大戦の「メシネの大爆発」をイメージしてもらうと良い。それを今回はやってみようと思う。やることは簡単、彼ら(王国軍)が通る地点に大量の爆弾を仕掛けて点火するだけ。これなら自分一人で出来てしまう。昨日の砲撃でまたスキルの経験値が貯まったので、各種兵器の召喚出来る量が増えた。具体的には、1日に航空燃料31トンは余裕で召喚出来るくらいだ。これなら毎日、燃料を満載したB-17を2機飛ばせる。
とまあ、召喚出来る量が増えたので王国軍の出撃ルート脇に大量の爆弾を置いていく。八十番陸用爆弾(800kg爆弾)や4000ポンドMC爆弾(1814kg)、12000ポンドHC爆弾(5443kg)、M56 4000薄肉爆弾etc…大小様々な爆弾を召喚して置きまくった。
単位などで分かるかもしれないが、八十番は帝国海軍の対地用爆弾で、MC・HC爆弾は紅茶の国のもの、M56はリアルチート国家だ。ちなみに、MC(Medium Capacity:中間能力)爆弾は弾体の外殻を薄くして、炸薬量を増したものだ。HC爆弾はMC爆弾より更に重量/炸薬比を80%に高めたものだ。M56も似たようなものだ。通常爆弾では破片による効果(Secondary:2次的要因)が期待されるが、これらはより爆風による効果(Primary:主要因)を狙ったものである。
☆
爆弾というと、破片によるダメージに目が行きがちだが、実は爆風によるダメージも存外大きいものである。爆弾が近くで爆発した際、爆風による圧力の直後部分的な真空状態が発生するのだ。例えそれが一瞬の出来事だとしても人間はとてもではないが耐えられない。具体的に言うと急な圧力変化の場合、人は1400〜2800ヘクトパスカルでも死に至るのだ。死に至らなくても何らかの被害は必ずあるだろう。例えば、鼓膜が破れたり(コンマ3秒の変化であろうが、350ヘクトパスカルの変化であっても)、肺から出血したり、腸が裂けたり(腸は圧力の変化に敏感な器官なのだ)……
爆風がイマイチ想像出来ないという人もいるだろう(というか目に見えないし…)。先程、350ヘクトパスカルという単位が出たが、その圧力変化では実に256km/hもの暴風が吹くのだ。ぶっちゃけ、鼓膜が云々以前に身体が吹っ飛んで死んでしまうと思うのだが……
まあ、ここから分かる通り爆弾のそばにいたらまず助からない。例え、防護ベストやヘルメットを装備していたとしても、だ。むしろ、装備していたほうが危険であるという論文も存在する。それに加え、爆弾の爆発による被害はこれだけでない。爆炎を吸い込むことで気道熱傷となったり、爆風に吹き飛ばされて何処かにぶつけたり……色々とある。
何の役に立つかは分からないが、参考までに言うとTNT爆薬9kg相当の自殺爆弾の場合、30m以内にいたらほぼ確実に死亡する。また、絶対に安全と言える距離は510mである。近年多発するテロへの対策として知っておいた方がいいかもしれない。(例え知っておいたところで防ぎようがないとは言わないで……)
そして、M56にはTNT1525kgが入っている。もう何も言うまい。ちなみに、この爆弾が仮に街中に落とされた場合状況にもよるが、700m離れた家屋でも倒壊するレベルの爆風が生じる。こんな恐ろしい爆弾だが、太平洋戦争では日本にボトボト落とされた。ちなみにえっちらおっちら運んできたのは超空の要塞ことB-29。3発も搭載出来たらしい。
☆
こんな感じのヤバい兵器達をゴトゴトと無造作に置いていく。気づけば長さ500mに渡って大小数百個もの爆弾を置いていた。これを全部爆破したらどうなるんだろうと思いつつ帝都に帰った。
翌朝、今日の召喚分でまた爆弾を追加した。この辺り一帯に巨大なクレーターができそうだ。再び帝都に戻り、点火の準備をする。万が一のことも考えて、爆弾から2km以上離れた所にコンクリートのトーチカを造り、万全な体制で点火に臨む。
「帝都にも警報を出したしあとは爆破させるだけ……か」
空からの偵察によれば、王国軍はあと5分で爆弾の脇を通るらしい。
5分間、ソワソワとしながら待った。あと2分、あと1分……あと10秒……
「起爆!」
手元のスイッチを思いっきり押す。そこから数十秒……
目と鼻の先に巨大な土煙が昇るのが見えた。遅れること数秒、「ドンッ!!」と腹に響くような重い大きな音が辺りに響いた。「ドンッ、ドンッ……」無造作に置いた爆弾も次々に誘爆したようであちこちから煙が上がっていた。
「はぁ……、すごい光景だ……」
自分は目の前の光景に唖然とした。濛々と立ち込める煙はまるで原爆のキノコ雲をスケールダウンしたようなものだった。それがいくつもあるものだからこちらただ驚くばかりである。その下にどのような地獄があるのか知る由もないが、あの様子だと部隊壊滅は確実。もしかしたら全滅したのかもしれない。
爆発から数十分。自分は帝都へと足を向けた。帝都に帰った自分は、航空偵察による戦果を聞いた。結果は、「残存部隊は確認出来ず。全滅または散り散りに敗走した模様。爆心地には巨大なクレーターがいつも確認された」だそうだ。完勝である。
これで決戦は避けられた。王国軍の生存者が王都に着いて、また軍隊が来るまで2ヶ月以上かかるだろうし、他のことでもやりますか。
そういえば、アーノルド某とか言う悪徳領主がいたな。領土も拡大したいし攻め込みますか。
爆弾って調べてもあまり出て来ないのよね…Wikipediaはそもそもないし、個人のブログはイマイチ信頼性に乏しいし…
何より戦車・航空機・艦船・銃以外の日本語サイト少なくない??
何処かに航空爆弾の専門家とかいないのだろうか…
ツイッター(カトユーで検索!検索!)で出して欲しい兵器を受け付けてまーす
(今の所アハトアハトとか155㎜自走榴弾砲とか?)