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ミリオタ高校生が異世界へやって来た!  作者: カトユー
いざシュバルツェルナーの森へ!
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第30話 戦争前夜

 ども!カトユーです。モチベが上がり過ぎて筆が止まらない!そんな感じで楽しく書いた回です。それでは、どうぞ!

 九七式艦攻の配備・訓練があらかた終わったある日、自分はいくつかのエルフをDHNLF総司令部庁舎に集めた。メンバーは、ポムスキンやハインケ、あとエトセトラ。十人ほどが集まった一室にて新たな計画の開始が決定された。

 その計画とは······


 自分の前にはDHNLF幹部が揃っている。皆、軍服を着用し一年前とは格好・面構えが全くと言って良いほど変わっている。自分はそんな兵士達を前に新たな計画を発表する。


「定刻だな」

 

 そう言って会議は始まった。


「まず、九七式艦攻の訓練状況だが進捗はどうなっている?」


「概ね完了しています。今の連度なら戦闘に出ても十分戦果をあげられると思います」


 そう言ったのは九七式艦攻が配備されている第五〇一航空隊司令のレーネ大佐だ。ちなみに、部隊の呼称だが百の位が五なら艦攻・艦爆隊、一の位が奇数なら常設航空隊という意味だ。これは大日本帝国海軍航空隊の編成と同じだ。

 「分かった」とだけ言い、話を続ける。


「今回、集まったのは他でもない、ライノゼ王国侵攻計画の調整だ」


 そう言うと、会議室の誰かからゴクリと唾を飲む音が聞こえた。


「まず、ライノゼ王国を攻める理由だが、王国の土地が欲しいのだ。彼らの多くは平地か丘陵地帯に住んでいる。対して我々は密林のど真ん中だ。工兵になったことのあるものはよく分かると思うが、森林を開拓するのはとても大変で時間がかかる。それに比べて平地なら草を刈るだけで大体の作業は終わる。だから、我々はライノゼ王国の土地(平地)が必要なのだ」


 そう言うと、ポムスキン少尉から質問がくる。


「わざわざライノゼ王国に戦争を仕掛ける必要はあるのですか?」


 至極全うな質問だ。ちょっとした土地が欲しいだけなら、わざわざ戦わなくてもこっそり土地を使えば良いだけなのだ。


「確かにこの目的では戦う必要はないと思う。だが、この戦いにはもう一つ大きな意義がある。それは、亜人とヒト族の戦いを始まりを意味するのだ。今回は単に土地の確保を最優先するが、いずれはライノゼ王国に対して大規模な戦闘を計画している」


 そう言うと、会議室はざわついた。確かに突拍子が無いことかもしれない。ただ、ここでエルフがヒト族の支配に反抗する様子が大陸中に広がればいずれ、獣人やドワーフ等もこの動きについてくるかもしれないのだ。


「分かりました」


 そう言ってポムスキン少尉は納得してくれた。


「次に作戦計画を話そうと思う。まず、我々DHNLFを国家として樹立させる。それをライノゼ王国及び全世界に対し宣言したあと、ライノゼ王国北部地域の割譲を要求する。もし、ライノゼ王国がそれを認めれば事はそれで終わりだ。だが、現国王は領土拡大に熱心なので、それは絶対無いだろう。ちなみに、割譲要求には一ヶ月の猶予を与え、我々はその間に戦争準備を進める」


 そこまで説明するとハインケから手が上がった。ちなみにハインケは機甲部隊の指揮官にした。階級は少佐だ。発言を許可するとハインケは


「もし割譲を受け入れなかったらどうするのですか?」


と質問があった。答えは


「武力を持ってライノゼ王国の一部を併合する」


そう言うとまた会議室がざわついた。確かに初の本格的な戦闘だからな。期待や不安の気持ちが大きいだろう。


「具体的にはどのような行動を?」


レーネ大佐の質問だ。


「まず、宣戦布告の後、我々はアルノーツ村を制圧、占領する」


 ざわざわ······。そう言うと(ry 一々、やってられない。


「その後はアルノーツ村を維持しつつ、やって来るであろう、ライノゼ王国軍を迎撃する」


 一人だけ「迎撃」と言った瞬間に眉がピクッと反応した者がいた。おそらく、前回の戦いを知っているのであろう。


「迎撃って······。どうやってですか?」


 再びレーネ大佐からだ。


「今回は前回とは違い、航空機がある。これを使えば常に相手より優位な位置から攻撃することが出来る」


 言うならば小沢治三郎中将のアウトレンジ戦法といった感じか。敵の攻撃範囲の圧倒的外側から一方的に攻撃する。これなら自軍の損害はほぼゼロに出来るだろう。


「まず、航空機での爆撃だ。新装備の九七式艦攻で行軍中の敵軍に爆弾の雨を降らせてやるんだ。それだけで兵士はびっくりして戦意をだいぶ失うだろう。それに戦車もある。ちょっとやそっとの魔法ではやられはしない」


 こう述べると、メンバーもほっと息をついた。おそらく犠牲が少なくなることが理解出来たのだろう。現在の兵力では、一人たりとも失いたくない。どの兵科も最低限の人数しかいないので替えがきかないのだ。


「空からの爆弾は奴らにとって未知の攻撃だ。おそらく奴らはびびって進軍は止まるだろう。そうすれば、我々もアルノーツ村の統治・管理をある程度進められるだろう」


 要は進軍してくるライノゼ王国軍を足止めして時間を稼ぐ。その間に、占領したアルノーツ村の住民を徴兵し兵士にする。それで、兵士(歩兵)の数を増やせるのだ。戦いは数が多ければそれだけで優位なのだ。それも陸戦では。


「アルノーツ村の管理だが、ハインケ少佐に頼みたい。やってくれるか?」


「はい!了解しました」


 ハインケ少佐なら今まで、エルフを纏めてきた経験があるし、彼は機甲部隊の指揮官なので常に地上にいる。レーネ大佐やポムスキン少尉は航空科なので何かあっても、すぐに対応することは出来ないだろう。


「詳しい話はまた後日に回す。とりあえず今は各兵科の練度向上に努めてくれ。あと、五〇一空はアルノーツ村周辺の写真偵察をしてくれ。では、おのおの抜かりなく」


「「「了解!!」」」


 こうしてライノゼ王国との戦争に向けた準備を、我々は始めるのだった。

8000…。とうとう8000PVですよ!

今まで読んでくださった方、ありがとうございます!そして、これからもこのミリ高をよろしくお願いします。

次話は明日投稿~

(この作品にぜひ出して欲しいという兵器がある方は、感想にて受け付けています。WW1以降の陸海空軍のどんな兵器でも構いません)

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