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ミリオタ高校生が異世界へやって来た!  作者: カトユー
いざシュバルツェルナーの森へ!
30/87

第29話 この集落の名前は?~プラスアルファで新機体~

どもども!カトユーです!

今回は超々早めに書き上げました!

モチベが過去最高です!

そんな感じでノリノリで書いた、29話!

どうぞ!

 近況報告から半年、この集落にきて八ヶ月が過ぎた頃、亜人民族解放戦線(Demi-Human National Liberation Front)通称DHNLFは統率の取れた武装組織となった。四十人小隊二個を有する歩兵兼工兵中隊と、一個戦闘飛行隊と一個偵察飛行隊を有する航空部隊。それと一個戦車大隊を有する機甲部隊だ。小隊の人数が増えたのは、あのあともちょくちょく避難民がこの集落にたどり着いたからだ。

 そうそう、この集落の名前だがハルシコフスカヤになった······。え?可笑しいって?まあ、ロシア語から適当に作ったからね。直訳すればハル(ハルノリ)の集落だから······。なんか恥ずかしい。どうでもいいが、ハルはハルノリから、〇〇シコフは〇〇のという意味でスカヤは集落という意味。だから、この集落が発展すればいずれはスコエ(村)→スキー(町)→スク(市)→グラード(大都市・城塞都市)と成長する。ぶっちゃけ、集落と村、町の差はさほど無いと思ったが一応最初からにしてみた。でも発音しにくいね、ハルシコフスカヤ。あと、長いし。ちなみに、住人達も受け入れてくれた。というか彼らは全く気にしていなかったのだが。

 ともかく、DHNLFの本拠地はハルシコフスカヤということになった。(これでだいぶ妄想ワールドになったね······)

 ハルシコフスカヤ周辺の整地作業も大方終わり、六キロメートル四方の広大な平地が出来た。これなら、飛行場や居住地区の拡大に対応出来そうだ。


 最近の過ごし方だが、日中は専ら兵士達の訓練を見ている。月月火水木金金と言わんばかりに猛訓練の日々だ。過去に日本とは違い、スキルのお陰で燃料・弾薬は潤沢にあるので、実弾射撃の練習をたくさん出来る。土木作業ばかりだった工兵兼歩兵も、今では歩兵での活動がメインとなっている。射撃訓練、行軍訓練等々様々な訓練を行い連度の向上に努めている。

 航空部隊も偵察があらかた終わった偵察飛行隊は、航法訓練を行い将来予想される長距離爆撃等の用意をしている。戦闘飛行隊も編隊飛行の訓練から空戦技術の習得までやった。これなら、WW1の戦場に行っても活躍出来るだろう。(エルフが戦闘機に乗るというシュールな光景には触れないで)

 戦車大隊も数こそ少ないが、射撃能力や整備能力は日々向上している。最初は見慣れぬエンジンの整備に戸惑っていたが、今では立派な整備兵となり、稼働率の維持に貢献している。


 突然だが、今日はまた新たな装備を配備しようと思う。今の装備では攻撃力が足りないと思ったからだ。航空部隊で言えば、戦闘機に機銃掃射くらいしか攻撃手段が無いのだ。機銃掃射のみでは些か攻撃力に不安が残るので、今回は攻撃機を導入しようと思う。


「九七式艦上攻撃機を❰召喚❱」


 そう言って出てきたのは、大きな主翼を持った三人乗りの単発三座機だ。九七式艦上攻撃機、通称九七式艦攻。この機体は、大東亜戦争初期の帝国海軍機動部隊を支えた機体だ。艦上攻撃機というのは文字通り空母に搭載して運用する攻撃機のことだ。攻撃機というのは雷撃を主な任務とする機体のことを大日本帝国海軍が呼んだものだ。この九七式艦攻は一九三七年(皇紀二五九七年)に帝国海軍に採用された初の全金属製低翼単葉機だ。今回召喚したのは中島飛行機開発の一二型(三号)で、引込脚を採用しているのが六一型(二号)との違いだ。本機は偵察機としても使用可能なので、偵察飛行隊を艦攻隊に装備展開しようかと考えている。元々、偵察機を導入したのも、飛行兵の練習のためという事が大きかったからだ。

 また、艦攻を導入したのにはもう一つある。それは、敵地の爆撃能力を得るためだ。この機体を導入することで、いくつかの爆弾による攻撃が出来るようになる。纏まった機数がないのでなんとも言えないが、宣戦布告した後に街への爆撃を実施すれば、ある程度の心理的効果は望めるだろう。

 ちなみにこの機体には六十キロ爆弾であれば六発、八百キロ爆弾なら一発搭載することが出来る。同じような機体で九九式艦上爆撃機や

Ju 87 スツーカという機体があるが、あちらは二人乗りなので、安全の為に三人乗りの本機を選んだ。また、急降下爆撃をしても命中率の向上は望めるが、威力が下がってしまうので別に艦攻でも良かった。他にも本機の方が小型爆弾の搭載量に優れていたこともあげられる。双発爆撃機も考えたが、ただでさえ飛行時間が短いのにいきなり大型機乗ると事故が起きかねないからだ。また、小型機の方が汎用性が高そうだからだ。


 翼下に見慣れぬ灰色の物体を着けた大きな機体に、飛行兵や休憩中だった他の兵士がやって来た。その中から最近、よく本を渡して話すようになったポムスキン一等兵(訓練課程を終え昇進)がやって来た。


「大佐!この機体はなんですか?」


 彼は歩兵科のエルフだが、書をよく読むので最近はちょっとした図鑑なんかも渡して、DHNLF屈指の博識家となっていた。勿論、兵器関連の本も渡しているので、ある程度航空機の知識もある。


「これは九七式艦上攻撃機だよ」


「これが艦上攻撃機ですか!」


 そう言って彼は翼をペタペタと触る。そして、翼の下に入った時に爆弾に目がいった。


「!!大佐、これが爆弾というものですか?」


「ああ。よくわかったな」


「はい!木の実にそっくりな形だったので、頭に残ってました!」


(ふーん、こんな変わった形の木の実があるのか。ちょっと気になるな)


「爆弾って爆裂魔法みたいな威力をもつんですよね?」


「爆裂魔法?」


 なんかロリ紅魔族が頭をよぎったが気にしない方針で。


「そうです!爆裂魔法です!かの大賢者様が使われた超強力な魔法です!何でも核兵器?と同じくらいの威力があったそうです!」


「はあっ!?」


 そいつ一人で普通に国滅ぼすこと出来ますやん。(困惑)何?この世界の一流魔術師は全員、核みたいなパワー持ってんの??


「な、なあ。その爆裂魔法を使えるやつってどれくらいいるんだ?」


「うーん、残念ながら爆裂魔法の使い手は現在いないとされています······。あっ!噂程度ですが西方の国に一人だけ、新たな爆裂魔法を編み出したと言われる人がいます」


 ホッ······。一人だけなら世界を滅ぼすなんてことはないだろう。


「そんなことは置いといて、早く爆弾の威力を見てみたいです!」


 そう、キラキラと輝く瞳をモノホン向けてくるポムスキン一等兵。言ってる言葉は物騒だけど。何、爆弾の威力が見たいって。

 ともかく、自分は偵察員席に座り爆弾を投下することだけに注力する。操縦は元偵察機乗りの少尉だ。通信手席には誰も乗せずに離陸する。

 離陸後、五百メートルまで上昇しハルシコフスカヤ上空を旋回する。そのあと、緩降下の姿勢になり、爆撃の照準を合わせる。「ヨーイッ」「テーッ」と心の中で叫びながら爆弾を投下した。機体を大きく右バンクしながら下方を見ると、飛行場の脇の空き地に大きな黒煙が上がっていた。


「やった!成功だ!」


 そう叫びながら、爆弾を投下したという実感を感じる。機体はしばらく上空を旋回した後、飛行場に着陸した。エプロンに止めるとすぐにポムスキン一等兵がやって来た。


「すごい迫力ですね!これなら街の城壁も破壊出来そうです!」


 そう、今回攻撃機を用意したのは、強固な城壁に穴をあけ、味方を侵入させる為のものだった。別に戦車でも出来ないことはないが、本来の使い方ではないし、衝撃で履帯が外れてしまう可能性があるのでその他の方法を考えていたのだ。


「しかし、火薬というのはすごいですね~」


 彼の言葉から分かる通り、火薬の存在はあまりポピュラーではない。というのも、この世界では魔法があるため、小規模な爆発であれば火属性の魔法の応用で起こす事が出来るのであまり注目されなかったのだ。それゆえに、九七式艦攻に搭載しているような八百キロ爆弾のような威力をもつ攻撃はほとんど無いのだ。


「そうだ、ポムスキン一等兵。この九七式艦攻は三人乗りの機体なんだ。それで今回新たに飛行兵を追加するのだが、君もこの機体に乗るか?新しい世界を見ることが出来るぞ?」


「!!」


 彼は前々から、「俺もいつかは飛行機乗りになりたい」と口癖のように言っていたのを思い出したのだ。幸運な事に今回、追加の人員が必要となったので彼にも聞いてみた。

 彼は驚き、目を見開いていた。何せ、昔からの願いが突然叶うのだから。


「も、勿論です!この機体に乗りたいです!」


 こうして、ポムスキン一等兵は歩兵科から航空科へと転属となった。そして、後に彼はDHNLFのテストパイロットとして、数多の機体の初飛行を担当するベテランパイロットとなるのであった。

DHNLF…。カタカナで読むならどんなものが良いのでしょうか?感想とかで貰えると嬉しいです!

気づけばハインケのポジションがポムスキン一等兵改め、ポムスキン大尉にとって変わられてしまいました(笑)

次話で30話ですか…。特にこれといったことは無いですが、次話から戦闘に向けてハルノリいやDHNLFが動き出します!お楽しみに!


兵器紹介

中島飛行機 九七式艦上攻撃機一二型

(B5N2)


スペック

乗員:3名

(操縦手、偵察手、無線手)

全長:10.3m

全幅:15.518m

全高:3.7m

主翼面積:37.7m2

自重:2,200kg

全備重量:3,800kg(正規)、4,100kg(過荷)

翼面荷重:101.8kg/m2

発動機:中島「栄」一一型 空冷複列星型14気筒 出力970馬力(公称)×1

最大速度:377.8km/h(高度3,600m)

巡航速度:263km/h(高度3,000m)

着陸速度:113km/h

上昇時間:3,000mまで7分40秒

実用上昇限度:7,640m

航続距離:1,021km(正規)、1,993km(過荷)

武装

 九二式七粍七旋回機銃×1(6弾倉582発)

 以下のいずれか

 800kg魚雷1本

 800kgまたは500kg爆弾1個

 250kg爆弾2個

 60kg爆弾6個

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[一言] 誤字 97艦上攻撃機の通称が99艦攻になってます
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