第28話 ポムスキン二等兵の手記
ども!カトユーです!
怒涛の連続更新最終日。(基本、土日投稿なので…)
今回は兵卒視点からです!どぞ!
俺の名前はポムスキン。最近は亜人民族解放戦線ってところで活動している。ここ最近はヒト族に攻められたり、訳のわからんヒト族のやつに面倒みられていたりするが、今の生活も悪くはない。そんな俺の今までの様子を語ってみたいーー
俺は、エルフの国の王都で生まれ育った。ところが数年前、突然ライノゼ王国とかいう国が俺たちの国を攻めてきて王都を破壊してしまった。その時、多くの知り合いの命が失われたが俺の家族ともどもなんとか逃げることが出来た。ヒト族の連中はしつこくて、逃げ回る俺らを取っ捕まえて次々と殺していった。俺もヒト族の兵士に見つかって追いかけられたが、両親が囮となって助かった。本当は親父だけが囮になろうとしていいたのだが、母さんが親父と離れたくないと言って二人で兵士を誘き寄せた。結局、両親はあっさりと捕まり首を跳ねられた。俺は恐怖のあまりチビってそこから動けなかったが、兵士達は満足したようでどっかに去っていった。
そのあとも地獄で、何の食糧も無いまま森をさ迷い見つけたのが今いる集落だった。そこは憎むべき敵のヒト族がリーダーの真似事をしていたようだが、同胞も彼の事を神のように尊敬していた。
集落に着いてからは驚きの連続だった。全てのものが見たこと無い物ばかりだった。例えば、食事では乾パンとかいうパサパサした板状の甘い物を食べたり、コーラと呼ばれるシュワシュワした不思議な飲み物を飲んだりした。炭酸飲料と呼ばれているそうだが、口に含んだ時のシュワシュワは何か不思議なものだった。
生活も日が昇ると同時に起きて、日が沈む頃に寝るのは変わらなかったが日中の過ごし方は大分変わった。王都に住んでいた頃は友達と遊んだり家事の手伝いをしていたが、今はチェーンソーという道具を使って一日中木を切り倒している。
また、銃という遠距離攻撃が出来る武器の扱いを教えてもらった。どうやら、俺は工兵兼歩兵という仕事をしているらしい。これを決めたのもヒト族のリーダー・ハルノリ大佐という人らしい。大佐というのは身分みたいなもので、ハルノリ大佐自ら周りの人間にそう呼ぶように求めている。どうも、カダフィ大佐やナセル大佐を真似しているらしい。彼は俺たちエルフを軍隊にしようとしているらしい。今までろくに戦ったことの無い俺達だが何か出来るのだろうか?また、ハルノリ大佐という人はかなり若くて、目が綺麗な人だった。今まで見た人の目は、どれもどす黒く濁っていたがハルノリは違った。驚く程透き通った瞳で、未来への希望が溢れているようだった。
俺達の働くすぐそばでは、戦車と呼ばれる移動式砲台が大きな音を立てて動いている。また、顔を上げれば大空を戦闘機と呼ばれる飛行物体が高速で飛んでいる。本音を言えば、俺も戦闘機に乗りたかった。前に一度だけ、偵察機に乗ることが出来たが、あのときの胸の高鳴りは今でも鮮明に思い出すことが出来る。世界がオモチャのように見えた。地上にいるエルフが点にしか見えない。そしてその周りは一面は緑の森が延々と広がっていた。これを飛行機乗り達は毎回見れるのかと思うと、羨ましくて仕方がない。
住むところもまた、王都とは全く違った。最初こそ、マントで覆ったような簡単な寝床だったが、今では木材をふんだんに使った大きな建物で寝る事が出来る。一人一部屋という立派な待遇で、そこにはベッドだけではなく机や本棚も置かれている大きな部屋だ。(八畳と呼ばれる広さだそうだ)
また、大佐は俺達一人一人に本をくれた。勿論、学校なんて行っていないので文字も読めなかったが、作業の間に文字の読み書きを大佐自身が親切丁寧に教えてくれた。大佐がくれた絵本には、俺の知らない世界が広がっていた。「泣いた赤鬼」という題名の話だったが、最後の青鬼の貼り紙を読んだとき、俺も赤鬼と同じように泣いてしまった。普通、親友の為にここまで気を使う事が出来るだろうか?そんな感じで、俺は「物語」というのが大好きになった。友人にも本は渡されていたが、それぞれ渡された本が違ったので皆で借り貸しして色んな本を読んだ。面白いお話もあれば悲しいお話もある。物語の数だけ広がる新しい世界に俺は夢中になってしまった。大佐もそんな俺を見てニコニコしながら毎週新しい絵本を手渡しでくれる。そのお陰で俺の本棚は何十冊もの絵本が並んでいる。そうそう大佐から聞いた話なのだが、ヒト族の大きな街には図書館と呼ばれる無料でたくさんの本を借りられるところがあるらしい。いつか行ってみたい。
こんな感じで俺のいる環境はここ数年で大きく変わった。悲しいことやつらいことも多かったけど、今はとても幸せだ。大佐のお陰で俺の世界は広がったし、まだまだ先がある。いつか、その全てを知ることが出来たら良いな。そんなことを書いて今日は終わりにしようか。
短いのか長いのかよくわからん…
次話は金曜日投稿です!(テスト週間になにやってんだか…)
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