第24話 日独の融合
どうもカトユーです!(*`・ω・)ゞ
投稿頻度が滅茶苦茶ですが、平成最後に!と慌てて書きました。(嘘です。一週間かかりました・・・)
翌日も昨日と同じように朝から作業を始めたものの、一つトラブルが起こってしまった。それは、伐掃機やチェーンソーの燃料がなくなってしまったのだ。伐掃機は、前回言った通り戦中戦車が元なのでかなり燃費が悪い。また、昨日は無駄に走り回ってしまったので、余計に燃料を消費してしまった。そんな訳でいきなり燃料が必要になってしまった。どうやら、森の奥で石油が手に入るらしいが現状では精製も出来ないし、面倒臭い。そこで、スキルを使って召喚してみる事にした。何気にレベル上げもしっかりやってるからね。それなりの物が出てくるんじゃない?ちなみに、今のレベルは13だね。以外と高くなってるし、ルノーFT-17軽戦車なら召喚出切るんだね。それはともかく、今は石油の召喚だ。
「石油を❰召喚❱」
そう言うと、目の前にゴトゴトと二つの物体が現れた。見慣れた凹みにある物体だった。ただ、昔見たことあるものと違うのは、容器が金属製だということだ。
「ジェリカンか······」
自分は思わず入れ物の名前を呟いてしまった。ジェリカンと呼ばれるこの燃料容器は一九三六年にドイツ軍の要請で開発された。その後の第二次世界大戦でドイツ国防軍が使用しているのを見た連合国軍が真似をし、世界中に広まっていった。現在でも十八リットルのポリタンクにジェリカンの面影を見ることができる。そんな骨董品が出てきた訳だが、かなり便利な物が召喚出来た物だ。一人でも運べる燃料容器は、輸送効率がいいし汎用性が高い。合理的かつ効率的なアメリカ軍でも導入したことから、この容器の使い勝手の良さがうかがえる。ちなみに、ジェリカンには二十リットルの燃料が入る。つまり、今回召喚出来たのは四十リットルだ。多いのか少ないのかよくわからないが、おそらく足りないだろう······。
とりあえず、チェーンソーの燃料を補給し、作業を再開する。そのあと、追加で召喚出来るのか試してみたがこれが限界だった。ちくせう······。嘆いても無駄なので、エルフ達にチェーンソーや抜掃機の扱い方を教えつつ、自分もどんどん木を切り倒していった。夕方になり、作業を止め、寝場所へと帰る。そこで食事をとり、板を置いただけの超簡易的なベッドに横たわり、眠りについた。
翌朝も目を覚ますとてきぱきと準備を終え、エルフ達は作業を開始する。自分はまた新たな装備を召喚することにした。いい加減、巨大な根っこを取り除きたいからな。そう思ってショベルカーを召喚しようと挑戦してみたものの、戦中には大した物は造られて居なかったらしい。(正確には一九四八年にイタリアで油圧式ショベルが造られた)結果、ショベルカーは諦めて、別の装備を召喚することにした。
「均土機を❰召喚❱」
聞き慣れない言葉を使って召喚されたのは、トラクターに排土板を取り付けた車輌だ。
「小松1型均土機」
大東亜戦争中、アメリカ軍使用していたブルドーザーを発見した大日本帝国海軍がその性能に驚き、小松製作所に国産化を要求し出来た物だ。当然、アメリカ製とは雲泥の差があり、そもそもパワー不足であったり、無理な機動をすると履帯が切れたする代物であった。とりあえず使えたブルドーザーを海軍は百輌超を生産し、設営隊に配備した。設営隊はブルドーザーの性能を最大限活かし、飛行場の建設を進めた。中には着工期してから僅か二十日程で航空機を進出させた例もある。このように、満足のいく性能では無かったものの貴重な工兵車輌として重宝された。
召喚された見慣れぬ車輌に前回と同じように、エルフ達が群がる。どうせ、召喚する度に同じ反応をするだろうなーと思いつつ退いてもらい、試運転する。しばらく、動かしてみた感想は、元々がトラクターであるが故に少しもっさりとした動きだなという印象を受けた。
ブルドーザーの実用性を知るために、エルフ達にスコップを使って根っこを取り除いてもらった。かなり凸凹な土地だが均す事は出来るのか?と思いつつ、ブルドーザーを動かしてみると、あっという間に地面を均す事が出来た。エルフ達もびっくりしているが、自分も驚いている。正直、もっと時間がかかると思っていた。それがものの十分少々で終わってしまったのだ。初めてブルドーザーを見た帝国海軍の方々もこんな風に驚いたものだろうかと思っていると、ハインケが新しい玩具を手に入れた子供のような顔をして走ってきた。
「ハルノリさん!これなんて言うんですか!」
「ブルドーザーってやつだよ」
そういうとハインケはブルドーザーブルドーザーブルドーザー······と呪文のように呟き始めた。いや、無理して覚えなくてもいいから。
「それにしてもハルノリさんは凄いですね~。毎日のように新しい物を見せてくれるんですから~」
「まあ、この村を良くしようと思ってるからな」
そういうとハインケは目に涙を浮かべ、オーンオーンと泣き始めた。え、何!?と思っていると涙やら鼻水で色々とヤバいことになっているハインケが顔を上げ、
「ハルノリさんはすごく優しい人ですね!こんなにも私達のことを考えてくださるなんて!感謝してもしきれないです!」
と言ってまた泣き始めた。いい加減うざったいので、ハインケから離れてブルドーザーを物珍しそうに触るエルフ達を眺めつつ考え事をした。
(確かにこの村のためってのはあるけど、この未来の為なんだよなー。将来的にはここに滑走路を配して、飛行場を造ろうか。ゆくゆくはここに首都でも置こうかなー。よっしゃ、なんかやる気出てきた!)
しばらくするとエルフ達も興味が薄れたらしく、離れていった。ハインケはまだ泣いていたが。
お知らせ(とまではいかないけど)
皆大好きチハたん(九七式中戦車)は七月下旬まで出てこないです。理由?某ミリタリー雑誌で特集来るからそこで色んな情報を得たいからです・・・
ちなみに、戦中兵器で出して欲しい兵器があったら感想かツイッターにて募集してます。(可能な限りは出しますが桜花とかはどうなんだろう・・・)
次話は明日。令和初の投稿にて!




