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ミリオタ高校生が異世界へやって来た!  作者: カトユー
エルフとの接触
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第9話 難民または逃避行

すみませんでした。間違えて別シリーズで先行公開してしまいました…


それではどうぞ!

うーん、よく寝た!結局、悶々としたが疲れていたので寝てしまった。

一番遅くに寝たはずが、一番最初に起きてしまったらしい。暇だったので、日課の召喚の練習をしてみた。異世界に来てから毎日練習をしているものの、未だに召喚出来るのは銃弾少しか乾パン一枚のみ。ミリタリー系の物を召喚できるはずなのに、あまりにも想像とかけ離れたものしか出てこなかった。

いつも通りスキルで乾パンを召喚したら、


「スキルレベルがあがりました。」


いきなり無機質な声で言われた。びっくりして回りを見回すとシエナが「もう食べられないよぅ」と定番の寝言を言っているのみでそれ以外は何もなかった。不思議に思っていると、さっきの声の主が、


「これであなたはスキルレベル2で、一日二回スキルを使うことができます。」


と補足してくれた。レベル2か。二十で戦車が召喚できるからまだまだだな。

うーん、何が召喚出来るかな。時代的には三八式歩兵銃かな。


「三八式歩兵銃を❰召喚❱」


「スキルレベルが足りません。」


即答だった。いや、三八式の弾丸は召喚できるのに、銃本体は無理なのかよ!とつっこんでしまう。

なら、一世代前ならどうだと思い、


「三十年式歩兵銃を❰召喚❱」


ボワッと淡い光を発したあと、三十年式歩兵銃が召喚された。とりあえず手に取り、どんなものかと確認する。この銃は大日本帝国陸軍が一八九七年に採用された連発式小銃で日露戦争での主力小銃として使われた物だ。

まあ、細かいことを言っても仕方ないか。

ただ、実際に手にもってみるとテンションが上がってしまう。そのまま、色んなところをいじり倒していると、カチャカチャと音がたってしまい、シエナが起きてしまった。ああ、改めてシエナを見ると昨日のことを思い出してしまい、恥ずかしくなってしまった。


「んん、おはよう」


「ああ、おはよ」


二人ともぎこちなく挨拶をした。しかし、シエナは自分の手にある銃に目が行った。


「あのー、ずっと気になってたのですがカサイさんが持ってるそれは何ですか?」


やっぱり、この世界の文明は前世とは違うらしい。それか、単にエルフ達の文化が遅れているだけかもしれないが。


「ああ。これは銃と呼ばれる武器なんだ。」


そう言うと、シエナは武器という言葉に反応したようで、食いついてきた。


「それが武器なんですか!?すみませんが、とても攻撃できる武器には見えないのですが。」


そりゃそうだ。知らない人が見たらごつい筒にしか見えない。疑い深いシエナを見ていると、日本に鉄砲が伝わった時もこんな感じなのかなと思った。とりあえず、百聞は一見にしかず。実演すれば価値はわかってもらえるかな。ちなみにスキルの効果で、召喚される武器は全て熟練兵並みに扱えるらしい。これなら、高校生でも銃が使えるね!


「これは、遠距離から攻撃する武器で、この筒の先から鉛の弾が高速で発射されるんだ。うーん、少し離れたところに的を用意出来るかな?」


そう言うと、シエナはわかりましたと言って二百メートル先に太い木の枝を地面にさした。ふむ、この世界では二百メートル程で遠距離攻撃に分類されるんだな。


「これでいいですか?」


シエナが遠くから声をかけてきた。


「少し離れてくれ!」


もし、誤射で当たったら目もあてられないからな。そう思いながら、銃を構える。安定性も考えて今回は英国陸軍式での伏せ撃ちだ。

腹這いになって、的を見る。風は強くなく。弾道は素直になるだろう。

ここまで、偉そうに言ったが狙いを定めて撃つのは初めてだ。何せ、前回は半狂乱になりながら乱射しただけだから。幸い、リロードしてないので弾数はクリップの五発だ。

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。五発あれば運良く当たるだろう。そう考え、息を落ち着かせる。

フッと息を吐き、集中力を高める。狙いを定めて引き金に指をかけ、一思いに引く。


パンッ!


一瞬だった。遠目にはびっくりするシエナが見えた。自分も命中したか確認しに行く。奇跡的に的に命中し、枝に弾痕があった。枝から弾薬を取り出し、シエナに見せる。


「これが銃から発射された鉛の弾だね。」


「この距離でこれだけ貫通する······。しかも、的に的確に命中してしまう。······すごいですね!このジュウと呼ぶものは!」


どうやら歩兵銃について理解してもらえたようだ。ここで気になったので、この世界の武器について聞いてみる。


「シエナはどんな武器を使うんだ?」


「エルフは基本的に弓を使いますね。」


やっぱりか。


「どうして弓を使うんだ?」


「それはですね。エルフは昔から風の神ハリケーンの加護がついているからです。お陰で他のどの種族より弓の扱いに長けています。」


そういうことか。なら、他の種族でもそれぞれ得意な武器があるのかな?


「なら、人族はどんな武器があるんだ?」


「人族は色々な武器を発明しているのでたくさんありますね。代表的なのは、剣や槍、斧、攻撃魔法。ですかね。」


つまり、文明は中世頃かな。あとは、それに魔法っていうロマン要素が足された世界って感じか。

ここで気づいたがさっきからシエナが何かを言いたげにこちらを見ていた。


「何かあるのか?」


「いや!何もありません!······ただ、このジュウというのがエルフにたくさんあればなと思っただけです。」


そういうことか。確かに今は人族との戦争状態だ。しかも劣勢で、攻撃手段がない。そこに遠距離攻撃の銃を彼らに用意すれば、人族相手でも有利になるだろう。また、元々遠距離攻撃が得意なエルフ達なら少数でスナイパー部隊をつくってゲリラ戦術を行えば、もっとこちらが有利になる。それに、遠距離狙撃が得意ならフィンランドの伝説的スナイパー、シモ・ヘイヘがたくさんいることになるだろう。

ヤバい、なんかゾクゾクしてきた。

ただな~、武器渡してはい頑張ってというのもあれだし、そもそもエルフが協力的でないからどうしようもないな。


「たくさんは用意出来ないが、とりあえずシエナに一丁渡しておこう。」


そう言ってさっき召喚した三十年式歩兵銃をシエナに渡した。(ちなみに弾薬はない。というかこれ以上、召喚出来ない)


「おい!さっきの音はなんだったんだ?」


どうやら、寝ていたセドリック夫妻をさっきの射撃音で起こしてしまったらしい。何事かと急いでここまで来たらしく、肩で息をしていた。


「驚かせてしまい、すみませんでした。ちょっとした実験をシエナに見せていただけです。」


適当に嘘を言って誤魔化しておいた。


グ~ッ。


どこからともなく腹の虫の声が聞こえてきた。自分ではないのでみんなを見ると、シエナが顔を赤くしていた。あ、シエナだったんですね。

ところが、命からがら村から逃げてきたため食料の類いは一切なかった。

ただ、この世界にきた頃に食べていた芹らしき植物を思い出したので、


「少し待っていてください」


と言って、森の中へと入っていった。森に入ると、この前よりは遥かに少ないがある程度の量の芹?が生えていた。ちゃちゃっと持てるだけ採ってシエナ達のもとへと帰った。シエナ達は自分の手にある、芹?を見てびっくりしていた。


「ちょっ!それ、どこで手に入れたんですか!」


「え?いや、そこの森のなかに結構な数生えてたよ。」


「そんなわけ無いでしょ!それは、コンカンよ!そんなレアな山菜は簡単に採れる物では無いわ。」


うーん、でも事実、目の前にコンカンがあるのだから信じてもらえると思うんだけど······


「とりあえず、見に行くか?」


「ええ、もちろん」


「あの~、私達もいいでしょうか?」


セドリック夫妻もこの珍しい山菜も気になるらしい。

みんなで森に入っていって、少し奥まで来たときシエナ達の目は見開かれた。


「こんなに多くのコンカンが!?」


「これを商人に売れば、お金持ち間違いなしだな。」


そんなに貴重な物だったのかよ!自分、腹減ったときこれしか喰ってなかったぞ。何、サバイバル中はずっと豪華な食事していたのか。


「しかも、どれも大きく育っているわね。」


そう言って一本一本じっくりと見ていくシエナ。長い時間、森の中の植物を見て回った。こうして見ると、地球の植物との違いを感じる。だって、緑の葉に混じってさりげなく真っ青な葉っぱがあったり。いや、葉緑体どこ行った?


シエナ達も満足したようで、さっきの場所に戻った。


「実はね、私コンカン食べたことなかったの。だから、今楽しみなの!」


ああ、この笑顔の破壊力ヤバすぎぃ!

自分はなるべくシエナから目を反らしつつ、水を火にかけ、沸騰させる。沸騰したお湯に軽く水洗いしたコンカンとやらを入れて茹でる。茹で終わったらすぐあく抜きをする。

調味料などあるわけないので、茹でて終わりだ。


それぞれ、少しずつわけで食べてみる。

パクッ。口に入れた途端、シエナの顔が青くなる。


「うえ~っ!何これ!」


どうやら、芹独特の香りが無理だったらしい。

自分とセドリック夫妻は気にならなかったのでパクパクと食べた。セドリックさんは、


「とてもおいしいですね!」


と言ってシエナの分も食べていた。そうなると、シエナの食べる物が無いわけで


「腹が減った~」


と子供の様にぶつぶつ言ってきた。その仕草が可愛かったのでどうにかしたかった。

······本当はスキルの練習に使いたかったが、まあ、別にいっか。


「乾パン五枚を❰召喚❱」


そう言って乾パンを出す。


「え?カサイは召喚術師なの?」


シエナがびっくりしていた。


「うーん、その召喚術師ってのがわからないけどたぶんそれだと思うよ。」


そう言うと、シエナの目の輝きが増した。


「カサイは凄い人だったんですね。召喚術師は五十万人に一人しかいないレアな存在ですよ!」


え、まじで!母数がわからないからなんとも言えないけど、レアなのはシエナの興奮具合からわかった。例えがあれだけど政令指定都市に一人いるって感じなのか。いや、自分でも良くわからんくなったわ。


とりあえず、召喚した乾パンをシエナに渡す。それを受け取ったシエナは不思議そうにしていたが、食べ物だよと言ったら、口に入れてくれた。


「うーん······。口のなかの水分が持ってかれます。」


うん、それは仕方ないことだな。


食事も終わり。みんなでこれからのことを話し合った。というか、シエナがこうしようと提案してきたのだ。


「これから、別のエルフの村に行こうと思うの。」


別の村、か。いやもう、エルフの村なんてトラウマしかないんですけど。


そう思っても口には出さず、満場一致で別の村へ行く。ということに決定した。

今回、説明文が多かったですね。

多分、武器とかの説明は間違ったことを書いてあるかもしれませんので、そういったところはどんどん指摘してもらえると今後の作品作りに活かせますのでよろしくお願いいたします。

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