異世界2
「大変だ…」
マス・コミ少年は大急ぎで走りだし、自宅へと戻っていった。
「お、おかぁちゃん。大変大変…」
「マス…大きな揺れあったけど大丈夫…?」
母親が心配そうに抱きしめる。
彼は落ち着きを取り戻し、母親にこう告げた。
『海が無くなった』…と
マークック皇国は大混乱と化していた。
神によるいたずら…だというもの。異世界からの陸地…というもの。など様々の説を唱える学者が多い。
そんな中、マス・コミ少年はお気に入りだった旧浜辺後に異様なものを見かけた。
「なんだあれ…」
彼は列強国家の一つといわれている皇国にすらない…奇妙奇天烈なものを見つけた。
今でいうところの、無人ヘリコプター
だが、今までのヘリコプターとは違うのは、音が静かである。
轟音もなければ、小さな騒音もない。
灰色の機体に、うっすらと見える赤い五芒星ふちを緑で囲まれている。
上と後ろにプロペラが付いており、一番の特徴は、コクピットらしき場所が見えない。
だが、中世ヨーロッパとも見えるこの世界の文明では、空を飛ぶものは奇妙に映るだろう。
「飛んでる?」
彼はその物体を見上げていた。
だが、彼はまだ知らない。
戦争が始まることに。