娘「ママー、もっとなろう連載作家風に!
エデンに知恵の実を持ち込んでしまった無気力転生主人公新土器。
しかし彼の「楽な世界」の願望は叶えられた。
そう。彼は決断したのだ。このリンゴをイブから隠し通すことを。
(エデンの園で出したら(リンゴを)、楽園生活終わるなりッッ!)
「やあ、こんにちは。今日から僕もここで暮らすことになったんだよ。よろしく。」
笑顔を作り、敵ではないことをアピールする。幸いにも知恵をつける前の人間。人を疑う心さえ知らないのかすぐに俺を受け入れた。
「そう!ここはいいところよ。いつもおいしい木の実が食べ放題だし...。あ!ここに寝転がると気持ちいいのよ!」
その案内に従い俺も自分の居場所を探し始める。ここエデンの園はまさに絵に描いたような楽園である。
すごい、いい(語彙力低下)。
しかし楽園を望んでいたはずの俺の心にはあることが引っ掛かっていた。
ひとつは、イブのこと。
前の世界で童貞をやっていたせいか、俺の理性はもう崩壊寸前のところまで来ていた。裸とか卑怯だろ...。
ふたつめは、もうひとりの『男』アダムである。
正直、俺は創世期のアダムが気に入らない。生まれた時からイブというパートナーを与えらえて、悠々と最初の人類として暮らしやがって。イブはまだいいさ。かわいいから許したよ。今この瞬間に。だがアダムは許さねえ。イブは俺のものだ。
はっきりいって、知恵のない人間であるイブを適当に扱うのは朝飯前のことで。
俺は余った脳のリソースを『アダム抹消計画』に使い始めた。
「俺はアダムの存在を消して、イブと幸せに暮らすッ!俺が最初の人類になるんだ!」
イブの話では、アダムはうまい木の実を見つけたのでちょっと遠くまで食べに行ってるとか。
さすがにイブの前では犯行には及べない。これは好都合である。
イブにだいたいの方角を教えてもらい、俺はアダムを探し始めた。
まあ、相手も単純だし見つけたらイブと同じように友好関係でも築こう。
しかし、問題はどうやってアダムを消すかである。
これでも俺は元の世界では、剣道を少しやっていて十一段までは持っているのだが...
せめて、刀があればなぁ...。
しばらく歩くと、茂みの向こうに裸の男のシルエットが見えてきた。
とりま、声でもかけてみるか。
「おーい!アダムさーん」
俺の声に反応し、アダムが振り向く。
「はい」
「僕は、新しくこのエデンで暮らすことになった新土器っていうんだけど...」
俺はここに来た経緯をいろいろ都合よく改変し、アダムに伝えた。しかし、アダムは俺がしゃべっている間もずっと果物をほおばり、どこか上の空。なんだか落ち着きがない。
まさか知恵のない状態の男のレベルって、こんな小学校低学年みたいな感じじゃないよな...。男のほうが幼いとは聞いていたが、最初からそういう風にできていたのか...。神様、俺は気づいてしまったのかもしれない。
俺が一通り話し終わると
「へー、そうなんだ。よろしく。」
といって、再び食事に集中し始めてしまった。なんだこいつコミュ障どころじゃないだろ...。
まあいいや、この程度ならなにも考えすぎることはない。
早速俺は、アダムとの間合いを一歩で詰める
「…とっ…(踏み込み)」
その瞬間、強い風が俺を包むのを感じる。
俺はアダムを押し倒し、腕を組み首に手を回す
「剣もなければ、凶器もない。そんな時は...
寝技でね☆」
俺はアダムに寝技をかけながら、体を少しずつ移動させ手ごろな崖までやってくる。
「あんたさえいなくなれば、俺が最初の人類だ。結局は『知恵』を持ってるやつが勝つんだよォ!」
俺は、アダムに技をかけたまま崖から落ちていった—




