表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この恋に殉ずる(完結版)  作者: 熱湯甲子園
おまけちゅ
67/68

新垣さん目線3

『ラブラブちゅ』と『お仕事ちゅ』の間に差し込むはずだった新垣さんの独り言です。





父親に会いたいだなんて、俺は酷なことをしているな……。

いっそ何も言わず しれっと奪っていく方が あいつにとってもイイんじゃないか?とも思った。


どっちが正解なのか答えなんか出ない。

それでも あいつが後から何か言われて つらい思いをするくらいなら早めに済ませておいた方がイイかと腹をくくった。


何かあったら その時は、あいつの父親だとか そんなこと関係なく叩き潰してやるつもりだ。










変な食事会だな。

いや、俺自身も似たような境遇だから気持ちを分からなくもないが……。


神楽が大人しすぎて不気味だ。

親父さんも俺の胡散臭い笑顔に警戒を解いてないしな。


さて、どうしたものか……。


どちらに転んでも最後の一線は残しておいた方がイイ。

二度と会わないのと、二度と会えないのでは意味が違う。

こいつに選ぶ権利は残してやりたい。


やはり答えは出ず、こいつが何も言わないのをイイことに なんとも後味の悪い終わり方をした。


自分の無力さに嫌気がさすな……。








神楽が話さない。

いや、心が壊れないように必死に繋ぎ止めてるような感じかな。


いい年したオッサンなら乗り越え方も逃がし方も それなりに できる。


やはり酷だったな……。


抱きしめるだけでは きっと元には戻らない。

優しい言葉なんて意味がない。

ならいっそ……。







泣き疲れて眠る悲壮な横顔。

そっと抱きしめた。

後悔が胸をえぐる。

しかし必要なことだったと、やはり思う。

こんな俺を憎むようになるかも知れない。

大嫌いだなんて嘘でも聞きたくない。


やはり やめといた方が良かったかもな。


後悔は後から後から溢れてくる。

泣き顔にキスをする。

その傷ごと抱きしめて癒してやる。

だから、あんな男のために もう泣かないでくれ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ