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この恋に殉ずる(完結版)  作者: 熱湯甲子園
おまけちゅ
65/68

新垣さん目線1

『接近ちゅ』と『お付き合いちゅ』の間に差し込むはずだった新垣さんの独り言です。





うわ~。また えらい小さいのが面接に来たな。

ビクビクして目も合わせね~けど、ちゃんと勤まるのかね~。

やっとこ覚えたのに、はいサヨナラだけは やめてくれよ?

どうしようかな~。

採用するの嫌だな~。

でも、厨房いきなり三人やめてキツキツなんだよな~(泣)


「とりあえず三ヶ月は研修期間なので、お互いに様子を見る形になります」

「は、はい」

「では、明日からよろしくお願いいたします。頑張ってくださいね」

「あ、はい!!よろしくお願いします!!」


やっと目が合ったよ…。

まぁ無理ならクビ切りゃいいか(笑)







ん?

冷蔵庫と棚の隙間に隠れてるの この前のチビじゃね~か?

まさか、つまみ食いしてるのか?


そ~と近づく。

「ウドンのストック左の冷凍庫。肉は右端から使っていく。パン粉はバックヤードの左奥…」

何が書いてあるか分からんようなミミズがぬったくったような文字を読みながら復習してるらしい。


どうでもいいような事だが書かないと頭に入らないタイプのみたいだな。

見た目に違わぬ鈍くささだな。








「山口さん。そろそろ研修期間が終わりますが、あの子どうですか?」

厨房の古株に聞く。

「ああ!!あの子ね~。ちょっと慣れるのに時間がかかるみたいだけど、一度聞いたことは二度と聞かないから見込みありそうよ~」


メモとってたからな。


「うんうん。今時の子にしては礼儀正しいし、働きやすいわよ~」

気難しい佐々木さんにも好印象らしい。


どんな仕事も しょせん人間関係が一番のネックだからな。

仕事は慣れれば誰でもできる。


「あ、神楽ちゃ~ん」

ちょうど休憩から帰ってきたとこを山口さんが呼び止める。

「あ、はい!!」

「もうすぐ研修期間おわりなんだって。どう?仕事は慣れてきた?」

チラリと俺の顔を見て、山口さんに向き直る。

「ご迷惑かけてますけど、スゴい楽しく仕事させてもらってます」

「迷惑じゃないわよ~。神楽ちゃんいると和むのよね~」

佐々木さんもニコニコだな。


うむ。


「君さえよければ本契約してもイイかな?」

少し腰を落として覗きこむと真っ赤な顔をして視線を泳がせて、

「あ…は、はい!!よ、よろしくお願いします!!」

ペコリと頭をさげた。








「オッチャン、私は高校生だよ!!魅惑のJK!!中学生じゃないよ!!」

よく通る高い声に視線を向けるとチビがいた。

「まじか?まだオムツ取れてないと思ってたぜ(笑)」

「ムキ~!!」

なんだかギャーギャーやってるけど、相手はお客様だぞ?


一度ちゃんと注意しとかないと品位を疑われるな。


後で呼び出すか…と、思っていたら近くで食べてる客の声が聞こえてきた。

「お!!また始まったな。神楽ちゃん すぐムキになるから面白いよな~」

「ほんと、ほんと(笑)見てて飽きないから、つい来ちまうんだよな~」


…ふむ。

採用してから半年、微妙に売り上けが上がってるのはチビの影響か?








ん?

また冷蔵庫の陰にいるのはチビじゃね~か?

あれから一年たってるのに まだメモしないと覚えらんね~のか?


そうっと近づくと……、なんか食ってた!!

「おい…。今は休憩時間じゃね~よな?」

思わず地が出ちまったが仕方ない。


びびってんじゃね~よ。俺は元々優しくね~んだよ。


「あ、朝ごはん食べ、てないって言ったら、佐々木さん、がドーナツくれて…。ちゃっちゃっと食べちゃいな、って…」

「分かったから早く飲み込んで仕事に戻れ」


甘い匂いに胸焼けするわ…。




「お前、卒業したら どうするの?」

「しゅ、就職するつもりです」


仕事に慣れてきても、どもるクセは治んね~な。

でも、真面目だし、不本意だが ここのマスコットみたいだし。


「行くとこ決めてないならウチに来いよ」

そういうと真っ赤になって俯いた。




面接の時はすぐ辞めちまうと思ってたけど、いい拾い物だったな。

今だに どもるクセは治らんが、いいムードメーカーになってる。

しかも、弁当も旨かったしな。

意外だった!!

まぁ、あの甘ったるい玉子焼きは死ぬかと思ったがゴーヤは絶品だった!!

最近、買って食うのに飽きてきたからな。

あの弁当とトレードできんだろうか…。



密かな俺の野望…。

さてさて、どうやって切り出すかな~。

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