強制女子会(泣)
お洒落なお好み焼き屋さんの奥座敷。
なぜか お誕生日席にロックオンされてる私であります(泣)
「で、で?どうやって知り合ったの?」
そして神谷さんノリノリです(泣)
「バイト先の上司で色々教えてもらったんだって!!」
なぜか並木さんが説明しだす始末。
「色々?」
「色々!!」
きゃー!!と悶える二人。
「仕事!!仕事を教えてもらっただけですよ!?」
誰か この人たち止めて~!!
「で?いつ結婚するの?」
急に背後から冷静な声が飛んできた。
ん?
「おお!!佳世、旦那さま飲み会OKしてくれたの?」
「うん、帰りは迎えに来るらしいけどね」
さも当たり前のように神谷さんの隣に座って合流したのは、妊婦さん!!
な、な、な、な、なんで~!?
私が密かにパニックになっていると、並木さんが察したのか声をかけてくれた。
「アタシら三人、同期なんだよ」
ええ!?
「しかも花の寮生組!!」
ええ!?
「こいつだけ1抜けしやがってさ~」
「そそ。相手は工場長の息子!!」
「微妙な権力~」
「やかましいわ!!」
わ、わ~(泣)
なんか独特のノリに付いてけません。
私がドン引きしていると、妊婦さん改め佳世さんが同じ質問を繰り返した。
「で?いつ結婚するの?」
もし結婚したら~なんて話は何度かしたし、お父さんにも会ってもらったけど正式なプロポーズは めらってない。
なんて答えてイイのか悩む。
「相手は10歳上なんでしょ?早く結婚したいんじゃないの?」
「………」
結婚、したいんだろうとは思う……。
二人とも結婚願望はある。
きっと、誰よりも家庭に憧れてる二人だから。
「腰掛けなら会社に入ってきて欲しくなかったわね」
グサッ!!
や、やはり妊婦さんキツい(泣)
「こらこら、あんた すぐそうやって言うから誤解されるんだよ」
と、並木さんが笑う。
「飛山さんゴメンね~。こいつ口が悪いからさ~」
「佳世が言いたいのはさ、せっかく覚えたのに すぐ辞めたら勿体ないって事よ。一年もたたず辞めますって言うのも嫌だろうしね」
「 はぁ?アタシが言いたいのは教え損だから無駄な労力使わせるなって事よ!!」
「はいはい。ありがとう、アタシのために」
神谷さんが佳世さんを抱き締める。
「暑苦しいわ!!」
「「ツンデレ~」」
「やかましいわ!!」
わ、わ~(泣)
胎教にメッチャ悪そうですよ、皆さ~ん!!
でも佳世さんが指導係の神谷さんのことを思っての発言だと知る。
確かに苦労して教えたのに辞められたら たまったもんじゃないよね……。
「てかさ、あのハゲ散らかした工場長の息子がイケメンてどうよ?あ、すいませ~ん。ハイボールください」
と神谷さん。
「息子も将来ハゲ散らかすんじゃない?あ、アタシは芋焼酎ロックで!!」
と並木さん。
「あんたら酔ってりゃ何言ってもイイと思ってんじゃないわよ?あ、唐揚げ二人前ね」
と夏世さん。
二人は よく飲むし、佳世さんはよく食うし、呆気に取られて箸が動きません(泣)
「いいな~。アタシも結婚したい!!」
「しろしろ!相手は人類か?」
「くそ!!もう宇宙人でもイイから誰かアタシを拐いにこーーーーーい!!」
「よし!!皆で宇宙人を呼ぶわよ~!!」
叫んだ神谷さんのセリフに並木さんが悪のりして二人で両手を天井に掲げだした。
「ほら!!夏世も飛山さんも!!」
思わず助けを求めて佳世さんを見ると無表情で両手を上げてた。
え!?えーーーーーー!?
「でもまだ智恵子はイイわよ、彼氏いるもん」
「来年には結婚だな」
二人がニヤニヤしながら言う。
「え?並木さん、婚約者がいたんですか!?」
いやまぁ美人だし、いない方が不思議だけど結婚目前だったなんてビックリ。
「結婚しないよ。別れたから」
なんでもないことのように並木さんが答えた。
「「「えっ!?」」」
三人が一同に聞き返す。
「だからアタシも宇宙人 呼び寄せないとね」
てへっと笑った。




