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この恋に殉ずる(完結版)  作者: 熱湯甲子園
お仕事ちゅ
53/68

お仕事、初日です!!

いよいよ……

いよいよ初出勤です!!

やはり緊張します!!


「飛山さん、そんな固くならずリラックス、リラックス」

人事の谷川さんが笑いを押し殺しながら言う。

「は、はい!!」

スタスタと前を歩く谷川さんについていくと班長と呼ばれる若い女の人を紹介された。

「神谷です。今日は、お徳用詰め合わせセットの箱詰めをしてもらうから よろしくお願いします」

「は、はい!!」

「ゆっくり頑張って。慣れるまでは焦らなくてイイからね?」

「は、はい!!」

そして紅茶の茶葉が入った小さな箱の担当になった。

「6種類の箱を入れるんだけど、これは丸いから隙間にコレを入れてね?」

と、紫のクルクルとした細長い紙の束を渡された。

「は、はい!!」

「で、隙間なく全部が収まるようになってるから、ちゃんと入れないと後ろの人が大変だから。分かるよね?」

「は、はい!!」

流れが止まるだけじゃなく、その人のパフォーマンスにも影響するということだ。

「ベテランばかりだから一番最後にしてあげても良かったんだけど、最後の人は角がつぶれてないか検品してるみたいだから新人には無理だって言われちゃったのよ」

「い、いえ!!大丈夫です。ど、どこでも やれないとダメですもんね」

「そうね、頑張ってね」

「はい!!」

なんて やり取りをしていたら開始のチャイムが鳴った。

よ、よし!!




で、どうなったかと言うと……


惨敗(泣)


途中からラインに神谷さんも入ってくれて何とか後ろの人に迷惑をかけないで済んだけど、箱に詰めるという簡単作業なのにピッタリとはめ込む事の難しさを知った。

食事時のピークでの経験があるから大丈夫と余裕ぶっこいてましたが、慣れるまで大変そうだわ~(泣)

と、密かに落ち込んでいると、私の横を妊婦さんが通った。


あの人も社員さんなんだ。


と、思った瞬間、

「誰かさんのせいでラインとまっちゃったわ」

「………」


か、か、かなり大きな独り言でしたが、あきらかに私の事だよね?

オバチャンズの佐々木さんで嫌味ってのは鍛えられてるつもりだったけど……。


妊婦さんが そんなこと言うの~!?


顔面蒼白です(泣)

胎教に悪いですよね?

すいませ~ん(泣)

午後からの仕事、大丈夫かな~(泣)




フラフラになりながら寮に着く。

肉体的にも精神的にも打ちのめされて初日は散々でした(泣)

さささっとお茶漬けをかっ込んで熱い風呂に入り、バタンとベットに倒れこむ。

「私、やってけるかな……」

お昼も食堂で一人だった。

誰も声なんかかけてくれなかった。


社会人になると そういうもんなのかな?


あの佐々木さんですら辛気臭いから こっちいらっしゃいって一緒に食べてくれた。

今になって、バイト先の皆の温かさが身に染みる。

「私、就職先 間違えたかな~」

ぼそりと呟くと涙が出た。







新垣さんに会いたいな……

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