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この恋に殉ずる(完結版)  作者: 熱湯甲子園
ラブラブちゅ
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お別れ

大どんでん返しのような新垣さんの爆弾発言に お約束の「騙されてる!!」とか「脅されてる!!」とか皆 言いたい放題だった。

その後も どんちゃん騒ぎのような毎日を過ごし、あっと言う間にバイトの最終日になった。

「神楽ちゃんと一緒に働けて楽しかったわ」

「また絶対 絶対 遊びに来てね!!」

ぎゅっと抱きしめられながらオバチャンズと最後の挨拶をかわす。

「仕事きつかったら辞めてこいよ」

「嫌味なヤツがいたら すぐ言えよ?ぶっとばしてやるからな!!」

おっちゃんズも涙目で応援してくれた。

「ありがとうございます!!私も皆さんに出会えてホントに幸せでした!!ありがとうございました!!」


ちゃんと言えた……。


胸が熱くなる。

ここで働けてホントに良かった。


「来年の今頃は腹に子供がいるかもな」

ふいに おっちゃんが呟く。

「あら、三人くらい連れてくるかも知れないわよ?」


え?ええ!?


「新垣さんも年が年だしね~」

「つうか、まさか神楽が あのフロマネを落としてくるとはビックリだな」


アタシもビックリですよ~。


「でも気が気じゃなかったわよ~。健気な片思いを応援してあげたかったけど、あの新垣さんだからね~」


……え?


「ホント ホント。見てて切なかったわよ~。いいように利用されてたから~」


ええ!?


「な、なん、なんで…!?」

「「「だって丸分かりだったよ」」」


ひええええええ!!


「でも良かったわぁ。あの頃の新垣さんだったら全力で反対してたと思うけどね」

「神楽ちゃん効果よね、丸くなったもの」

「そうそう、人の皮を被った悪魔だったからな」


おいおい、えらい言われようですけど後ろに本人いますよ~(泣)


「幸せになるのよ~」

「結婚式には呼べよ~」

温かな声援に見送られ新垣さんの車に乗り込む。









「よくもまぁあれだけ悪く言えたもんだな」


で、ですね~(泣)


「まぁそれだけ お前が可愛がられていたってことだから責任重大だな」

ポンポンと頭を叩かれる。

「さぁこれで後は卒業式だけか?」

「そうですね~。その後は寮に荷物 運んでもらって、夏樹と旅行に行って、はれて社会人です!!」

えっへんと胸を張る。

「そこに1日、実家にいく日を入れろ。二人で挨拶に行くぞ」

「あ、はい……」












卒業式はつつがなく終わり、辰吉さんたちの おかげで無事に引っ越しして夏樹との旅行に出かける。

場所は乙女 憧れの京都!!

ここだけは女同士で行きたい!!

舞子さんに変身したり、美味しい和菓子に舌鼓を打ったり、はんなりと古都を ぶらり旅なのだ!!


まぁその後、若者らしくUSJでも遊び倒しますけどね~。


「土壇場で新垣さんが手伝いに来れなかった時は、こいつ面倒くさくて ずる休みしたな!!て思ってたわ」

「店に車が突っ込んできたとかで大変だったし仕方なかったんだよ~」


夏樹は微妙に?新垣さんには点数きびしいなぁ。


窓際の夏樹の後ろに富士山が見える。

「…こうやって二人での旅行は最初で最後かな~」

つい呟く。

「今度からは四人で行けばいいんだよ。こういう時、男も知り合い同士ってのは都合いいよね~」

ニコッと夏樹が笑う。


……新垣さんは二度と嫌だと言ってましたがね~(泣)


「あ、そだ。結婚おめでとう!!」

「あ、うん。ありがとう…」

なんか照れるな~て はにかむ夏樹は すごく綺麗。

「よく許してくれたね」


絶対 長引くと思ってたのに~。


「おばあちゃん出てきたからかな?」

「おばあちゃん?」

「あんたらだって駆け落ち同然で結婚したじゃないか!!て説教してくれたんだよ」

「駆け落ち!?」

あのセレブを絵に書いたような夫婦が!?

「さらに言えばアタシが読モで稼いでたお金、勝手に使ってたらしい」

「えーーーーー!?」

「アタシは別に気にしてないけど、そこ突かれたら弱いみたいで なんだかんだ言いながら許してくれたわ」

「へ、へぇ」


涙なしでは語れない美談を想像してたんだけど……こりゃ おばあちゃん敵に回せないね。


「まぁそれも たっつんが おばあちゃんに気に入られたから味方になってくれたんだと思う」

「そうなの?」

「あの手のタイプは親世代より あの世代に受けがイイのかもね」

「まぁ辰吉さんの ただものではない雰囲気とか包容力とか普通の人が見たら正体不明で逆に怖いとか思われちゃうかもね」


なついちゃうか、その逆か~て感じになるよね。


「どっちにしてもアタシは たっつんと結婚できるなら なんでもいいんだ」

「うんうん!!そこ重要!!」

鼻を付き合わせて笑う。

「おめでとう!!夏樹」

「ありがとう!!次は神楽だな」

「えーーーーー!?」

「驚くことかよ。実家に行きたいって そーゆー意味だろ?」

「言われてない!言われてない!!」

「なら何しに行くんだよ」


うっ!!


「夏樹ぃ、もうやめて~!!考えるの怖くて なるべく考えないようにしてるのに~」

びぇぇんと泣きつく。

「ああ、なるほど。ごめん ごめん。覚悟がない訳じゃないなら安心したわ。もう言わないから泣かないの」

夏樹に よしよしされる。


そうなのだ。私は鈍感でも天然でもなく、ただ考えたくなくて気づかないふりをしてるんだ。


「てか寮じゃなくて、そのまま新垣さんの家に引っ越せば神楽も悩まなくて良かったし引っ越し代も浮くのにな」

「それは一緒に住む気がないからじゃないの?」

「はぁぁ!?それはないわ。プロポーズまがいの独占欲さらしてたんでしょ?あのオッサン!!」


オッサンて……。


「だって何も言われてないもん」


冗談なのか本気なのか分からない鈍行列車の話も結婚したら家に入ってほしいって話も確定ではなかった。

それに……。


「私たちキスしかしてないしね」

「……………………え?」

「子供すぎて手が出せないのかなぁ」

「ま。まさかの不の…」

「ふの?」

「あ、いやいや。殺されるわ」


なにが!?


「まぁそこは大事にされてると思っておこうよ。たっつんだってインコーだがエンコーだかで捕まるって なかなか手を出してくれなかったからね」

「あの法律って恋人同士でもダメなの?」

「一度ネットで調べたら真剣交際ならイイって書いてあったね。ただ別れた時に もめると訴えられるとかって書いてあったから、真剣なら抱いてくれって迫ったわ」


初めては夏樹からなんだね~(泣)


「常識をかさにきて動けない臆病者には こっちから行動しないと何も進まないよ?」

「そ、そうか」


確かに新垣さんは高校生ってことがネックになってた気がする。

でもそこは卒業したし大丈夫!!

あとは、もしかしたらタイミングの問題だったのかも!!

卒業旅行シーズンで何かと大忙しだもんね。


「ありがとう夏樹!!私も頑張ってみる!!」

「よし!!京都ついたらエッチな下着も見て回ろう!!」

「ええ!?」





それ、夏樹が見たいだけじゃないの~!?(泣)

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