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この恋に殉ずる(完結版)  作者: 熱湯甲子園
片思いちゅ
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急接近?だと思いたい

女子更衣室の大きな姿見の前でポーズをとってみる。

昨夜は、許容範囲を大きく越えた新垣さんの言動に脳ミソがついていかず、なかなか寝れなかった。

私の憧れの人って、あんな人だったかしら?なんて思い返しても優しくクールな彼しか思い出せない。


きっと私の記憶違いだわ!!

新垣さんにかぎって「胸あるんだな」なんて言うわけないもん!!


「わっ!!神楽ちゃん何やってるの?」


ギャッ!!だっちゅうの、見られた~(泣)


「わ、わ、私って子供っぽいですか?」

照れ隠しにオバチャンに聞く。

身長152センチでチビっ子だけど、もう18だし来年度は社会人だし、色よい返事が返ってくると思っていた。

「子供っぽいって言うか…ダサい?」


ぎゃっ!!

顔面に来るかと思ったパンチがボディにきた!!

これ、ジワジワ痛む…。夜中に泣くかも…。


「ちょっと言いすぎよ~。まぁ神楽ちゃんは化粧してないからね~。だから、時々うちの子より年下かな?って錯覚したりするけど~」

慰めるように後から入ってきたオバチャンが言う。

「あんたんトコ中学生じゃなかった?」


も、もう やめてください(泣)


「仕事いきます…」




手際よく素うどん、カレーうどん、キツネうどん(うどん率たけ~な)を作っていると、新垣さんがお土産コーナーの責任者に声をかけているのが見えた。

彼は、ライスなクラブのヴォーカル並みの少しクドイ顔(あ、好きな人になんて言い方…まぁ仕方ない。似てるから)をしていて、ある意味イケメンだ。

ここに年頃の女の子がアタシしかいないので どこまでモテるかは分からないけど、夏休みゆえに多い観光客のお姉様達がチラチラ視線を送っては何やら語り合うくらいにはモテるみたいだ。

などと分析してると頭を小突かれた。

「手が止まってる!!仕事しろ」

「新垣さんモテモテですね!!」

「あほ。イイから手を動かせ!!」

「はぁぁい」

去り行く後ろ姿を目の端にとらえながら うどんを盛り付ける。


今の見た!?

頭コツンよ?

なんか昨日の火傷から急激に距離が近づいたと思わない!?


ニヤニヤしながら出汁と油揚げを乗せる。

昨日のイタズラっ子のような笑顔を思い出す。

いつも怒ってるのか?ってくらいキリリとしている新垣さんでも好きな人の前ではデレッとなるのか


な?

わわ!!

ツンデレ興味なかったけど、イイなそれ!!

見てみたい、新垣さんのデレ(笑)


なぁんて妄想していたら、

「神楽ちゃんキモいわよ?」

と、オバチャンに言われた(泣)

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