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この恋に殉ずる(完結版)  作者: 熱湯甲子園
お付き合いちゅ
34/68

お説教

「………」

「………」

な、なんだか間抜けな空気が流れる…。


え、えっと…どうしよう(泣)


なんちゃって裸エプロンの女と一部分が元気いっぱいの男…。


いやぁ、文字にすると かなり卑猥だな~(泣)


「とりあえずエプロン外して何か着ろ…」

「は、はい」

慌てて立ち上がるとクローゼットからワンピースを出して、脱衣所に駆け込んだ。




身なりを整えて、深呼吸して部屋に戻る。


なんだろ…さっきの私、自分でもすこし おかしかった。

なんだか足元が ふわふわして思考が うまく働かなくて…なんだったのか分からないけど、なにもなくて良かった~(泣)


チラリと見た新垣さんの…は、落ち着きを取り戻していた。


ほっ


「まぁ、そこ座れ」

「…はい」

座卓を挟んで向かい合う。

「落ち着いたか?」

「はい…」

嵐が過ぎれば、残るのは後悔と羞恥心。


…穴があったら入りたいです(泣)


ただでさえ小さな体を更に小さくしている私。


はぁぁ、と新垣さんの ため息。

「ごめん、なさい…」


泣きそう…。


「…気なのか?」


え?


「本気なのか?」

真剣な顔で聞く。

「はい…」

「そうか…」




長い沈黙…。

新垣さんの顔が見れなくて俯く。


終わりになるのかな…。

もう普通に話すことも出来なくなるかもしれない。


そう思ったら涙が出てきた。

思いを伝えなかったら、せめて こんなバカな事に付き合わせなかったら、もしかしたら年の離れた友達くらいには なれたかもしれない。

それでも、後悔はしてない。

だって動かなかったら、恋人ごっこなんて幸せな時間訪れなかったはずだもん。


「神楽、こっちに来い」

ベットに腰かける新垣さんと反対側の壁に埋まりそうなくらい離れている私。


え、えと…


「来いよ」

私は恐る恐る近づくと腕を掴まれて引き寄せられた。

瞬間、ドスンと新垣さんの胸に収まる。

「ぐほっ!!」

「わ~(泣)ごめんなさい!!」

「ごほっ。いや、大丈夫だ…」


私の石頭が新垣さんの胸を強打したけど、私は全然 痛くないのは なんででしょうね~(泣)


胸を擦りながら むせていた新垣さんが、そのまま くつくつと笑い出した。

「お前といるとホント飽きね~な」

そう言うと、堪えきれないと言うように爆笑した。


え、ええ!?


肩をガシッと掴まれて新垣さんの膝に座っている私はオロオロするばかり…。

「あ、新垣さん?」


ビールが脳内に侵略されました?


目の前で手をひらひらさせてみる。

涙目の新垣さんが それを見てニヤニヤした。

「大丈夫、俺はまともだ」

そう言ってまた爆笑した。


新垣さんが壊れた~(泣)


ひとしきり笑った後、私が手渡したティッシュで涙を拭く。

「明日、腹筋が筋肉痛なるな」

と、また少し笑った。


もう!!なんなんだ!!

新垣さんはスッキリしたかも知れないけどね!!

私は何が何やら分からずにイライラMAXじゃ~!!


肩を捕まれてるし、膝に座ってるからチビッ子の私は足が床についてなくて逃げらんないからね!!

それすらムカつくから顔だけ思いっきり そっぽを向いてる。

「神楽?」

私の異変に気づいた新垣さんが私を呼ぶ。


無視だ!!


「神楽」


む~し~!!


「神楽ちゃん」


ビクッ。


私に反応がないのが むしろ楽しいと言うようにホッペをツンツンしてくる。

「神楽ちゃん、こっち向いてくだちゃいな」


ぎゃ~!!

新垣さんの赤ちゃん言葉、普通にキモいッス~(泣)

と、と、鳥肌~(泣)


て、いやいや。

時々 本気で忘れそうになるけど、この人 私の好きな人でしたね…。

どうどう。落ち着きましょう。


私が荒い息を整えている間も新垣さんの赤ちゃんプレイは続いています。


…いっそ殺してくれ(泣)

なんて、心で思ってるとは知らんのだろうな~(泣)


「なぁ、こっち向けよ…」

しびれを切らしたのか、新垣さんが低く囁いた。


わ、わ~(泣)

これは、これで体に毒だ~!!

耳元禁止です~!!


ふるふるとお耳をふさぎながら震える。

「神楽、聞いてる?」

「き、聞こえませ~ん」

「聞こえてんだろ!!」

ポカッと軽く叩かれる。


え~ん。

逃げたい!!けどロックオンされて逃げれません(泣)


「神楽…こっち向けよ」


い~や~だ~(泣)


「神楽…」

耳にくっつくくらい唇を近づけてきた。


ぎゃ~!!変態~(泣)


声にならない声で見悶える。

そんな私を見て、小さく吹き出す新垣さんが本日 一番の爆弾を投下した。






「好きだよ…」

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