表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この恋に殉ずる(完結版)  作者: 熱湯甲子園
お付き合いちゅ
31/68

大切なもの

ピンポ~ン


「お、おかえりなさい!!」

「…ただいま」

私の無茶ブリのお迎えに、ちょっと苦笑しながら新垣さんが答えてくれた。

「お風呂にします?ゴハンにします?それとも…」


ポカッ!!


「ぎゃっ!!痛い!!」

「いらん事ばっか覚えやがって」


だって~。やってみたかったんだもん(泣)


新垣さんのスーツの上着をハンガーにかけて、エプロンつけて仕上げにとりかかる。

筑前煮は二日かけて炊きあげたからイイ色になってるし、ホウレン草のおひたしも 卯の花も上手に仕上がっている。

それを小鉢に盛って、お麩と三つ葉の簡単お吸い物を添えれば完成!!

「ゴハンは大盛りで良かったですか?」

新垣さんの目を見て聞くと、パッと視線をそらされた。


な、なんでよ~(泣)

私また何かやったんか~(泣)


「エプロンやべ~な…」

何気に頬が赤い。

「いつものエプロンですけど!?」

気づいてなかったのかと、少し投げやりに言う。

趣味はエプロン!!といっても過言ではないくらいのエプロン好きなので いつも お気に入りが見つかると同じのを洗い替えも合わせて二枚購入するのだ。

「見慣れてますよね?」

「いや、まぁ。…うん」


なんなんだ?歯切れが悪いな…。

こういう時の新垣さんは爆弾発言の予兆なんだよね~(泣)

嫌だな~。


「新垣さん!!はっきり言ってください!!」


バッサリ切ってくれ!!


「…かエプロンみたいだなと思って」

「はいっ!?」


聞こえん!!


「裸エプロンみたいに見えるんだよ!!」

「ええぇ!?服ちゃんと着てますよ!!」

キャミソールとショートパンツだけど。

「服がエプロンに隠れて見えね~」


ぎゃ~!!


「変態っ!!」

「男は皆 変態なんだよ!!」


ぎゃ~(泣)

開きなおった~(泣)


「だいたいな!!そんな格好で男を部屋に誘ったら間違いなくヤられるぞ!?」

「ええ!?私そんなつもりじゃ…」

今日は残暑も厳しくて暑かったし、風呂上がりに 夏樹からの爆弾発言で熱が引かなくて身軽な服装のままだった。


裸エプロン…

ちゃんと服は着てたけど、新垣さんの中ではアタシは素っ裸だったんだ…。


そう意識したら、カ~と全身から汗が吹き出した。


熱い、熱いよ~(泣)


チラリと見れば、新垣さんの顔もさっきとは比べられないくらい赤い。

「な、なんか変な空気なってきたな…」

「で、ですね。あ、ゴハン!!ゴハン食べましょう!!」

「お、おう!!」




カチャカチャと食器の音が響く。


む、無言~(泣)

ゴハンで場の空気を変えたはずなのに変わってませ~ん(泣)

え~ん!!

いつもなら新垣さんがアホって突っ込んで終わるのに、なんでかモクモクと食べてんだよね~(泣)

どうした、新垣!!

今こそ、君の鬼畜オレ様発言の出番だぞ~(泣)


と、心の中で叫んでる声が届いたのか、新垣さんが顔をあげた。

「お前といるとさ…。中坊ん時の恋愛 思い出すわ。まぁあん時は好奇心のが先にたってて、もっとギラギラしてたけどな。なんか、通りすぎて見落とした大事なもんを取り戻してるのかな?って思う」

懐かしそうに遠くを見てる。




「恋人ごっこ…きっと、お前より俺の方が楽しんでるんだろうな」

遠くを見るように笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ