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この恋に殉ずる(完結版)  作者: 熱湯甲子園
片思いちゅ
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三年目の片思い

高校生になって一番にしたことはバイトの面接。

学校と家の真ん中を通る高速のサービスエリア。

そこのフードコートの調理場。

料理は嫌いではない。

ゆえに苦ではないが場所が場所だけに働く年齢層は高め、そして客層も…以下同文。










「神楽ちゃん。ハンバーグを倉庫から持ってきて~」

すれ違い様に指示を出された。

「はい!!」

私は持っていたウドンのストックを近くのオバチャンに渡してUターンした。




なんとなくで決めた職場だけど、ここに決めて良かったなと心底思う。

休憩になると お菓子をくれるオバチャンたち。

下ネタ満載で声をかけてくるトラックの運転手のオッチャンたち。

そして…、不馴れな私に根気よく仕事を教えてくれたフロアマネージャーの新垣さん。

28歳にして場を仕切っているだけあって仕事のできる人だ。

最近でこそ、あまり話す機会はないが入った当初は それは優しく手取り足取り教えてくれた。

嫌味なオバチャンに厳しく怒られた時は背中を撫でながら慰めてくれた。

恋愛経験もない高一の少女が恋に落ちるのに時間はかからなかった。




高校3年の春に大学には行かないと言ったら、ならウチに来い!!と行ってくれた。

嘘でも嬉しいと思った。


私の淡い恋の相手…。

10歳年上の新垣さんには、私は どう写ってるのかな…。







最後の夏休み。

高校生が働ける目一杯シフトを入れた。


少しでも長く一緒に居たかったから。

と言っても休憩が合う事もなく、仕事中にチラリと姿を垣間見るしかないんだけどね(泣)


なんて思いながら、熱々のコーヒーをマグカップに注ぐ。


あ!!

厨房にリップ忘れたわ…。

唇が荒れやすい私には必需品!!


コーヒー片手にドアを開けようとしたら、自動ドアだったっけ!?てなくらい勢いよく開いた。

こちら側に飛び込んできたドアとの間合いが掴めず、ぶつかった拍子に手に持っていたコーヒーが胸元にかかった。

「熱っ!!」

焦げ茶色の液体がピンクのTシャツの色を変えていく。

「うわ!!大丈夫か!?」

頭上から飛び込んできた声と同時に腕を掴まれて足早に洗面台に連れて行かれた。


新垣さん!!


「火傷してるからもしれん!!服を脱いで水で冷やせ!!」

真剣な顔で私の目を見る。







服を…脱ぐ!?

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