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第5話〜神秘の力と紅葉のお供と僕〜

調子がいいです。

だから更新できました。


でもそういう時ほど失敗が多いものです。

なので気を引き締めて行きたいと思います。


誤字脱字がありましたらご一報下さい。

記憶の整理を終わった僕の前には、腰に手を当て、自慢気な玉葛と軽くリズムを取りながら体を動し、無邪気な笑顔でいる紅葉がいた。

「晴信も記憶をやっと思い出したようだな」

よかったよかったと頷く。

さっきから自慢気にいるが、封印を施したのは玉藻さんだし、この裏技を考えたのは葛葉さんだ。

本来、神隠しにあった人を元の世界に帰す場合は記憶を消さなきゃならない。

それをこんな風にやったのは色々セコい気がしてならないが、玉葛と再会出来たのは喜ばしいコトなので何も言わないコトにする。


「それより玉葛、ツツは? 連れて来てるでしょ?」

「ん? あぁちゃんと居るぞ。ほら受け取れ」

玉葛が紅葉に向けて赤い玉を投げた。

紅葉はそれを難なく受け取ると愛おしそうに撫でて、

「こら、玉クズ! 人のペットを大事に扱いなさいよ」

玉葛を怒った。

「あっ、今、玉クズって言った。“くず”を“くず”に変えて言ったな。せっかく大事に守ってかつ、持って来てやったんだぞ。この枯れ葉」

玉葛も負けじと怒る。

「枯れ葉ですって……紅葉こうようは枯れたわけじゃないわよ」

「わ、私だって。わ、私の葛は植物の葛であって、ちり屑の屑じゃない」

喧嘩が始まりました。

「さっきから気になってたけど……玉葛、『わたし』って一人称に全然慣れてないでしょ。どもってるわよ」

「うっ……こっちの世界で『ワラワ』だとマズいかなぁって……って何言わすか!」

まぁほっといても大事かな。

すぐに仲直りするし、二人の一種のコミュニケーションみたいなモノじゃないかな?

「「恋敵、手強いからこそ燃える恋」」

息を切らしながら叫ぶ二人は、ガシッと握手をし、互いを誉めあっている。

仲良いなぁ。

言ってる意味はわからないけど。


互いに誉め終わった紅葉は、先ほど玉葛から受け取った赤い玉を撫でながら呟いた。

「コレ……どうすればいいの?」

へ?

「葛葉さん……どうしたらいいんですか?」紅葉は泣きそうな顔で葛葉さんに助けを求めた。

赤い玉……記憶にある形とは違うが、ツツを紅葉に渡したのは葛葉さんだ。

正体はよく解らないが、主従関係を結んだ相手に対価と引き換えに神秘の力を与えるというあの世の生き物である。

紅葉があの世で元気いっぱい生活出来たのはツツのおかげである。

「紅葉さん、アナタの神秘をツツに流し込むのですよ。流し込み過ぎるとアナタの命を失いますよ」

「はい」


紅葉が目を閉じ、集中し始める。

神秘が弱い紅葉が、ツツ無しに神秘を使用するのは命がけである。


そもそも神秘とは何なのか、結論から言うと、生命を保つに必要な力で、かつ上手く扱えば魔法めいたコトを使うことのできる力である。

だから神秘が無くなれば死ぬし。

莫大な量の神秘を使えば寿命を延ばせる。

かと言って神秘が少ないから寿命が短いとか、神秘が多いから寿命が長いという事はないので注意が必要である。

あくまでも寿命を延ばすには、莫大な量の神秘が必要なのである。

だから1000年近く生きている葛葉さん玉藻さんはどれだけ凄いの?

という話になる。


神秘について知識の復習していると、赤い玉状のツツに変化が起きた。

むくむくと表面が動き、ピチッと固まっていた毛皮がフサフサとし始めた。

そして、ゆっくりではあるが、玉の形から別の形、本来の形である狐の様な姿に変わった。

何故、狐の様な姿という表現かというと、ツツの姿は、確かに狐なのだが、サイズがチワワぐらいで、かつ寸胴でフサッとした体型をしていて狐と言うには少し抵抗があるからだ。

「くぅ〜」

「ツツ、何? くすぐったいよ。寂しかったの?」

可愛らしい声を上げたツツは、紅葉の体中を這い回っている。

特に、首周りを……

「紅葉さん、ちゃんと契約を守りなさいよ」

「はい。……ドッグフードで大丈夫かなぁ……」

葛葉さんに注意され、ブツブツ呟く紅葉。

葛葉さんの言う契約とは、紅葉がツツから神秘を貰うためにした契約だと思う。

詳しくは知らないが、ツツのご飯を必ず紅葉が用意していたのは無関係じゃないと思う。


ふと一つ疑問が浮かぶ。

玉葛はどこで暮らすのだろうか?

どこかにアパートでも借りるのだろうか、それとも葛葉さんや玉藻さん達と一緒に暮らすのだろうか。


悩んでいると玉葛がよってきた。

「ところで晴信。お前の家に、空きの部屋はあるか?」

ん?

無いことも無いが……てか2つ、3つ空いているが……それが……っ!!!

も、もしかして……

「よかった。空いているのだな。こっちに来たのは良いものの、うっかり住むところを用意するのを忘れていてな……おっ、その顔は気付いたな。とりあえずは晴信の家に住むことにするコトに決めたからよろしくな。……しっかし晴信は凄いな。言葉を使わず、表情だけで気持ちを伝えられるのだからな」

玉葛はうふふと無邪気に笑う。

うん、ありがとう……っておい!

そんな勝手な……

「嫌なのか?」

うっ……。

捨て犬みたいな表情はよしてくれ。

……別に嫌じゃないよ。

五年前のコトもあるし……

「そうか! なら心置きなく住めるな。」

一気に周りが霞むほどの笑顔になる玉葛。

だが、確かに感じる殺気のおかげで僕は生きた心地がしないのだ。

僕は、ゆっくりと殺気の発生源へと向きを変えた。


向きを変えた先にいたのは紅葉。

ただその姿は、弓を絞る様な姿勢で止まっている。

目を凝らすと、後ろに引いた右手が薄く赤い色の光をまとっており、前へ伸ばした左手までその光がうっすらと伸びていた。

紅葉の周りもまた、右手から左手へと伸びる光に沿うように風が流れていた。

「ななな何言ってるのかなぁぁぁあああ?」

紅葉さんご乱心!?


「ふっ! 晴信の家に住むと言ったのだ」

玉葛さん!?

紅葉を挑発する玉葛。

玉葛もまた、八本の尻尾を広げ、1つを体の前、8つを尻尾の先で火の玉を作り、構えている。


なに?

マジバトル?

僕の入る余地は………


煌めく一筋の閃光と爆音。

蛇行する九本の筋と爆発音。


………無いです。



調子に乗っていますが、多分一週間ぐらいでつまずくかと思います。


質問はこの小説のことなら何らかの形でキャラが答えます。

さすがにネタバレの恐れのある質問はそのキャラなりにはぐらかさせてもらったりします。


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