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第35話〜文化祭、ベストカップル最後の種目と僕〜

気楽に行こう!

祝3万人!

気楽に行こう!

「さぁぁて、最後の種目の前に順位発表!! 順位がついてたのかって? 当然でしょ。競っている以上はついてますとも。ですが、結局はオマケみたいに、ついでで付けていた物なんであんま気にすんな!! ちなみに一位だったカップルに五点。五位だったカップルには一点と、加点されてます。他の順位だった場合、何点なのかは察しろ」

 いい加減だなぁおい!!

 ヤバい……なけなしの体力を使ってまでツッコミをしてしまった……。

 こんないい加減な司会で良いのだろうか、かなり早い段階で思ってたけど、ダメでしょこの司会者!!

「ではでは、第一位、安森古山九尾カップル。九点。安森く〜ん、いっぺん吊される??」

 お断りします。全身全霊でお断りします。

 観客の方からも『どうかぁ〜ん』とか聞こえて来るけど聞こえません!!


「第二位、橘槻ウンディーネカップル。七点。なにも言いません。言えません。てか言えないよ!! 見せ付けやがって! お幸せにっ!!!」

  何があったんだろ……かなり悲痛な叫びに聞こえる……。


「次は同着三位、鈴木石本カップルと加西設楽カップル。六点。まぁ普通〜って事で、お幸せになっ!!」

 グッと親指を立てた手と良い感じの笑顔を向ける天枝さん。

 なんか態度の違いが気になる。


「あぁ……残念でも無い話なんですが、と言うより、皆さんも知っていますが、一応お知らせします。あの見るに耐えない汚カップルには速やかに退場して貰いました。やったぁ!!!」

 天枝さんの声に便乗してか、歓声を上げる観客。

 そうとう嫌われてたんだ……。


「さてさてのさて、お待ちかねの最後の種目!! 『ラブってコクって始まる。愛を示して! 表して!! 囁いて!!!』だぁ!! ルール? そんなもんは無い!! 有るけど無い! とにかく男女共に相手への愛を示せ! 表せ!! 叫びやがれ!! …………要するに好きなだけノロケてくださいって事です。さっきの順位で一位だったカップルからどうぞ」


 一位からって事は、僕らからだね。

 ………………っていきなり!?

 無理無理!!

 僕なんにも考えてないし、ノロケろってどうしろと!?

「ちなみに、ここにいるカップル達にはあらかじめ、競技をお知らせしてあるのですが、安森晴信てめぇは羨ましいんだよバカ野郎君は半ば拉致って来た影響で競技を事前に説明出来ませんでした。だから取り繕いの無い素の愛情表現が出てくると思いまぁす」

 お、鬼がいます。

 皆さん!! ここに鬼がいます!! って皆さんもあの鬼と同じ表情!? 皆さんも鬼だぁ!?


「はいこれ。マイクね。言葉だったらこれ使って会場中に聞かせてあげてね」

 いつの間にか舞台の中央に来ていた。

 そして、あの鬼こと天枝さんがマイクを持ってきていた。

「あっ、じゃあ私から」

 それを紅葉が受け取る。


「ハル、私ね。ハルと一緒に居るのがすっごい幸せなの。安心して笑ったり泣いたり、そのまんまの自分でいられる。そんな幸せをハルが私に感じさせてくれるの。それにハルは、私の暗くなった道にまた光をくれた人。だから……失いたくない。支えになりたい。そばに居たい。いつまでも……ずっと……。だから決めたよ。ずっとずっと一緒にいるって。大好きだよ。 ハル」


 静まり返る会場。

 そして、ざわめく事も許されないような雰囲気の会場に響く声。

「姐さ〜ん!! 俺ら……俺ら闘恋隊が姐さんのこと応援しまぁす!! 俺ら闘恋隊のメンバーは、古山紅葉の恋を支える会のメンバーっすから〜」

 闘恋隊の皆さんだ!

 みんな涙しながら叫んでる。

「うぉぉ!!! 俺もその会に入った!! 俺も応援するぜ!! てなワケで次九尾さんどうぞ」

「ワラワの番か。くしくも紅葉と似たような表現になってしまうが……まぁこれが一番ワラワの気持ちを伝えるのだから仕方あるまい」

 と前置きを言いながら紅葉からマイクを受け取る。


「晴信。あの時、晴信が居なければ、ワラワは暗い部屋で孤独に耐えるだけのつまらない女になっていただろう。晴信が変えてくれたのだ。晴信が明るい部屋の外にワラワの居場所を光照らしてくれたのだ。だから……ワラワは決めたのだ。ワラワは……晴信と一生涯共にあると……。晴信。今のワラワは晴信の為にあるようなもの……それを忘れないでくれ。大好きだぞ。晴信」


 なおも静かな会場。

 そして、また響く闘恋隊の声。

「玉葛の姐さ〜ん。貴女は俺ら闘恋隊の命の恩人です。俺ら、その事を忘れない為に、そして恩返しのためにも、九尾玉葛の恋を支える会の設立を宣言します!!」

 えぇっと……凄い事になってます。

 闘恋隊の言う会に入りたいという人達で会場が一時騒然となっています。

 司会でこの騒ぎを収める立場に居るはずの天枝さんもこの騒ぎに加わっているらしく姿が見えない。


「おおっと! これも大切だが、まだ大切なコトがあった! 安森晴信てめぇこの子ら裏切ったら学校中敵に回すぞごらぁ君がまだです。サクッとやってもらいましょう! サクッと」


 あっ!! それどころじゃなかった!!

 ななな何言えばいいんだ? 何すればいいんだ?

 そもそも誰に対して? 玉葛? 紅葉?

 え、えぇっと……はじめの言葉って本日はお日柄も良く……ってこれ違うよ!?

 そもそも、ノロケるってどうすればいいんだ!?

 ノロケ、ノロケ……ノロケ…………好き?


 好き…………なのか? 僕は…………。

 あの玉葛の時だって、こんな可愛い子がこんな目にあってて良いわけ無いって思ったから……紅葉の時だって……。


「あれあれ? 安森晴信てめぇいつまで考えていやがる君? 本当に大丈夫かい」

 ぎゃっ!!

 天枝さん!?

 なんでいきなり天枝さんのどアップなの!?

 ってマジどうしよなにしよ、こうしよう!!!

「早く早く! いい加減にしろよこの野郎!」

 笑顔ではやし立てない下さい!

 今やりますよ!!


 スーッと深く息をする。

 僕ならでる。僕でもできる。やればできる! やってやる!

「闘恋隊!! 道を空けて! 玉葛、紅葉逃げるよ」

「「えっ??」」

 僕は急いできょとんとする玉葛と紅葉を小脇に抱え舞台を飛び降りた。

 闘恋隊も、その僕の行動を見てやっと動きたした。持ち前の人相を使い、モーゼの海割りの様に人の海に道を作った。

「おらっ!! 道を空けろ! あにさんが通るやろが!!」

「それっ! どかんかい!」

 ……ちょっと乱暴すぎ……ちょっと反省ちょっと後悔。


 僕はできた道を走り会場の外へと逃げ出す。

 これぞ火事場のクソ力!

 背後から天枝さんの声で『愛の逃避行だぁ!!』と聞こえる。

 全くその通りだよ!!




 その後、僕は裏庭に着いた所でぶっ倒れてしまい。現在、玉葛によってゆっくりと疲労感を取って貰いつつ、紅葉に涼しい風を送って貰っている。

 てかツツいたんだ!?

「うん。ツツは今、喚んだんだよ」

 呼んだって……すぐ来るもんなんだ……。

「当然」

 当然ですか……。


「…………」

「…………」

 …………沈黙が辛い……。


「晴信、あまり考えすぎるな」

「そうそう。私たち案外今の状態が好きなんだよ」

「まだ決める時じゃ無いんだ。決めなきゃいけない時は必ずやってくるから今決めなくていいだぞ」

「そうそう。その代わりそれまでは、平等に愛してくれればいいんだよ」

「……紅葉、それはちょっと違わないか?」

「えっ、玉葛は嫌なの?」

「いや、嫌なわけじゃ……」

「ならいいじゃん」

 ……ありがとう。二人ともありがとう。


「玉葛、紅葉。好きだよ」


「「!!!」」


 玉葛の言うように、いつか絶対に決めなくちゃいけない時があると言うなら、その時は逃げずに決める。

 それまでは二人が幸せであって欲しい。

 だから、僕もそのために努力する。

 僕は、僕のために笑う二人には幸せであって欲しい。今というこの瞬間を幸せに過ごして欲しい。そのために努力する。

「本当に好きだよ。紅葉、玉葛」


大豊〜キミ宛だよ〜。

なんでも悪の組織っぽい人に捕まったから助けて欲しいって


大豊(以下大)

「わかった」


行っちゃった……。

続きは感想返信にて!


って次回予告どうすんの!?


セフィリア(以下セ)

「妾がやるぞ」


あれなんで?


「…………置いていかれた……置いていかれたのじゃ!!! 追い付けなんだ……」


あの……落ち込む前に次回予告を……。


「れでぃには優しくするもんじゃぞ! たく、仕方あるまい。次回は妾と大豊のラブラブパワー全開で大活躍じゃぞ!!」


うん。 誇張表現ありがとう。


「なっ! こちょーひょーげんではないぞ! ん? こちょーひょーげんってなんじゃ」


はいはい。

次回をお楽しみ!!


最後に3万人の皆様ありがとうございます!!

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