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第33話〜文化祭、伝えて伝わってツーカーなカップルだ〜れだと僕〜

高校生時代……こんなイベントやりたかった……

無論スタッフのポジションで……

「『だぁぁ!!』っと盛り上げたところで、このイベントの説明だ」

 僕は今、どうしようもなく訳の分からないイベントに巻き込まれてるようだ……。

「まぁ、概要としては題名のままベストカップルもといバカップルを決めるといういたってシンプルな〜モノ! 目一杯ノロケちゃってもらって勝手にバカップル認定をしてしまいましょう!」

 いや、イベント自体は司会の天枝さんの言う通りにいたいって程に意味が伝わって来るが……何故に僕らが!?


「では、本日の主役達を紹介しよう!! 我ら『バカップル認定委員会』は――「部長部長、『ベストカップル認定委員会』です」――事前に自薦他薦を問わずカップル達を募集をした所、多数の応募がありました。幸せだなぁこのぉ!! そこで我らは、自薦の者を、書類審査と昨日行われた選考会で二組、他薦の者は、推薦者と共に身辺捜査をし、意外性、オモロ性などなど、独断と偏見で凝り固まった選考基準で三組。計五組のカップルを選ばせていただきました。ではでは、一組目のカップルをご紹介いたします。照明さんよろしく〜!」

 バンッと言う音と共に、僕らとは反対側の端が照らされる。

「どこにでもいる。確実にどこかにいる。正にカップルバカップル。二年B組、鈴木正也すずきまさや二年B組石本真亜奈いしもとまあなカップル。昨日の選考会ではペアのTシャツ、お揃いのお弁当。だて食う虫も食わない痴話喧嘩を見せてくれた強者バカップルだ! ただ、ネックなのはドコにでもいる特徴の無いバカップルと言うことだけ! 頑張れ!」

 と天枝さんの紹介に照れながら応える鈴木さんと石本さん。

 本当にどこにでも居そうなカップルだ。

「続きして!! コレより先はかなりアクの強いカップル達だぁ!! 心して行こう!! 二組目のカップルは、抜群のコンビネーションと言うより尽くしっぷり。その息の合った様は金婚式を迎えた老夫婦並み!!! 愛を囁き合うのは2人っきりの夜だけ! 一年F組加西龍と一年F組設楽佳織カップル。なんとこの少女の少年への溺愛っぷりで並み居るバカップルをドン引きさせ、更にはこの少年の少女への歯の浮く台詞も他のカップルから奇妙な物を見るような視線と羨望の視線を根こそぎ集めたと言う」

 バンッと照らされるは加西と設楽さん……出てたんだ……てか何やってんの!!

「これから先は他薦で選ばれたカップルです。まずはこのカップル。まだ居たんだ生息してたんだ!? オモロ性一位通過の天然記念物級カップル。。一年G組ギャル男の山田有弥やまたゆうやと三年A組汚ギャルの佐藤麻実さとうまみカップルだ!! マジにまだ居たんだ……すげぇ」

 あれって本物!?

 てか、何故に誇らしげなんだ?

「続きまして、意外性莫大!! 超絶ビックリ!! 我らの暴力英雄こと橘槻大豊に外人美女の彼女がいた!? 一年F組橘槻大豊と来場客のセフィリア=ニュクス=ウンディーネさんカップルだぁ!!」

 大豊お前までぇ!!!???

「最後は……男のロマンを実現したカップル……厳密にはまだカップルでは無いらしいがそんなのどうでもいい!!! 男の夢……美少女2人に寄り添われる……羨ましい!! そのポジションをよこしやがれと心の声がただ漏れになっちまう、そんなカップルだ。一年F組安森晴信と一年F組古山紅葉と来場客の九尾玉葛ちゃんカップルだぁ!!」

 バンッとライトアップされる僕ら。

 紅葉はノリノリで手を振り、玉葛は頬を染め軽くうつむき加減でいる。

 僕は無論唖然としているしかない。

「ちなみに、優勝したカップルには山海空全てで遊べる日本最大級のアトラクションテーマパークと誉れ高い『海千山千アイランド』の3日間フリーペア券と宿泊券だぁ!! 金がかかってるぜ」

 ホントにどんだけお金をかけてるんだ!?

 同意を求めて紅葉の方を見ると、

「ハル!! 死ぬ気で頑張ろ!! ホントは昨日の選考会からでるつもりだったけど……結果オーライだね」

 目を輝かせる紅葉がいた……。

 そんな紅葉の言葉に反応してか玉葛が、

「やはりそんな事を考えていたのか!? ルール違反だぞ」

「そんな事ないもん。ちゃんと言ったもん『校内の出店を一緒に回る』って伝えたもん。嘘は言ってないもん」

「うぬぬぬ……まぁ良い。今日この場を借りて決着をつければよい」

「はん! 望む所よ。どっちの晴信とのラブラブ度で優勝できたかで勝負よ」

 かなり思わぬ方向へ話が行っていますが……優勝……する気なんですね……。


「ではでは、第1の種目です」

 天枝さんの声に反応して、また、けただましいドラムロールが鳴り響く。

「題して『黙って伝えるツーカーなカップルはだーれだ』です」

「部長部長。『伝えて伝わってツーカーなカップルはだーれだ』です。間違えないでください」

 また、あの少年の訂正が入る。

 諦めたのかどうしたのか、直接言うのではなく、完全にマイクを使って伝えている。

岸堵きしどくん〜。絶対にこっちの名前の方がいいよ。まぁいいけど。では、気を取り直してルール説明です。ルールは簡単! 男性が言葉を使わずに女性に紙に書かれた物を取りに言ってもらいます。当然女性は紙に何が書かれているか見てはいけません。男性も『あれ』『それ』ぐらいまでなら言って構いませんが、ジェスチャーや実物を指差すような行動はとらないようにしてください。では、岸堵君例の物をお配りして」

「はい」

 と舞台袖から、さっきから何度も天枝さんの言葉を訂正していた小柄な少年が出てきた。

 その後ろに黒スーツの男が数人ついてきている。手にはイヤホンとアイマスク。

「念のため、女性陣にはこれらを付けてもらいます。………岸堵君、お題の紙を渡して」

「はい」

 と天枝が女性陣がみなイヤホンとアイマスクをしたのを確認すると岸堵君に新しい指示を出す。

 岸堵君も手際よく二つ折りの紙を配っていく。

 紙には五つの物名前が書いてある。

「男性の皆さ〜ん。お題は覚えられましたかぁ? 一応不正防止の為紙は回収させてもらいます。岸堵君回収して。ちゃんと誰がどのお題かわかるようにメモとるかしてね」

「はい」

 どうやら全員違う物らしい。

「はいはい。皆さん。聞いた通り、皆さんのお題は1カップルごとに違いますから頑張ってくださぁい。では、男性陣、女性陣のイヤホンとアイマスクをどっちゃって下さい」


 言われた通り玉葛と紅葉のイヤホンとアイマスクを取る。

 すると紅葉が勝ち誇った顔になり、玉葛の表情が軽く沈む。

「私の勝ちね。この勝負。さっハル、お題を教えて!!」

 ぐっと顔を近づけてくる紅葉。

 えぇっと取りあえず、ヤカンにまな板、生け花に使う剣山とキャップの無い使えないマジック。最後が青い星の書かれた風呂敷。

 …………って、伝わるか!!!

 こんなの!!

 伝わったらその人エスパーかなんかだよ??

「ハル、確認するよ。ヤカンとまな板と生け花に使う剣山とキャップが無くて使えなくなったマジックと最後が青い? 星の? 書かれた? 風呂敷? で合ってる?」

 つ、伝わってる……も、紅葉……貴女いったい何者?

「あってるんだね。じゃぁ取り行って来るから」

 ささっとお題の置かれているテーブルに走って向かう紅葉。

 他の人達はまだ伝えて(?)いる最中だと言うの……。

「紅葉は凄いな……」

 悲しそうな声で独り言のような声で玉葛が呟いた。

「ワラワは四つしか分からなかった……。最後の一個がどうしても分からなかった」

 それでも十分凄いと思いますよ。

 四つ目のキャップの取れたて使えないマジックが分かっただけでも凄いって。

 僕は慰めるように玉葛の頭を撫でてやった。

 いつの間にか玉葛もこちらを見ていた。

 多分、僕の伝えたい事は伝わってるだろう。

 だって玉葛の表情がさっきより明るくなっているんだから。


「ハル〜。持ってきたよ!!」

 紅葉はホントに伝えた通りの物を持ってきていた。

 無論、結果はダントツの一位。

 ちなみに他の人の順位は、以下の理由によってこうなった。


 二位、加西設楽さんカップル。

 理由、正解数3つ。無難にこなした様子だが、最後の二つが分からなかった様子。ちなみに最後の二つは穴の空いたスプーンと白地に黒の斑点のマスクだったらしい。


 三位、鈴木さん石本さんカップル。

 理由、正解数2つ。良くも悪くも終始普通だった様子。


 四位、大豊セフィリアさんカップル。

 理由、正解数0。伝わっていたようなんだが、何を持って行けばいいのか分からなかったらしい。時間ギリギリでそばのスタッフに聞く事を思い付いた用だったが、間に合わず、あえなく0個。


 五位、ギャル男汚ギャルカップル。

 理由、ずっと喧嘩をしていた。当然正解数は0。五位なのはやはり、終始醜い喧嘩をしていたからだろう。あれは痴話喧嘩ではなかった。


 この無理難題の伝言ゲームは終了した。

 てか普通の人には無理だろコレ!?

 次はもっとまともなものでありますように!!

 そうでありますようにお願いします。


「次の種目に行ってみましょう!! 第2の種目は……『走って走って私を抱えて走ってマイダーリン。カッコお姫様だっこ希望カッコ閉じる』です」

「部長部長、間違ってないですよ」

 な、なにがしたいんですかあんた達は!!


海千山千アイランド……なんかすげーな


日本にそんな土地有ったっけ?

細かいこっは気にしない!!


予告するキャラが決めらんない!!

てなワケで、

次回は走ります。



お楽しみに

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