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第32話〜文化祭、2日目のとんでもイベントと僕〜

あははは。


遅くなりました?

 思いの外、加西からの追求やらなんやらは無かった。そればかりか、僕と紅葉に午前丸々休みをくれた。

 怪しい……。

 怪しいもなにも、あの駒が揃った事を喜ぶ黒幕の様な顔が頭から離れない。


 そして玉葛はというと、未だ手錠に繋がれたまま。

「へぇ〜、それって花嫁修行ってやつ?」

「すごいすごい。私料理なんてダメダメだし〜家事なんて……ぜっっ……たいに無理!」

「あぁ私も尽くす女目指してみようかな……ほら、ヤマトナデシコ? ってやつ?」

 クラスの女子達に根ほり葉ほり聞かれていた。

 対して玉葛も。

「そうだな。だが……葛葉姉様が言うには『押し掛け女房修行』らしいのだかな。葛葉姉様もそれで亭主関白な夫に頭を下げさせたらしいぞ」

「料理はやらないとマズいぞ。男心を掴むには料理が一番だと葛葉姉様が言っていた。

例えそれが不出来な料理であろうと努力する姿を見せる事が重要らしい」

「ただ尽くすだけではだめだぞ。良い尽くす女とは、男に『アイツが居なきゃ俺はダメなんだ……』と思わせる女だそうだ。だから葛葉姉様が編み出した『押し掛け女房修行』が必須なのだ。なんなら初歩的な所から少しずつだが教えてやろか? まだ、未熟者の域を出ていないが、一応免許皆伝した身だ。たぶん大丈夫だと思うぞ」

 とヤケに生々しい……てか男子には怖い内容で女子からの質問に対して丁寧に答えていた。

 ふと、周りを見れば女子達が続々と集まって来ている。

 内訳としては、真剣そのものの顔で玉葛の言葉に集中している女子が数名。ものの参考にと興味本位で寄ってくる女子十数名。興味が無いという事をアピールしながらそわそわと寄ってくる女子がほんの数名である。

 とくに、先頭に切り込んでくる真剣な女子達と後ろの方でそわそわとしている女子達からは、あんに『私達、男に振り回されてます』という切実な心の声が聞こえて来るような気がする。

 あっ、設楽さん発見。無論、真剣な女子の軍団の中でだ。

 切実なんだね……ちょっと涙が……。


「失礼します。貴方が安森晴信さんですね。それと玉葛さんと古山紅葉さんで間違い無いですね」

 突然声を掛けられた。

 黒スーツに黒のサングラスを掛けた学生に……学生だよね?

「詳しくは話せないがご同行お願いしたい。と、言うより、連行させてもらう」

 と自然な動きでタックルをしてきてくれた。顔面に!

 あぁっ……星が見える。




 僕は、けたたましいドラムロールで目が覚めた。

「レディ〜〜スエ〜ンジェントルメ〜〜ン。本日はお忙しい中、お越しいただき誠にありがとうございます」

 目の前では、スポットライトを浴びた取り立て特徴の無い男子学生が、眼前に集まる大勢の観客に向けて自己紹介をしていた。

「本日の司会は、わが校のお耳の友として有名な、狐禮高校放送局部部長こと天枝幸司郎あましこうしろうが務めさせて頂きます」

「部長部長」

 上機嫌で自己紹介をする天枝さんの脇に舞台袖から小柄な少年が現れた。

「部長部長。訂正しますが、『放送局部』ではなく『放送部』です。あと、誰も部長の事を『お耳の友』なんて思って居ません。むしろ『耳汚し』と思ってます。お間違えのないように」

 と少年は天枝さんに真顔で言うと素早く舞台袖に戻っていった。

 てか、自分の部の名前を間違えるってどんだけよ。

 ちなみに、少年が言った事は天枝さんが持つマイクにより会場中に響いていたりする。

 それでも、天枝さんは恥じる事などせず。

「さぁ、誰が決めたか、会長が決めた本日のメインイベント!! 『禮高らいこう一のベストカップルは誰だ選手権〜お前らなんかただのバカップルだぁ!!!(泣)〜』の開催だぁぁ!!!」

 …………………いま何て?



爆弾蛙です


源太君、次回予告よろしく!


源太(以下源)「はぁ……」


あっ……どうしたの


源「今日の俺……踏んだり蹴ったりだったなぁって」


それは……


源「別に目的は達成できたから良いんだけどさぁ」


いいんだ……


源「次回予告だろ? ふっ、する必要なんてないだろ。分かりきった事なんだらさ。あの三人の絆が確かめられるんだろ。あはは。楽しみだね。どんな競技があるんだっけ? えぇ〜っと、『伝えて伝わってツーカーなカップルはだ〜れ』だっけ? あと―――」


だあぁぁぁ!!!!

ネタバレはやめて下さい!

やられ役ポジションには絶対に置きませんから許してぇ〜


源「俺は、別にそこまでして欲しいだなんて言って無いけど……してくれるって言うならして貰おうかな。バレる嘘の嫌いな爆弾蛙さん」


あ゛あ゛………

やられた……


えっと次回をよろしく

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