表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/37

第31話〜文化祭、 2日目の朝と僕〜

あとがきに作成秘話的な話あり

読みたくない人は読まないでね

「晴信、起きろ」

 優しい声……。

 でも……、眠い……。

 寝かせてくれ……。

「晴信!」

 揺らさないでくれ……。

「起きろと言うのが聞こえんのか!」

 聞こえてます……。

 でも、寝ますから揺らさないでください……。

「そうか、よぉく分かった」

 揺れがとまる。

「……晴信はワラワが嫌いなんだな……そうか……ううっ……分かった……出ていく……」

 はぁ!?

 玉葛の言葉に驚き、飛び起きる。

 そして、即座にアイアンクローを食らう。

「晴信、今楽にしてやるからな……」

 えっ……玉葛?

 ミチっと玉葛の手に力が入る。

「うわあぁぁぁぁ」

 とっさに叫んでしまった。

 だが、予想していた痛みはない。

 と、言うか、頭がかなりスッキリしている。

 さっきまで僕を蝕んでいた睡魔が一切感じられない。


 呆然としていると玉葛から声が掛かった。

「な、なんだいきなり叫んだりして。こっちが驚いたぞ。それよりどうだ? 眠気はスッキリしたか? 今、力を使って一時的に眠気を感じなくしてみたのだが」

 楽にってそう言うこと……。

 って、納得してる場合じゃない。

 今出てくって……。

「出ていくって言うのは嘘だぞ。安心しろ。輝美さんがそれを言うと飛び起きると教えてくたんでな。試してみた」

 試してみたって……輝美さん……。

「うん。効果てきめんだな」

 だとしても心臓に悪い。

 玉葛の肩に手を置き、ジッと見つめ、目で訴える。

「あっ……あぁ……なんだ、その……急に見つめられたら恥ずかしいぞ……」

 ……つ、伝わらなかった……。

「いいいいそげ。学校に遅れるぞ。紅葉は、なんだかクラスの女子に呼ばれたとかで慌ただしく出ていったぞ? 『か〜さ〜い〜』って唸るように言いながらな。とりあえず下で待ってるからな」

 早口でそれだけ言うと玉葛はそそくさと部屋を出ていった。

 チラッと見えた玉葛の顔は真っ赤だった。


 僕は急いで支度をし、家をでた。

 横には玉葛。

「今日から一般の人も行って良いのだったよな」

 朝食を食べてる間、一度も目を合わせようとしなかった玉葛だったが、今はちゃんとこちらを見ている。

 それはいいんだが、一般の来場は10時から。

 今はまだ8時。

「ワラワな、少し寂しかったんだぞ。だって晴信、昨日一日中紅葉と手を繋いで学校中を見て回っていたんだろ? 源太から聞いたぞ。だからな、だからな。」

 はぁ?

 源太の野郎、適当な事を……。

 あの後、結局逃げ切れず………色々あって……色々あって……心身ともにボロボロの状態で家に帰り付いたんだ……。

 楽しむだなんて……夢のまた夢の話だ。


 ガチャン


 と、突然聞き慣れない音と右手に違和感。

 ゆっくりと視線を落とす。

 玉葛さん……どういったお考えで?

「おっ、気付いたか? コレは離れ離れになりたくない相手と自分を繋いでおく道具だそうだ。源太が貸してくれたぞ」

 ………焼く。

「は、晴信? か、顔が怖いぞ……どうした?」

 別に何でも無いよ……ただ、源太の目を……いやいや、何もしないと思うから安心して?

 と僕は優しく玉葛に微笑みかける。

「……言いにくいのだが……安心しろと言う意志は伝わって来るのだが……その……その笑顔は人をとても不安にさせるぞ。って晴信!? ちょっはや、まっ。晴信!? 目が……目が……いつもの優しい目はどこにいったのだ??」



 とりあえず、学校に着いて、まず、やったことは、光線と閃光球を応用を利用して指向性の高い閃光球で源太の目を焼くことだった。

 そして、冷静になった僕はあることに気付く。

 だが、気付くのが遅すぎた。

「おい、晴信! 誰だその少女は!!」

「きゃぁぁ!! なになに? 晴信君とどんな関係? てか、手錠って……ホントどんな関係なの?」

「名前なんて言うの? この後一緒に回らない?」

 手錠付けっぱなし=クラスに玉葛を連れて来てしまった=クラスメイト達の質問責めに合うという簡単な公式が出来上がってしまった。

 そして……。

「た〜ま〜か〜?」

 紅葉登場。

「た〜ま〜か〜。何でいるの? って居るのはそんなにおかしくないか〜。でもさぁ〜その手はなに? あはは、私には手錠が付いているように見えるのだけど〜? ホント、それなに?」

 しかも、手錠のせいで少々混乱気味のようです。

「あはは、おかしいよね。今日も朝からハルと一緒に登校しようと思ったら。搬入がどうのこうのでかおりんに呼ばれるしさぁ。ちょっと目離したらそれ? それって協定違反?」

 目が据わってます。

「はんっ」

 紅葉の怒りを鼻で笑う玉葛。

「協定違反は紅葉だ。昨日起きた事を妾は源太から聞いたぞ。しかも朝、お前が出た後にな。だからコレは妥当だと妾は思うぞ」

「うっうぅぅ……仕方ないかも……連絡義務」

 紅葉はしぶしぶといった感じで納得する。

 協定ってなに?

 連絡義務!?

 君ら一体なにしてるの?

「なんか、納まりが悪いから源太をける! コイツが余計な事言わなきゃ良かったわけだし」

 紅葉……それは八つ当たりなのでは……。

 源太は紅葉に蹴られ、廊下へと転がっていく。

 でも、いい気味だ。

 と僕が密かに笑っていると玉葛が手と言うか手錠を引っ張った。

「晴信……妾が嫌いなのか? 妾と繋がられてるのはいやなのか?」

 うがっ!!

 玉葛の目尻には小さな涙……。

 いや、その……玉葛が嫌いな訳じゃなくて方法がね。分かる? 方法があれすぎるだよ?

「くすっ。そう慌てんでも分かっている。少しからかっただけだ。晴信がこういう反応をするのは源太から聞いて分かっていたさ。だから安心しろ」

 玉葛が優しく微笑む。

 ちょっと……こう……綺麗だ……。

 …………だぁ!!

 ってか源太は一体何がしたいんだ。

 えっ何か?

 目が焼かれる事も予想済み!?

「いや、さすがにそこまでは予想できなかったよ」

 えらく復活が早いじゃないか。

「紅葉に蹴られて廊下に転がり出たとこで大豊に無理やり覚醒させられたんだよ。あぁセフィリアさんのおかげでびしょびしょになりながらだけどね。ちなみにまだ、目はしょぼしょぼするよ」

 あははと笑う源太。

 心なしか笑顔がちょっとひきつっている。


「やあやあ君たち。コレは一体何の騒ぎだね。私にも分かりやすい説明してくれる者はいないのか」

 めんどくさいのが来た!

 今日もまた、ヒドい目にあうのだろうかと不安にさせてくれる奴が来た!

 このクラスのトラブルメーカー!

 その名も加西龍!!

 ってわざわざ言う必要もないか。


毎度、お騒がせ(?)な爆弾蛙です。

本日はちょっとだけ作成秘話的なお話を一つ。

読みたくない、聞きたくないという方は無視してください。





安森晴信について。

名前は安倍晴明と信太の森からちょいとしっけいしました。

二つとも狐さんとは関係が深いんですよ。

コンセプトは「モテモテで端から見たらムカつくけど憎めない奴」です。

上手くいっているといいのですが……。

と、ここで気付いてくれると嬉しいのですが、晴信の最大の特徴「無口」がコンスタントには存在しないのです。


なぜ、無口になったのかと言うと、制作計画立案中に『晴信がしゃべるとなんかなぁ』と思ってしまったのです。

三角関係が絶妙なバランスで仲良くみたいな関係を作りたかった僕としては晴信がしゃべると都合が悪い気がしたのです。

だから、晴信を無口にして、紅葉と玉葛に強引にかつ無理やりに引っ張って貰う形で話を進める事にしたのです。

あと、主人公が無口って珍しくない? てか、地の文をやらせればバランスも取れんじゃない?

という考えもありました。


実際にやってみて壁はありました。

思いの外頑張ればできちゃうもんなんです。

書いている本人である僕自身もたまにうざいなぁと思う設定ですが成功だと思ってます。


本日の作成秘話的な話はここまで。

何か聞きたい作成秘話的な話がありましたら遠慮せずどうぞ。


ちなみに次回は、文化祭なら外せないコンテスト系のイベントへの突入編です。

どんなコンテスト何だろうね〜。

楽しみですねぇ

では長々と失礼しました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ