第2話〜お祓いと白髪と金髪の美人双子姉妹と僕〜
どうやら木曜日も更新出来そうです。
ただ、月曜日は必ず更新しますが、木曜日は必ずという訳にはいかないと思います。
次の日、土曜日。
「いつ来ても長いよね。この階段。」
階段の長さが突然変わったら、それそれ怖いし困る。
僕は紅葉と一緒に狐禮神社へと続く長い階段を上っていた。
赤や黄色に変わった椛や銀杏がとても綺麗である。
「ゴール!! さっ次行ってみよぉ!」
階段を先に上りきった紅葉が満面の笑顔でいう。
とっても元気だ。
元気なのはいいがもう少し落ち着けよ。
「早く来るべし!!」
ビシッと指差し、僕をはやしたてる。
仕方ないので早足で階段を駆け上る。
狐禮神社の境内は広い。
鳥居をくぐると本殿まで平気で500mはある。
「神主さんいないね」
境内を見回した紅葉が言う。
そりゃいないだろうよ。
本殿の中で準備でもしてるんじゃないのか。
「分かった。本殿の中でお祓いの準備してるんだよ。さぁ行こ」
元気いっぱいに駆け出す紅葉。
僕は引っ張られる形で本殿に向かう。
お願いだからのんびり行こうよ
本殿の前に着くと神主さんが本殿の中から現れた。
「さっ準備は整ってますよ。中へ」
僕らは神主さんに促されるままに本殿の中へと入った。
本殿の中には見慣れない巫女さんが二人いた。
アルバイトでも雇ったのだろうか?
二人は双子らしく、そっくりでとても美人だ。
年はだいたい20代半ば〜20代後半ぐらいだろう。
一人は艶のある白髪で、落ち着きのあるお姉さんのようなイメージのある美人で、もう一人が輝くような金髪で、今時のねえちゃんみたいなイメージのある美人だ。
白髪の美人さんが僕らに気づき声をかけてきた。
「あっお久しぶり。ワタクシたちこと覚えていらるかしら」
えっ
どこかで会ってるのだろうか?
紅葉を見てみると、紅葉も僕と同じように困惑していた。
「葛葉……覚えてないから……いくら私が色々仕込みを入れた記憶の消し方したって言っても基本的には覚えてないから」
金髪美人さんが白髪美人さんを葛葉と呼び、たしなめる。
「そう言えばそうでしたわ。玉藻」
一人ご満悦の白髪美人さん。
玉藻と呼ばれた金髪美人さんは苦笑混じりに話始めた。
「さて、私達の目的は、あなた達に会ってもらいたい人がいるから会ってもらう。ただそれだけよ」
それだけって……
僕らを無視した内容だ。
って僕らの意志は?
「ちょっまっ待ってよ。私達はお祓いをしに来たのよ。そんな……」
「いいから会いなさい」
紅葉が食い下がるが、有無を言わせない口調の金髪美人(……えっと玉藻……さんかな?)の口調に押し返されてしまった。
「いいから会ってくださらない? きっと良い結果が得られますわよ」
柔和な優しい笑顔で言う白髪美人(葛葉さんだっけ?)。
「でっでも……」
上目遣いで僕を見つめてくる紅葉。
僕と紅葉の身長差は20cmもあるので自然とそうなるのだと思うが、可愛いと思ってしまうのはこれ如何に。
それはそれで置いといて、今重要なのは美人双子姉妹の言う会って欲しい人に会うか会わないかだが……
会うしかありません。
だって二人から何か……スッゴいオーラ出てるんだもん……
“気配で人を殺しますよ”的なオーラが……
僕は紅葉の肩に手を置き、首を横に振った。“諦めて会おう”の意志表示だ。
「わかったよ……」
紅葉も素直に従ってくれるようだ。
「さっさとその“会わせたい人”って人に会わせてよ」
ふくれっ面で美人双子姉妹をみる紅葉。
僕も美人双子姉妹をみる。
美人双子姉妹は微笑みあい、二人同時に指を鳴らす。
………………
…………
……
っておい!
何も無いのかよ!
紅葉も同じようにずっこけている。
そしつ僕より先に紅葉が抗議の声を上げようとすると、金髪美人の玉藻さんが笑いをこらえたような顔で僕らの後ろを指差している。
ん?
ドッ!!!
振り向きなり突如、体に走る衝撃と腹部の痛み。
そして弾ける様に舞い上がる木の葉。
衝撃に備えていなかった僕の体は後ろに倒れていく。
こういう時って、ゆっくりに感じってホントだなんだなぁ……
とどうでもいいコトをしみじみと思っていたが、床に叩きつけられた痛みで正気に戻る。
首を上げてみると、僕の上には一人の少女が乗っていた。
たぶんこの子が僕に体当たりをかましてくれたんだろう。
勝ち気な表情の少女は木の葉が舞う中口を開いた。
「五年ぶりだな。玉葛だ。覚えているか? 忘れてるなら直ぐに思い出す。なっ! 安森晴信!!!」
神道の知識があまりにも無さ過ぎる爆弾蛙です。
頑張りますので応援よろしくお願いします